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断崖絶壁?

ーコウ視点ー


断崖絶壁。


トンネルの向こうは、コレ?


目の前に広がる風景は、美しいよ。

絶壁の眼下に広がるは、真っ白な雲海?


霧らしい。

鋭いツッコミが来ましたから。(ルスタフめ…)


とにかく、身動き取れない我々は当然ながら引き返そうと決意する訳よ。

そしたら、、


いや。

入り口?出口はあります。


確かに出てきた場所はあるにはある!


但し、『絵』ですけどね。


あり得んーーー!!


こんな所で『絵』に戻るなよ。

これなら森の中の方がマシっしょ!


スタンさんがそんな心の叫びに忙しい俺に一言。


「ここは、恐らくボルタです」



ええーー!

見たことある風景?


この真っ白が??



「そうでは無いのです。

空を飛んでる鳥や気温など。外的要因から考えました。ルスタフ殿。風魔法で霧を払って頂けないか?」


いや。

この真っ白な霧はかなりな広範囲。ルスタフのちょっと微妙な風魔法じゃ。。え?



『風よ。吾の声に応えよ。

霧を払いて真なる姿を見せよ』


落ち着いた声のルスタフの魔法は、まさかのまさか。


マジか。

ルスタフまでイケメン声の仲間入りか??


目の前には、広がる湖の姿が!!


山に囲まれた湖の青さは、素晴らしい。

山々の緑もその湖面に写して、更なる美しい風景の完成だ!


もう、感動ものだよ!


但し…


俺たちの緊急事態が解決したらな。



ここ。

やっぱ、断崖絶壁で決定。


ほら、摩周湖と同じで湖への道など無くてただ、ただ『崖』。


俺たち道なき崖の上です。



はい!!

詰んだ。完璧に詰みましたよ!


空以外に行ける場所ないから。


空…と言えば…もしかして。


レイバン!!


振り返ってレイバンを見れば、既に背中の羽を広げて上空へ飛ぶ寸前で!


目は、真っ直ぐ上空を見ていたレイバンが一気に空へ。


うぉ。

獣人マジ羨ましい。


そう思って見上げてたら。

あれ。様子がおかしい?


レイバンがヨロっとしたかと思うと急降下して俺たちの方へ?


あ、危ないーー!!

お、落ちるよ。


レイバンーー!!



『風よ。お前の(かいな)に受け止めよ』


あの声は?

ルスタフの声で風が巻き上がり、落ちてくるレイバンの速度が和らぐ。


風にふんわり受け止められたレイバンが地上へ。

俺は急いで『気つけ薬』を用意してたら、ルスタフが慌てて。


「そ、それは。

あの、あのー。様子を見てからの方が。

ですから。」


はぁ?

もう何言ってるかわからん。


いつものルスタフに(ホッとしつつ)ため息をついて。


「だって、レイバンが気絶してるだろ。だから」

と、やれやれと言う風情で答えると。



「コウ。大丈夫だ。意識はあるから」その声は…レイバンか?


おぉ。

あんな急降下でも無事とは。


さすが獣人。


「いったいどうしたのですか?

突然、バランスを失ったように見えましたが」

スタンさんの問いかけに、半身を起こしたレイバンが答える。


バリーが『気つけ薬』ではなく、単なる『お茶』を飲ませてる。

大丈夫そうだな。


「実のところは、俺にも分かりません。

調子よく上空にいたのに、突然羽が動かなくなって飛んでる事自体出来なくなりました」


スタンさんが考え込んでいる。

心当たりが?


「いいえ、

でも。この風景とレイバン殿のお話にこの場所の特定が出来そうです。

恐らく…」


スタンさんの話の途中で。



ザザァーーー!!

ゴロゴローーー!!


ピカ!!


突然の豪雨。

雷。



何?

何にも聞こえないよ!!



あんなに天気が良かったのに。

山の天気は本当に気まぐれだな。


でも。

こりゃすげーよ。


通り雨だったらしく。

雨も雷もすぐ止んだ。


だけど。

びしょ濡れの俺たちを次の危機が。


あの雨で。

上から落石が!



小さいからまだ無事だけど。

このままではいずれ、ぶつかるから!


レイバンが気を。

ルスタフが風を。

バリーが水を。


落石に当てては、防いでるはいるがいつまで保つか。


あ!!


段々と大きくてなるじゃん…岩。


不味いよ。

逃げ場もないのに。


レイバンは、少しダメージがある様子をだし。

このままでは。



山頂を見上げてた俺の目に。



巨石が!!



あれ。



ぎゃぁーー!!!!!


ゴロ。


叫んでも。巨石の傾きは余計にこちらに来てピンチが更に増し増しだしどうすれば…あ。



ゴロゴロゴロゴローー!



もうダメだ。

コガモ軍団をひっしと抱きしめ俺はギュッと目を閉じた。


閉じたよ。



ん??


ピィ、ピィ、ピィ??



この声はまさかの。



ピィーなのか??


薄っすら目を開かれは?



ナニコレ??

誰ですか…貴方?


巨大鳥が山頂で岩を投げ飛ばしてるようにみえるけど…?



えーー!?


育ったの?

まさか、ここまで大きくかい?


ピィ。



おお、もう鳥やめてないか?ソレ。



え?



「だから!!

アレの正体はピィじゃないよ。


ほろほろ鳥の幼鳥が集まって、巨大鳥になったんだよ。

恐らくコウを助ける為にな」


ええーーーー!!!


腕の中には、コガモ軍団の姿はない。


「お前たち」

絶句してる俺をジッと見てた巨大鳥は。


岩を全部投げ飛ばしたらしく。



ピィーーー!!!!



と、一声鳴くと。



バラバラになったかと思ったら。

ポタポタポタ…と。


元通りの。

ちっさなコガモ軍団に戻って俺の腕の中へ…



着地!!



ニコニコしてるコガモ軍団に「ありがとう」と声をかけたら。

また、鳴いてた。

俺は、優しくチカラを入れて抱きしめた。



やるな。俺の息子たちよ。


と。







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