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『見えない島』への上陸方法は?

ーコウ視点ー


会議中…。


ふぁぁ。


ん?あくびしてないから!

退屈とか…言ってないし!!


あの『見えない島』の場所は未だ不明で。

俺も蜃気楼かなぁと発言したけど『それ何?』状態でさ。


説明とか無理しょ!

あれ理系とかの人でないと。

え?高校受験でも出る?


そんな馬鹿な。

きっと前世の記憶がちょっと狂ってるんだよ。


。。。



とにかく!

蜃気楼の説明出来ないから、お絵かきしてます。

いやね、絵なら伝わるだろ。


でもさ、絵を描いてるとすぐさまルスタフが横にビッと張り付くんだよ。

もしかして、アレかぁ…俺の絵のファンか?


ま、参るなぁ…。

まあ、穴の空くほど眺めた後の質問責めはちょっとやめて欲しいけど。


おー!あの小刀セットを手に入れてからめっちゃ木彫りの速度と精度が高いよな!


蜃気楼の木彫りって、すげーよ。

マジ。


皆んなも一気にこっちに来たから。


「コウ殿。この蜃気楼の話をもう少し詳しく教えて下さい」とゼンさんの言葉に出来る限り話した。


でも、結局何か分からないままで。


そしたら…。


「愚かな。蜃気楼とは光の屈折で見える幻影じゃ。時折、妾の海でも発生しよる。

其方らは、幻の魔法とか言って避けておるがの。」


あ!

あの子。またもや着いて来ちゃったのか。

親御さんは、心配してるんじゃ。


「コウの阿呆!

妾はもう一人前じゃ!せっかくいい事を教えてやったというに!

ふん。そんな飴如きで懐柔されんぞ!

何?干し柿の飴じゃと。

うーん。まぁ、良い。

ともかくじゃ!その蜃気楼に隠された島と言う事じゃな。

光の屈折を曲げ、道を開くことじゃ!」


照れ屋なんだから。

俺の飴が大好物なのに、赤い頬していい捨てると部屋を出てった。

ゼンさんが頷いたから、大丈夫だね?


はー。親御さんにいつか怒られる予感しかない!


ん?

あれま。


話し合いが一気に加速してるよ。

あの子の言葉も参考になったのかなぁ。


だとしたら、将来大物かも。。



『見えない島』への道は、強い光を出すものが必要だと結論になったみたいだ。


強い光といっても、広範囲に及ぶ蜃気楼に打ち勝つとなるとそんじょそこらの物ではどうにもならない。

しかし、そんなものが簡単に手に入る訳はない。


完全に行き詰まったぞ。



あー。こんな時はもう昼ごはんしかない!

美味しいものを食べるべし!!


そうだ。あれを出そうっと。


俺は袋から五目ちらしを取り出して、皆んなに配った。

おー。喜んでるよ!

でも…

パナヤ陛下は食べたこと無いらしく、目が開いたままで怖い。


悪いもの入れてないよね。

あの貝が側にあったせいかなぁ。もしかして。。



俺は不安になったので、物知りゼンさんに尋ねようと貝を取り出した。


「あのさ、ゼンさん。これって毒を出すかなぁ。もしかし…」


「ぎゃーー!!

コウ殿!コウ殿!!


それを。それをいったい何処で!!」


パナヤ陛下。いよいよヤバくなって。



「私は、大丈夫です。もちろん、大丈夫ですとも!!例え、秘宝やら幻の貝やらに次々と出会おうとも、正気は失いませんから!

ええ。

ど、動揺もしてませんよ。

この歳ですもの。

今、必要な幻の貝がコウ殿の袋から簡単に現れたとしても、全然平気です!」


えーと。

取り敢えずリーさんが陛下の背中をさすってる。


目が飛んだの直ったかなぁ?


だ、大丈夫みたい。

はー。不敬罪の心配ばかりで疲れるよ。


マーラさんがお水を持ってきて何か話してる。

頷いたパナヤ陛下は、完全に落ち着きを取り戻したみたい。


「今一度申し上げますわ。

今の貝の名前は『光貝(コウカイ)』と言い幻の貝と言われるもの。

伝説と言われる貝です。

蜃気楼に打ち勝つ。

それこそ、この『光貝』しかありません。

。。。

まさか、今のこの状態で見つかるとは。

ですがこれで『見えない島』へ上陸する可能性が出てきました。

後は準備を整えるのみ。

それは、我が国にお任せ下さい」


『光貝』の出現で難問もクリア!

遂に明日の出発と決定した。


ではでは。


俺は今日のうちにレレベーナへ買い出しに、と。


バリーとミックを連れてレレベーナへと向かった。



ーパナヤ陛下視点ー



心待ちにしていたコウの到着。

マーラ達から知らされていた『五大食材』と禁足地の事。


この世界は目まぐるしく変化している。

国を治める者としてこの変化に対応していかねば。


決意を固めつつ、待っているとコウが照れながらやってきた。

元気そうで安心したわ。


無論、報告は聞いている。

無事と知っていても、気を揉めていたラドフォードに変わって私がしかとこの目で確認したかったのよ。せめて、戦っているあの子の代わりに。



城に入ると、立食パーティーの会場である広間へと案内したら。

予想通りコウは料理をしたがったが、我が方の料理人も引かなかった。


レシピの礼にご馳走したいと。ね。


頬張るコウを影で見ていた料理長の目には。。。それもそのはず。

今や知らぬ者とていないコウへ自分の料理を食べさせるのだから。


あの笑顔で努力は報いられたと思うわ。



ところが。

微笑ましいのはそこまで。

主様がコウ殿の近くへと歩み寄り、コウ殿が袋から出した本を見て血の気が引いて。


ゼンと目配せして別室へと急いだがコウは全く頓着してなかった。


『見えない島』


さらについて描かれた本。


その伝説は様々で。


宝の山とか。

未知なる生物がいるとか。


しかし、噂の真相どころか島の存在を確認する事すら無理で。

そこへ…。


だが、重大な問題点があったわ。

それは島の位置やそこへの上陸。


何かに気づいたコウが言った一言。


『シンキロウ』


何のことでしょう。

コウの言うこれの意味を必死に考え悩む我々に意外な所から救いの手が差し伸べられたわ。


なんと海の神様だ。

女の子の姿で顕現され、『シンキロウ』について示唆頂いた。


なるほど。

幻魔法と言われるアレなのね。


でも。

喜んだのもつかの間。


『シンキロウ』に打ち勝つ強力な光を出すものなど存在しないもの。


ため息をグッと堪えていたら、コウが食べ物を出してくれた。


その名も『ゴモクチラシ』


これは!なんと言う至福のひととき。

美味しさに感動していたのが不味かったのね。


だからあれ程取り乱したんだわ。


だって。


『光貝』をこの目にするなんて思ってもいないから!


『光貝』の存在に動揺する私にマーラが耳打ちしてきた。


「陛下。これくらいで驚いていては、コウの親族などとても名乗れませんよ。

しっかり為さいませ」と。


さすがマーラね。

私の弱いところを程よくついてくるなんて。


さぁ。私も少しは出番がなければ!


『見えない島』への同行者と用意を。



急ぐ私に、主様が近づいてきた。


『あの島へはコウを含め5人のみで上陸せよ』と。



5人…人数が限られるならばゼンに行かせるしかないわね。


彼は…特別だから。




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