不思議な本屋さん
不思議でシリアスな本屋をメインにしてミステリーぽさを自分ながら描きました。
初めて書いたので至らない点あると思います。
僕は字を読むのが苦手だ、書くのもっと苦手。
全てがAIで補われる、無駄な労働が減った。
だがある時、僕は不思議に感じた。
そんな世界でも紙で出来た本屋がある事に、変だなぁっと書店を見ていた。
……この日は、雨で傘もささない人が言うのもおかしいだろうな。
信号機は赤から青に切り替わる。
人々は傘持って行き交う……朝の通勤時間だ。
濡れたワイシャツが肌にくっついて気持ちが悪い。
もちろん、靴もずぶ濡れで感触が気分の悪さを表してるようだ。
……少し生ぬるいな空気。
学校に向かっているのを忘れていた。歩みを止めていたことすら気づかなかった。
僕はまた歩き始めた、脳内の思考も動くように考え始める。
本屋は減少傾向でデジタル化……電子書籍増えたなぁって感ある。
当時を懐かしむ世代が、ある本屋に集まる。
そう、今朝見た書店……?
思い返そうとした、霧かかったように霞みなんのことか分からなくなった。……まぁいい。
若い僕の世代には理解し難い、文なんて紙で出来ただけで破れたり、濡れたり、無くしたら一瞬で無価値になる。なら、スマホ完結が一番。
理解し難い、あぁ、なんでその紙に執着するのか。
誰のことでもない、何故その紙切れ一枚を見る価値があるのかを……知りたかった。
その日の夕暮れ時、雨上がりで多少雲がある。
けど、赤やけた空に一番星があるかないか……。
僕は学校帰りで、昼時や休み時間で教室内の噂話はやはりあの本屋の話題がちらほら耳にしていた。
デジタル化に抗うだけ無駄なのに、その紙の本を読む意味に何があるのか。
そんな手厳しい言葉の数々で、スマホあれば完結するって意味も含めてるのだろう。
まぁ確かにそうだ、その不思議な点に僕も興味が引かれている。
何故デジタルな世界に、その紙の本に意味があるのか。なぜ読むのかが……理解できない。
僕はそう感じながらも、帰り道を歩く。
特に何気もない道、あるのは空き缶に目が止まる。
路上に無造作に転がっていた。
この空き缶は……まるで僕みたいだ。
何も感じない、興味がない……これを虚無だろう。
中身がないって言えば、やはり空き缶。
"本質は価値があり、無機質は価値がない"
そんな言葉があった気がした。何故か価値を押し付けてる気がしていた……ムカつく。
僕は空き缶を蹴った、不規則な回転と音が鳴る。
視線を追うと誰かの靴があった。
ゆっくり見上げると黒く長い髪の毛の少女が立っていた。
何故だろう? この少女は僕と同じくらいなのに……
「君は何故空き缶を蹴るのか? それは自分と重ね合わせたから……でしょ?」
笑みを浮かべているのに、目が笑っていなかった。
優しい声なのに、おかしな事に……見抜いてたような口調だった。……初対面なのに。
「君は一体……?」
「迷える人よ、私の本屋に興味がないかしら」
意味がわからない。……私の本屋?
いやいや、今の時代に本屋っておかしいだろ?!
「デジタル化した世界に、本屋になんの意味があるんだよ?」
「あら?知りたがっていたんじゃないの? "なぜ紙の本に惹かれるのか"ってね」
俺は背筋が凍りついた、一体いつから僕を"知っていた"?
僕の腕が鳥肌になる、暑いはずの空気すら寒気を感じる。……ひぐらしの鳴き声だけ響いている。
「そんな驚かなくてもいいじゃない」
「お前、本当何者だよ?!」
「ふふ、私はね―――」
しなやかにニコッと笑う少女は、後ろを振り返り歩と……"本屋"があった。
僕は目を丸くして固まっていた。
おかしい、この道にはないはずだ。
少女は黒髪を揺らして振り返り、ゆっくりと笑みを浮かべた。
「しがいがない本屋の店主だよ」
「……なんで本屋が?」
「別に不思議じゃないよ? "普通にある"から」
この時、僕の脳裏にはある言葉が浮かんだ。
"不思議な本屋はあるべき場所にないところに現れるんだって。その前に少女が待ってるらしいよ。"
今までは、ガセネタとかオカルトだと思ってた。
「さ、行こう!」
「え? うわぁぁぁ!!?」
僕は少女に腕を引っ張られた。
そのまま不思議な本屋に入ってしまった。
内装的にはかなり今風、だけど変だ……客がいない。
「お探しのはありましたか?」
「いきなり店主モードかよ」
「細かいことは気にしない。なら、私のおすすめを……」
少女は積み重なった本から一冊手に取った。
しっかし、本棚に入り切らないからってカウンターとかテーブルとかに置きすぎじゃないか?
