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『ビノワ』の復活…その後

ーコウ視点ー


銀色の風吹雪の中で立ち尽くしてます!!


なんと。

あの銀色の木は、水柱の雨が降り注ぐと砂になり風の中へ消えていくんだよ。


綺麗で寂しい風景…。


て!!

それどころじゃないけど。


コレ。

あの『銀色の実』の方は、何故か無事に全部が地表へ着陸した訳。


その上!!


なんと移動を開始した訳よ!!

マジかよ。


なんで『実』なのに?

ゴロンゴロンと転がって…どこ行くんだ!


あ!


気を取られた俺は振り返って、びっくりした。

あの水溜りが復活してたから!!


いや。ちょっぴり成長したか。

そう。池くらいか。


泉は、ちょっと烏滸がましくて言えないよ。

俺…控え目なタチだからさ。


なんだよ!

ラオだけじゃなく、ルスタフまでー!!


その目…最近多くないか?


そんな事を言ってたら、いつの間にか移動をした実が池の周りをグルリと取り囲んでいた。


元通りになったオオサンショウウオも見守ってるけど、何が…あ!!!実ーー!!



パカッとな。


割れました。


それはいいよ。

そりゃ実だからな。


でも…ドバッーーー!!と。

大量の水が?


あの実のどこにそんな水があったんだ!?

割れて出てきた水が、新!水溜りへ。

その量たるや。スゴイやん!!


次から次へと、割れる度に水が出てそして銀色の実は消えてゆく。


がと、思ってました。


それが、なんと!!


最後にあの実から出てきたのは、真っ黒な石?なわけ。


あの実…いったいなんなの?



水と真っ黒な石?の実??

分からん。


そんな混乱中の俺に全く遠慮なく、更なる展開が!!


つ、疲れる。


何…この展開。



なんで真っ黒な石?が生き物産むの?

アレ…まさかの『たまご』??なんですか?


もう…。



なんと!!

産まれたのは…『めっちゃ小さいペンギン』です!

いや。本当だから。


言ってる俺が、半笑いだけど。

何?この展開?


ん?



『ようやく。

ようやく荷を降ろせる。


『ビノワ』の聖なる泉は生まれ変わったの。

新たな守り主の誕生よ。


これから、ムルゼアの再生が始まるわ』


オオサンショウウオ?だよね。

何?

何か変だ。


元気になったはずなのに。

背中もピカピカしたし。爪だって綺麗になったのに。


なんで?


なんで透け始めてるの?



『ふふふ。

驚かせたわね。


ようやく。許されるのよ。


肩の荷を降ろす事を』


ラオ?

なに…泣いてる??


「そんなはずは…。

だって、あの『不死鳥』は凄い薬なんだから…」

と。俺は思わず呟いた。


そんな、ショックを受けてる俺の側にオオサンショウウオは近づいてきた。

もう。

後ろ足は、消えて見えないが…。


『ふふふ。

噂通り。優しいコウ。


感謝しかないの。

本当よ。


あの『フシチョウ』は本当に凄い薬よ。

何故ならこの地の病を治したいのだから。


でも、直せないモノもある。

それだけよ…』



あ!!

身体が。


半分に…。


俺の耳に、誰かの泣き声が聞こえてきた。

義父さんに似てる気がするけど…。


違うようだ…。


俺は、必死に袋の中へ手を入れる。

何か。何かあるはずだ。


何か…。


「コウ。もう良いよ。

ありがとう。本当にありがとう」

ラオの温かい声がして、余計に焦る。


ダメだ。


絶対、そんな事を望んでない。

だれかそう言ってる気がする。



??

コガモ??


懐に入って、すっかり小さくなってたから忘れてたよ。


コガモ①か?


ん?

コレは…『笑み卵』の殻?


よし!!


俺はコガモ①に勧める通り、殻と不死鳥と。

池の水を混ぜた。


即席、超万能薬だ!!


ん?

ペンギンも寄ってきたし。


真っ黒な石の殻か?

よしよし。混ぜるよ。


ありがとう。


で、出来たーー!!


あ!!


振りかえると、オオサンショウウオはもう微かに存在が分かる程度に霞んでいた。


オオサンショウウオ!!


俺は、躊躇わずに、もう霞のようになったオオサンショウウオの身体にかける!!


治れ!!


いや。治る治る…。

信じるんだ!!


コガモ①もペンギンも。

皆んなの願いも…。



「オオサンショウウオーーーーー!!!」




必死に叫びながら、かけた。



でも、霞になったオオサンショウウオはそのまま消えた。



嘘だろ。


そんな…。



だって。

凄い薬なんだよ、アレ。

たぶん。もう二度と作れない。



なのに…。


そんな…。



誰も一言も話さない。


沈黙が垂れ込めたその時。



コガモ①が近づいて来て俺の服の裾を引っ張った?



何だよ。

今、お前たちと遊ぶ余裕はないんだよ…。


え?




コレ?




『ふふふ。


この姿では初めてまして…だわね。


ありがとう。奇跡よ…コレ』




目の前でクルクル回る可愛らしい女の人は、花のように笑った。


眩しいくらいの笑顔にぼーっと…なるか!!


その前にサイズ!

サイズを考えてくれーー!!


コガモ①の頭の上に、その小さな女の人はいた。



ええーー!!



そりゃルーザには、ぴったりだよ。


でもさ、サイズ。

○カちゃん人形サイズ!!


俺があんまり動揺してたら、後ろから歓喜の声が!!



「ルーザ!!!」


誰?


けっこうなおっさんです。


どっから来たの??


(超泣いてるけどこの人…ふふふ。何か義父さんに似てるなぁ。あの泣き方)





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