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嘘ほどハレヤカナモノハナイ  作者: 0714
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はじめてのトモダチ

『1度だけ人生をやり直せるとしたら、いつに戻りたい?』


『いつでもいいよ。そんなの。』


数学の問題を解く以上に時間をかけて出した答えがそれだった。


授業中になにげなく交わした会話。


今なら即答できる。


『嘘をつく前に戻りたい。』


僕は選択を誤った。





『はい、じゃあ次の文章を西君読んでください。』


『おいっ、西っ、お前だよお前。』


かすかに遠くのほうから声が聞こえてくる。。。。


『起きろって』


隣の席の人が僕を起こしてくれた。(名前は未だに覚えていない。)


1時間目の国語の時間の半分が過ぎていた。


僕はまた1時間目から寝ていたらしい。


隣の人が教科書を指さし、読む場所を教えてくれた。


『お前は選択を誤った…』


騒いでいた教室が静けさを取り戻し、中央の席に座っている西に視線が集まった。


『お前何の本読んでるの??』


教室がまた騒ぎ出し笑い声に包まれる。


起こしてくれた隣の席の人の声に助けられた。


『あっ、すいません。』


僕は恥ずかしさのあまり読むのをやめてしまった。


『じゃあ西君の変わりに加藤君。続きを読んであげて。』


(あっ、加藤君って言うんだこの人。)


加藤が続きを読み授業は終わりのチャイムを迎えた。



授業が終わり、休み時間になって廊下にでようとした瞬間


『おいっ、西。ちょっと待てよ。』


声をかけてきたのは加藤だった。


『何?』


『さっき助けてやったのに何?はないんじゃないの?』


『あっ、ごめん。けどなんで僕の事助けてくれたの?』


加藤は困った様な表情で西を見つめ、振り返り、外の景色を見ながらこう言った。


『うーん。なんとなくかな。隣の席だし。。。。』


『そっかぁ。。。』


沈黙が続き、黙っているのに耐えられなくなった加藤が口を開いた。


『お前は俺の事をどこまで知ってる?』


西は困りながら正直に話した。


『苗字だけ・・・。』


西の声をかき消すかのように加藤は言葉を切り出した。


『俺はお前の事結構知ってるよ。』


これが西にとっての初めての友達〔加藤〕との出会いだった。


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