「はいこれ」
「いや、いらないよ」
「君には必要だよ!」
「馬鹿にしてる?」
「いや、読んで欲しいから」
「ふーん」
少女から手渡された一冊の本。
まぁ試し読みとして読むのはいいか。
手に取りタイトルを見た……僕の名前だった。
僕は少女の顔を見た、笑みを浮かべていた。
何を意味してるのか分からないけど、読む価値はあるんだろうな。
俺はゆっくりと本を開いた、生い立ちがびっしり書かれていた。
そして、本の終盤になるほどに……僕は緊張が走っていた。……最後の一ページを捲った。
僕は本を読むのが好きで、死ぬ前はラノベを読んでいた。
信号無視した、一台の軽トラックが猛スピードで駆け抜けで……歩道へ突っ込んだ。
結果僕は、その時に跳ね飛ばされて死んだ。
最後の一行が"事故死"っと締めてあった。
おかしな事に事故死したのは数年前だ。
妙なことに僕の記憶にない。
「これはどうゆう事だ?」
僕は少女に訊ねたが首を傾げていた。
「理由がわからない見たいね。君はわかってるのに理解をしなかったからでしょ?」
理解をしなかった……?
つまり、僕は死を認めていなかったって事か?
「そりゃ。今、僕は生きてるからね」
少女は真面目な顔で「君見たく死を拒絶する人を私は導く本屋。死人を導く探偵よ」っと言った。
だが、なんかぷるぷる震えていた。
緊張しているのか、慣れないこと言ったのか……恥ずかしいみたいだ。
「僕は生きてるのに……死人だと? 馬鹿げてる!デタラメだろ!?」
僕は僕なりに反論した。
無音の空気感が不気味さを漂わせる。
「認められないから未練がある。そうして私達……不思議な本屋が現れる。理屈として筋はあるわよ」
少女が何を言ってるのか意味がわからない。
僕は少し力ませて言い返した。
「そもそも、何故現れるのか……何故この本を営んでるんだ?! それで僕の結末が"事故死"? 認められるわけがないに決まってる!」
少女は不敵な笑みを浮かべていた。
何か確証があるような雰囲気だった。
「君は不思議とは思わない? なぜ、電子書籍が移行加速してるのか。そもそも、何故君がそれを知ってるのか……。疑問に感じたことは無い?」
「疑問って……そもそも時代的に普通そうだろ?」
いや待て、僕は内心的に違和感を感じた。
そもそも、数年前に死んでる……。
つまり技術的にまだ進歩してない。
なんでデジタル化が僕は普通だと思っているんだ?
不思議な気持ちでいると、少女はゆっくりと口を開いた。
「ようやく理解に辿り着いたわね? 君は、生きながらの感覚として……情報を取り入れていた。それも、死後の世界の情報をね」
「なら、なんで僕は……人から無視されてない?」
「死んだと思わない人は、基本的に死人として意識されない。ただそれだけよ」
僕は生唾を飲み込んだ……。
ひぐらしの鳴き声から、鈴虫の音色に変わっていた。
「物語には、共通点がある。一つはその現場、一つは……この本屋の客人」
その現場の意味的には、この世界で起きた事故死現場。……つまり僕が死んだ場所だ。
この本屋の客人……死を本として死人に読ませる。
ここに来る利用者と考える。
「……まさか。 死んだ事を分からない人が利用者として本屋に……来る。 死んだ場所に本屋が現れる理由にもなるってことか?」
少女は満面の笑みを浮かべていた。
「ご名答、意外と不思議じゃなかった。そこに違和感がなかったから君にこの本を売れるってわけよ」
受け取れば死を受け入れると同等だろうか。
けど、少し気がかりがあるとしたら……。
「君は、死人なのかい?」
少女は首を左右に揺する「少しばかり特殊な体質なのよ」っと軽く笑みを浮かべた。
僕は本を受け取ることにした、ようやく自分がわかった気がしたから。
こうしてまた不思議な本屋は、何処かへと出店する。次はどこの場所で何を解決するのだろう。




