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嘘ほどハレヤカナモノハナイ  作者: 0714
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もう1人のニシテツヤ

西哲也 18歳 性別 ♂ 2度目の高校1年生


不思議だった。


加藤という男が。


加藤は西に対して敬語は使わず、同年代となんら変わりのない感じで接する。


友達に似た存在は今までにもいた。


西は友達だと信じていた。


上辺だけの友達。


西にとって加藤の存在は今までのそれとはまるで違っていた。


西は感じた。


これが本当の友達なんだと。


この学校に転校してきて近づいてくる人間はいたが、すぐに離れていった。


西の過去を知ってから


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『傷害事件』



西哲也 16歳だった。


『聞いた?3組の西って、、、』

『人を刺したんだって。。。』

『西君って2重人格らしいよ』

『近づかないほうがいいね』 

西の居場所はそこにはなくなっていた。


それからだった。


西が自分を閉ざしてしまったのは。


家庭裁判所で精神的に問題があると判断され病院へ検査入院


それから保護観察が決定した。


保護観察が終わってからも西は自分の殻に閉じこもったままだった。


親が息子の事を想い、家から少し離れた高校に編入させる事を決めた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

西と加藤が出会ってから1ヶ月が過ぎた。


西は気になっていた事を加藤に思い切って聞いてみた


『前から気になってたんだけど、加藤君は僕の起こした事件の事知ってる?』


『知ってるよ』


加藤のはやい返答に西は少し驚き、聞き返した。


『何で?、普通事件の事知ったら避けると思うんだけど。』


『お前は人なんて刺しちゃいない。』


重たい空気が流れ、その場が静寂に包まれる。


『なんでそう思う?』


西の表情が一変し、口調まで変わっていた。


まるで別人のようだった。


加藤は質問に答えず、西に問い詰めた。


今からする質問に答えろ。加藤は間髪いれず西に質問を投げかけた。


西は加藤の質問に戸惑ったが、時間をかけ1つ1つの質問に慎重に答えていった。


『西哲也は高校1年生、16歳の時に人を刺した。』


西は首を立てにふり、ゆっくりとうなずいた。


『今でもあの時の事件を後悔している』


西は首を横にふる


『誰にも言えない隠し事がある』


『ない』 西はこの質問には、はっきりと答えた。


『西、お前の答えには失望した。もう一人の西哲也を見たかったよ』


ドスっ


鈍い物音を聞いたのを最後に西の目の前が真っ暗になった。


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