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無双騎士団の戦い

今回は戦闘シーンが少し入ります。

飛ばしても大丈夫なように次話に内容を入れます。苦手な方は飛ばして下さい。

ー闇影獣との戦い ある無双騎士団の兵士の呟きー


それは、突然の招集だった。

余りにも暖かな場所にいた自分は、一瞬戸惑いすら感じてしまったほど。

闇影獣が出現したのだ。



ー無双騎士団ー


その名はこの世界で知らぬ者無い鉄壁の忠誠心の騎士団。


我が国王陛下の元。

民を守る為、国を潤す為ならば命を賭ける。

その潔さと一徹な忠誠心は他国にとって脅威とも羨望ともなり名は知れ渡る事になる。


その最たる仕事が『闇影獣』の討伐にある。

一度大型が出れば数百の命が一瞬で消える大型の闇影獣。

今回の招集は、その大型が10匹も出た事によるもの。

一瞬の戸惑いも打ち捨て我々が急行すると、そこはすでに別の部隊が展開していた。

が、その状況は悲惨そのもの。

足や手がない者など良い方で当然戻らぬ者も多数いる。


我々も剣を構えて応戦するも、10匹のうち3匹は総力を挙げ倒したが、残りが背後の村近くまで迫っていた。

村人は避難の後だが、耕した畑は既に壊滅してしまった。


剣に気を込めて仲間と連携して更に打ちかかるが、1匹倒す間に数人が犠牲になる。

足や手が捥がれ交代していく味方。

私自身も、既に毒息によって意識が朦朧となり、自分でも剣を持つ手が震えるのが分かる。

仲間が倒れる中で良く踏みとどまっていると不思議になる程、闇影獣の攻撃は執拗だ。


ビシュ!!

やっと防いでいた牙が肩を掠る。

肩から血が吹き出て、力が更に入らなくなる。

足を踏ん張るも、このままでは一太刀浴びせる事もままならない。


来た!

もう防げまい。

覚悟して目を閉じたその時、怒声が響きわたる。


「馬鹿野郎!諦めんな。踏ん張れ!!」

自分の前に立ちはだかり剣を振るうのは、なんとスタン元部隊長。

無双騎士団の中でも一二を争う腕前の持ち主だ。


「ほら、これを噛め。」

渡されたのは、小さな飴玉。

『蜂蜜飴』と言う名の飴のその凄さは、食べた瞬間理解出来た。

肩の傷は塞がり、毒耐性がついたのか息が苦しくない。先程までは殆ど動けなかった身に力が入る。

スタン様の横から打って出る。


スタン様はその後あの飴を配りつつ、戦い4匹を倒すと残りの獣は逃げていった。



ボロボロの仲間と宿屋に戻ると、スタン様は次々とコウ殿の飴を配る。

だが既に意識のない者はそれすら受け付けない。

無言になる一同に、スタン様が懐から『石』を取り出して重傷者の胸元へ。


??

キョトンとなる我々を他所に真面目な顔で重傷者を見つめるスタン様。


な、なんと次の瞬間、意識が戻ったではないか!

すかさず飴を押し込む。

そうやって次々と仲間を救った後にスタン様は一言呟いた。


「コウ殿から伝言だ。

皆さん、気をつけて無事に戻ってきて下さい。とな。

この石の名は『温石(おんじゃく)』。その名の通り温めるものだ。付加は見ての通りだ。」


コウ殿。。。


ビアホールを出発した者は奇跡的に全員無事帰還することになる。

体力・気力・武力共に付加料理に守られた我々の次の任務はビアホールの維持運営だ。


コウ殿のお戻りまで必ずや。


我々の忠誠心がもう一つ生まれた瞬間だった。




ー王宮 ある者の呟きー


「我々ボルタの民は、長命が定め。

王族ともなればその寿命は遥かに長い。だが我はその身に非ず。」


その者はため息と共にやがて来る青年を待っていた。

長年の友が見つけた希望の星と言うその青年を。


ただし、彼の顔に歓喜は無い。

彼の視線は自身の右足にあった。


足首だけでだったのに、既に太ももまで侵食している。



彼の足は『石化』していたのだ。



ーラオ視点ー


分かっている。

コウとはこんな奴だと。


気軽に花摘みの要領で拾ってるのは伝説の『火石』に違いない。

ビール事件も衝撃で親父でさえ無言だったのは笑えた。


まさか『琥水』の話の後あんな展開になるなんて。さすがの主様も予想外の結果だったみたいだ。


ビールで毒素取れたしな。

『琥水』いるのか本当に?


暫し、皆で疑ったよ。

その後の展開も普通に驚いた。


お弁当も全て持っていくなんて。

主様も予想外の事をされる。


お陰様で『火石』を持って王宮へと乗り込む事になりかなり有利に運びそうだ。

。。。

しかし、俺の予想はいつも外れる。


そろそろ勉強した方が良いよな。

コウは規格外だから予想しても無駄ってことを。

懲りない俺の予想外の展開がまた、巻き起こる事になる。



人に助言とかしてる場合じゃ無いよな。

俺。。。



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