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『神火』ようやく終了!

ーコウ視点ー


やっとだ。

早く柄杓の炎をお供えしてっと。


は?

これは??


広い林の中には、あちこちに祠が林立しているではないか!!

それこそ無数の祠。

大きさや形も様々なのにたったひとつの共通点が、何も掘られてない。

よーするに!


「どれが『神火』の祠なんだよーー!!」


思わず叫ぶ俺に皆んなも同意してくれたよ。

ここまでの苦労を思えば、もうゴールで良くね?

疲れ気味の俺達は、気を取り直してひとつひとつ見て歩く事にした。


じっと見てると何となく愛着が湧いてきて、埃を払ったり持っていた果物をお供えしていた。


あまりの数に、ガイおじさん達体力無限派は駆けずり回って『神火』と書かれている祠探し中。


残った俺達も近場で手分けしようと決めた!


「師匠、この道を外れないようにお願いします!!」


いつからか『師匠』呼びになったナット君に信用のない俺……ま、しょうがない。

さっきもはぐれたしな…。


俺は頷くと、右折して細い一本道を進む。

さっきまでと違い、薄明るいので不気味さは無い。

ただ、生き物の気配がないのが気になる。

虫1匹いない世界って。


俺は柄杓を持ちながら、少しずつお供えをしていく。まー数あるからね!


だいぶ歩いたが、目的地の祠がさっぱり分からない。そんな時だった。

祠と祠の間に、苔むした岩を発見。

座るのにちょうどいいと、掃除をして気づいた。

あ、これって祠か?


崩れかけた岩は、確かに人工的な感触を残していたが既に祠の体を成してない。

必死に周りの草取りをして漸く祠らしき雰囲気になって大満足していると全員集合してた。


「全員で林の中は粗方調べ終わったが、特にそれらしきものはなかった。コウの方も同じか?」


頷きながらも、お供えをしたついでに御神酒をかける。

お供えには御神酒が定番だしな。


「お、お前それ『イノプ』の秘蔵っ子酒じゃ…」

ガイおじさんの大好物なんだっけ。

不味いぞ、何かショック受けてるなぁ。


おじさんの珍しい落ち込み具合に振り返ったのが良くなかった。


「「「あっ!!!」」」


皆んなの短い悲鳴が聞こえて、手元を見ると柄杓の炎をこの祠にお供えしちゃってる?

や、ヤバイぞ。


「コウ、お前」

にじり寄るおじさんに、後ずさりし始めたその時、


ば、ば、ば、ば!!


柄杓の炎は、祠に付いた途端に、次々と他の祠にも炎が灯る。

それはまるで炎自体が意思を持って、祠を渡り歩いている(さま)にみえ、それこそ生き物のようだ。


やがて呆然と眺める俺達をよそに、全ての祠に火が灯り点いた。


綺麗だ。


見惚れた俺の掌の中には『赫い石』が??

いつの間に?


俺が覗いたその瞬間、俺達全てはあのツルッツルの扉の前にいた。

早業に感謝してようやくレレベ村へと戻る。


『赫い石』を懐に仕舞ったのをうっかり言わずに。


これで後で叱られる事になるが。。。

まずは無事完了!




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