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雪の日  作者: ぷりてぃ
11/17

時流

告白が済んだからといって、僕達の関係が何か大きく変わるわけでも無かった。


前から由は僕のことを好きだと公言していたし、僕の気持ちも、多分先読みされていただろうから。


変わったことと言ったら、ごくたまに手を繋いだり、抱き合ったりをするようになって、お互いに名前で呼び捨てになって、少しは恋人らしくなったということくらいだった。


けど、それ以外の人との関係は大きく変わった。


「よし、飯塚。あなたの番よ」


「え……マジっすか」


あの由が、クラスの人たちとも仲良くするようになったのだ。


最初は、僕が飯塚と一緒にいる中に、自然と由も入ってくるようになっただけだった。


でも、そこから次第に輪が広がって、由も少しずつ皆と話したりするようになっていった。


そして、この時は僕と飯塚と一緒に、ババ抜きで購買のジュースの使いっ走りを決めていたわけで。


「というかよぉ。よく思うとズルくね? 俺ら勝つ要素ゼロじゃねぇかよ」


「最初から僕と飯塚の勝負だって、分かってたじゃないか」


負けた飯塚が、ジョーカーを投げ捨てて、口を尖らせながら文句を言っていた。


「そりゃそうよ、パンドラに勝てると思ってんの?」


言いながらケラケラと笑う由は、いたずらをする少年のようだった。


そう、一番変わったのは、由がパンドラと言われることを嫌がらなくなったことだった。


そこにどんな心境の変化があったかは、その時の僕には分からなかった。でも、そこには、やっと重い荷物を降ろしたような、すっきりとした由がいたから、僕はそれで良かった。


それからの日々は、凄く楽しかった。


夏休みはプールに、花火、お祭りの縁日で、僕達は毎日のように遊びまわった。そのせいもあり、最後の一週間は飯塚と由と三人で、僕の家に篭って宿題を手分けしてやった。でも、それすらも楽しかった。


秋には文化祭と体育祭。


文化祭では、僕のクラスは定番の喫茶店だったんだけど、ウェイトレスの由がすごく人気で、少し嫉妬してしまった僕を、由はこれでもかというくらい茶化してきた。


体育祭に関しては、僕のような運動音痴や、飯塚のようなサボり魔には半ば関係のない行事だったので、由の活躍を見守ってお弁当を食べることだけに徹していると「男のくせに情けない」と由にため息をつかれた。


全部が全部。どこを切り取っても楽しい思い出しかなくて、どれが一番かを選べと言われても難しいほど、全部の思い出が輝いていた。


だから、昨日の事が、余計に悲しくなったんだと思う。

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