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『ビノワ』での出会い…!

ーコウ視点ー


真っ直ぐ続く銀色の並木道は、カラン、カランと綺麗な音をさせている。


でも…さっきちょっと触ったら…

結晶化した実は砂となり、風で飛ばされ消えていった。


その風景を見たら、やたら焦る気持ちが湧いてきたよ。

痛かった足も忘れて、ひたすら前へ前へと。


あ!!


何か見えてきた?

広場かな…。

そうみたいだな。


ぽっかりと広がるその場所は、野球場くらいの広さだ。

その真ん中に、ちっさな水溜り発見!


近づくと、その水の綺麗な事!!

透き通った水は、何とも言えない美しさがあった。


でも。

驚くのはソレじゃない。


アレです。



オッサン魚。


。。?


あ!!


間違えた。

オオサンショウウオでした(いや、名前とか知らないよ。ソックリなんだよ!)


あの愛嬌のあるヤツだよ。

まぁ、笑ってるみたいで可愛いけど…。

この水溜りじゃ住むのに向かないと思うよ!!


え?



『だから。初めまして。

オッサンじゃないわよ。私の名前はルーザですよ!」


無理!!


その名付けは、センスゼローーー!!

酷いよ。ソレ。


なんで、オオサンショウウオが『ルーザ』なの?

その名前だけで、俺みたいな(モテない)人間は、夢見られるのに!!


「コウ。

とにかく、名前より話を聞こう…な!」


お?

ラオの疲労感が半端ないよ。


んー。

無理もない。

ここまで迎えに来て、戻って。

かなりの距離を走り回ってたんだから。


肩を叩いて励ましてたら、何故か更に疲労感いっぱいの顔で俺を見るなよ!!



『コウ殿!

コウ殿!!

あー、良かった。ようやくお話出来そうで。


貴方噂通りね。

ほんとーに!!話を聞かないのね…。


ま!良いわ。今はそれどころじゃないから。

この『ビノワ』に迫る危機についてよ。

このままだと、まもなくこの場所は力を失うわ。

力を貸して。お願い…』


オオサンショウウオのキラキラな瞳とか。

初めで見たよ。


でも。真剣に頼んでいるのは理解出来た。


よく見ればこのオオサンショウウオの背中は所々荒れてて、ボロボロなんだ。

爪なんか割れてる…。


必死に守ってんだと思うと、俺も真面目に頷いたよ。


でも。

どうすれば…。


『この泉です。

枯れ始めたのは、今からかなり昔の事。


徐々に小さくなって、今はこの有様で。

どうすれば良いのか教えて下さい』


オオサンショウウオのルーザの台詞に、全員でびっくりしたよ!!


コレ。


まさかの、泉???


ありえねぇー。

あー。嘘だろ??


水溜りじゃないのか?


参ったよ。

そんな難しい事。



あ!

そう言えば、深さを探るのが先かもしれないよな。


じゃあ…やっぱコレだね。



ポイっと!


「「「「コウーー!!!!!」」」」


ドボーーーーーン!!!


え?ええ??


あまりの出来事に頭が追いつかない…。


俺が石を投げ込むのと同時に、皆んなの叫びが!!(ちょっと声デカすぎ…)


で。

ここからが一番大切です!!


あの…。



水溜り、いや違った。泉?だっけ。


ハハハ…。



完全消滅しました。


何でーー!!


俺、小石を入れただけだし…。

オオサンショウウオなんて、驚いたのかひっくり返って気絶してるよ。


もう。



とにかく、オオサンショウウオが先だな。

口の中に、俺はとっておきの薬を飲ませた。


だって、オオサンショウウオの生態とか分からんから!!


『気つけ薬』を配合してる途中で、偶然出来たたったひとつの薬。


その名も『不死鳥』!!!

え?


オタクの疑惑…し、し、知らないし!!

なんか思いついただけだから!!


それより、水溜りじゃなくて、泉だよ。


単なる土になった場所は、既に湿り気すらないし。

さわさわと、撫でているけどそんな事で分かる事もない。


悩んでる横で、ラオは必死にオオサンショウウオを介抱してる。

ラオ…。


両生類好き?

うーん。


変わってると思ったら…。


大丈夫だよ!

アレ特別な薬だから。


ほら。

オオサンショウウオが起き上がって…あー!!



俺たちは、全員で立ち上がると必死に逃げ出した。



オオサンショウウオは、元気になった途端!

巨大化したから。



オオサンショウウオが巨大化したら、単なる恐竜だよな。

か、可愛くないし!



ボコボコ。


ん?なんの音?


ボコボコボコボコボコボコ。。。



ドドドバーーーーン!!!!!!!!!!!




ふ、噴水?


いや、水柱だよな。アレ。


逃げ出した場所で見てたら、元の水溜りの場所に

巨大化したオオサンショウウオとデッカい水柱が!!


天まで届く勢いの水柱は、雨のようで。



カラン・カラン。

結晶化した銀の木々にも降り注ぐ。


唖然としたままの俺たちを置いてけぼりにして。

結晶化した実に変化が起きていて。


果実…に変化したのか?

それとも…生き物??


ゴロゴロと、地表で動く銀色のその実に全員が立ち尽くしままでいた。



『オォーー。』


えーー?何!


まさか…オオサンショウウオの鳴き声なのか?


やっぱ…ルーザじゃないよな。コレ…






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