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一人より皆んなで!!

ーコウ視点ー


超能力なのか?


何故見つかったんだ…俺。

ものすごーくコッソリ・コッソリと抜け出したのに。


ルスタフ!

さてはやはり超能力…


「あのな。

あれで気づかないはずが…。

。。。


ま、いい。

それよりたった一人で何処に行くつもりだ?」


太郎の背中に乗った俺は、間違いなく言い訳が出来ない状況で。


。。。

無言を貫いていると。



「いいよ。

レイバン殿のところだろ?

それは理解出来る。問題は何故一人なのか?だ。

俺たちは、仲間のはずだろ?」


ルスタフ!

くっ。


スタンさん二号発生とは。

ザ、正論には、負けます。

まさか危ないからとか言えないし。


目が笑ってないよ…スタンさん。


そんな俺たちは、一緒に!レイバンの元へと向かって進む。


俺は太郎に。

ルスタフ達は馬に乗って。



森や川の流れる美しい風景は、俺の知ってるテーレントとは違う。

そんな風景を堪能していたら。



突然!!

目の前にグレーの靄のようなものが目の前を遮った。

それは澱んだ色をしていて、自然のものでないのが即、わかる。


どうすれば…と考える間も無く。


ルスタフが

「風よ。その息吹を持って先を照らせ」


す、素早い…やるなルスタフ!!


靄は、全部は晴れなかったが薄ーくなった場所に先への道を見つけた。

澱む空気の中へ入ってみると。


レイバン!!

ミゲル!!

トラッデの皆んなーー!!



地に伏せて倒れていたみんなの元へ。


真っ白な顔は、まるで血の気を感じられず差し迫った危機感が湧き上がる。

急いで、袋から『気つけ薬』を出してルスタフ達と手分けして皆んなに飲ませた。


いや。飲まなかったから…もう!

振りかけました。


すると、若干顔色が回復してきたが誰も目を覚まさない。


スタンさんが馬に乗せて知識の部族の場所へ戻るかと話していたら。


ドドドドドドドドーー!!



馬乗った人が物凄いスピードで突き進んで来るのが見えた。


あれ。

暴走だよね?


危ないから!


カリナーーー!!!


ぶつかる!って思って仰け反ったら。


急ブレーキの末に、ヒラリと馬から飛び降りたよ。


登場だけでも、疲れるとかまさにカリナだ。

でも。この場合『地獄に仏』と言えるよな。



有り難い…。



何故この場所が分かったのかとか。

何故このタイミングで来たのかとか。


聞きたい事は沢山ある。

でも。その前にレイバンを!!

トラッデの皆んなを!!


ニコッと笑ったカリナは挨拶もせず、そのままレイバン達の元へ。

手を差し出した途端に!


皆んなの意識が戻った!!

すげー。


神官って凄いよ。って言ったら。


「既にコウ殿の与えた『気つけ薬』で粗方回復してましたから。

私は少しだけ手を貸しただけですよ」


余裕の笑みとか。

本物のカリナか?


「もちろん本物ですよ。でも…

私の事より、コウ殿の後ろにいる者達に気づいて下さい!!」


後ろ?


俺が振り向いたら…ゼブラ!!

可愛いけど。


今なの?胡桃オネダリ。


タイミングがね。


え?


袋から胡桃を出そうとした俺にひと鳴きした一匹がダッシュで走り出したら、全員がその後に続いて。



お前たち…まさか…、



全員が目指しているのは、今レイバン達を倒した毒の空間。


アイツら。

このままじゃ。


「お待ちください。まずはレイバン殿に情報を貰ってから。

いったい何故全員が倒れてのですか?」

スタンさん?怒ってます??


「返す言葉もない。

まずは前哨を送り出し様子見をする予定だったがいくら待っても戻らない。

次も同じで。


そこからは悪循環で。

俺の力を全て使ってもここまで全員を戻すのが精一杯だった。


コウ。カリナ殿。本当に助かった。

ありがとう」


頭を下げるレイバン。


でも。

話を聞いたら毒の空間は凄いらしい。


じゃあ。ゼブラは?

まだ、質問をしているスタンさんを横目に太郎に目配せした。


太郎がクイッと首を傾げて、促してくれた。

太郎!


頼んだよ!!


ゼブラーー!!

今行くから!!


俺は太郎の背中に乗って一気に駆け出した。

皆んなが駆けてくる音に、大声で叫ぶ。


「危ないから!みんなは戻ってーー!!」


結論から言うと…無駄でした。

なんでレイバン達まで?


とにかく、ゼブラ達の元まで追いついた。


ゼブラ?

それは毒だから食べちゃダメだよ!!


ゼブラ達はグレーの靄を食べてる?

ゼブラ達の数は、増えるだけ増えて。


いっそ地平線もゼブラかと思うほどだよ!

地面を覆うゼブラは、我先にと食べ尽くす勢いだ。


「レイバン殿。この場所で間違いないのですか?

毒を全く感じませんが…」


ルスタフの遠慮がちな質問に。

驚き顔のレイバンが。


「本当です。間違いありません!

ですが、毒は消えています。その理由は…」


うんうん。

それなら俺も知りたいよ…。


それにゼブラも大丈夫かを!


「どちらも大丈夫よ。

この辺りは毒自体は既になくなったわ。


ゼブラ達も全く問題はありませんよ。コウ殿」


ええーー?


振り返ると、アーリアさん?


あ、そうか。

カリナと一緒に…?


違う?

全く違う場所にいたはず??


混乱する俺にレイバンが一言。


「ここは単なる入り口だ。

まだずっと先がある。コウ。

皆んな。


一緒に来てくれないか?」


レイバン!!



分かったよ、ルスタフ。

一人で突っ走ってちゃダメだって。

頼んだら、良かったって。



俺はそんな事を思いながらレイバンに頷き返した。



ゼブラ達は、まだもぐもぐやってた…。


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