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見えてはいけないものを見た

掲載日:2026/05/03

短編です

 昨日の夜、心霊系の番組をやっていたおかげで、うちのクラスはその話題で持ちきりだった。一人、「俺は本当に見える」とか言い出す奴がいて、そいつが注目を集めていた。

 正直、私も、そう言う体験をしてみたいと思っていた。だってなんだか格好いんだもん。でも私には、そう言うのが見える才能が無いみたいで、未だかつて見たことは無い。心霊系のテレビ番組も見るし、心霊スポットも休みになると行くようにしている。それでも私には、何も見えない。聞こえない。

「いいなぁ」

 そう呟くと、オカルトや心霊好きの友人に一枚の名刺を渡された。

「この人、本物だよ。俺一回会ったことあるけど、まじであの人には見えてる」

 眉唾~、と思ったけど、友人はあまりうそをつくタイプじゃないから、一応行くだけ、言ってみようかな、丁度夏休みに入るところだし。

 住所を見ると、家からはかなり遠い場所に、その名刺の主は住んでいるらしい。有名な心霊スポットとかじゃないし、地図アプリで調べると、かなり都会に住んでるみたい。あ~、インチキっぽさが滲みだす。名前も“アマリリス・玲子”って・・・ちょっと怪しい占い師みたい・・・なんて言ったら怒られてしまいそう。

 まぁ、今年が高校生最後の夏休みだし、思い出作りがてら、この人に会いに行こう。

 リュックに荷物を詰めて、準備万端、両親には止められたけど、私、もう高校生だよ?ひとりで行けるよ!

 3時間ほどかかって、到着したのは大きなビルだった。中は綺麗で、つい最近建ったみたいにピカピカだった。本当にココ?エレベーターで二階に上がると、ちょっとだけ雰囲気がでてる。一階はあんなに綺麗だったのに、なんか二階は暗い・・・。

 いいじゃん、雰囲気出てるぅ!

 チャイムを鳴らして、ドアを開けると、女の人が立っていた。

「あぁ、いらっしゃい」

 投げやりにそう言った彼女は、私を椅子に座らせて、占いを始めようとした。なんだ、やっぱりただの占い師じゃん。

「・・・・占いしに来たんじゃないんだね?」

 突然タロットを混ぜる手を止めたアマリリスが私を睨んできた。

「え、なんで・・・」

「あぁ、そういうこと」

 そう言ってアマリリスは、私を奥の部屋に促した。

 そこには、人間サイズの仏像が鎮座していて、なんか神聖な空気が漂ってるような・・・そんな感じ。

 アマリリスは、私に両手で三角形を作るように指示を出した。

「その三角を除いて、神様が見えたら合格。弟子にしてあげる」

 き、来たー!そう言うの待ってたんです!でもなんで私がそう言う体験がしたいって思ってるってわかったんだろう。まぁ細かいことはいいや!弟子入りはする気ないけど、この際だからやってみよう!

「あの、呪文とかそう言うのは無いんですか?」

「ない、心を静めてその本尊を見てみなさい。神様が見えるはず」

 アマリリスにそう言われて、私は早速両手で三角を作って、本尊を見た。でも駄目だ、何分見つめても、何も見えない。本当に神様が見えるんだろうか、ってか、神様って見えて良いモノなの?

 ぐちゃぐちゃと考えていると、なんとなく掌に熱がこもっている様な気がした。お、なんか来た!?もしかしてこれ、視えちゃうんじゃないの!?

 今までにない集中力を発揮して、私は掌の三角をじっと見つめた。

 本尊の後ろから、大きなお爺さんが、こちらを見ていた。口ひげを生やして、微笑んでいる。なんか神々しいように見える!

「アマリリス!いや、先生!み、見えました!!」

 私は見えた“神様”の姿を懸命に伝えた。


——え、何それ知らん、怖ぁ・・・——

アマリリスの手から悪魔崇拝の本が落ちた。

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