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群青色の光り  作者: tachibana_kanade
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序章

頭の中のイメージをぶちまけました。


それだけです。


でも美しく書いたつもり。

アパートの新規契約を申し出たいという顧客の相手をしていた。どうやら一部屋だけ、"この住人は住んでいるのか居ないのか、わからない部屋"がある...


【いやぁ、すみませんね。確認を取っているのですが...、ただ、この部屋以外の5つの部屋はみんの満席でして】


【うーん仕方ないです。】


温かいスーツの襟を正し、住人が空の存在となっている、二階の部屋を後にした。階段を降りていくと、1人、このアパートの住人とおぼしき人間が階段の一段目に座っていた。ニット帽にパジャマ姿。コーヒーを、左手を使い、すすり、真っ黒な液体の表面にクリームがボツボツ浮いていた


数学らしきたぐいの本を、畳んだ膝の上に置き、右手の指でたばこをはさんでいた。煙がくゆっている。ニットの帽子を深くかぶっているので顔を拝めることが出来ない。


【管理の方に確認取ってみますねぇ。】


階段を一緒に降りている新規入居者予定の人間にそう促すと、階段下の人間はこちらに気づいた様子だった。会釈をしてくれた。


階段を降りきり、左手を向くと、階段と平行に一階のアパートが並んでいる。その一番奥の部屋の前で、なんとはなくに入居予定者と話し込む流れに帰着した..


***


お部屋で勉強していたんだけど、ちょっと疲れた。外にいこうかなぁ...


・・・


タンスの中にしまってあるたばこを。パパの大事なたばこを。2本だけ抜いて外に出た。コーヒーも持ってこう。数学の教科書も持ってこう!ああ!幸せな日!


アパートからでて階段の下に座ると、お日様が気持ちよかった。いや、ちょっと熱かったかな、冬なのに。たばこなんてすってるとこ、パパにばれたら大変なことになるわ。でもしょうがないの、パパが悪いんだもの。大人がやってることは、みんな子どもはやりたくなるの。数学も、たばこも、子どもの背伸びだわ



教科書を読みながらたばこを半分くらいまで吸っていると、上から人が降りてきた。体のおおきな、スポーツをやってたって感じ。


【あっ、・・・(どうも。)】


落ち着いたリズムで階段を降りてくると、左の奥の方にいっちゃった...。


恥ずかしい。あいさつもまともに出来ないなんて・・・!


私はちょっとだけ悔しくなって、数学の教科書にむりやり目線をこすりつけた。


たばこを吸い終わると、教科書の内容がすらすら頭に入ってきた。


【(微分はやっぱり、x+x0でyがどれだけ変化するかってことを念頭に置かなきゃだめね...。純粋な数学っていうよりは、物理との関係の中で発展して今の科学を基礎に置いてって考えた方が、理解しやすいもの。でもライプニッツも、ニュートンも、特に意識はしてなかったんだろうなぁ・・。高校の数学は微分方程式をやらせないけど、科学文理総監省の人間は愚かだわ。偏微分も全微分も、大事なのに。)】



そんなことを考えていると、私は自分がどんどん他の人達よりも頭が良くなっていく気がする。


高校の教科書なんて、やっぱりつまらないわ。


<風の音色が気持ちよく。日差しが少々肌にはきついが、きらきらしていて素敵な正午だった。野良猫が彼女の横を通りかかったとき、彼女の頭の中にカラフルな、しかし些か小狡い少女の発想が、ふと、湧いてでてきた。>


アパートに来たスーツの人まだ向こうにいるなぁ。日差しが痛そう、脱げば良いのに。


・・・。


あ、猫だ。


そうだ!部屋に、大学の教科書があったはず。持ってきてここで読もう。コーヒーはまだあるもの!


えーと。鍵、鍵・・。あっ、閉めてないんだった。


線型代数は、、もう読んだしなぁ。


あっ超準解析がいい。これをもってこう。これを、あそこのところにもどって、読もう。


・・・(続)



たぶん続きまーす

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