巻き込まれました。
俺はマリー達の店についた時に二人とは別れた。
「僕たちの店はかなり大きい店なんだ。
良かったら色々見ていくと良い。」
「はい!ありがとうございました!」
そう言って今はマリーに言われた場所に向かっている。
俺はホントに一文無しなので、無料でできる冒険者登録をして、チマチマとお金を貯めないと何も出来ない。
「ここがギルドか…」
感想としては、この辺で最も大きい建物。
中に入ってみると、そんなに人はいなかった。
「すみません。」
「はい、なんでしょう。」
「登録がしたいんですが…」
「分かりました。どうぞこちらに。」
そう言って端の方に案内された。
「それではこちらに必要事項を記入してください。」
「…この文字って読めますか?」
「…勿論?ナタ語ですよね?」
文字も通じて、言葉も通じる。
違うのは多少の単語だけ。
便利な国もあったもんだ。
俺は書類に名前や年齢を書き、渡した。
「はい。ではカードをお作りしますので、しばらくお待ち下さい。」
「…おまたせしました。こちらがカードです。」
「…何も書いてませんけど?」
「後はこの上に血を一滴垂らして頂きます。こうすると登録完了です。」
そうして俺は、共用そうな針で指を少し刺され、血を垂らした。
「これで、冒険者登録完了です。最初ですので、E級からですね。
クエストを受ける場合はE級、D級のクエストを受けてください。」
クエスト欄を見ているが…E級とD級って簡単じゃね?
E級はただの街のお手伝いみたいな物。
D級も採取クエストだ。
本格的な狩猟はC級から。
B級以上は存在すらしてない。
この世界にモンスターは居ないのか。
これなら安全そうな暮らしが送れる。
「このクエスト達を受けたいんですけど…」
「分かりました。
E級の薪の納品クエスト。個数制限なし。
E級の家の木の伐採クエスト。
E級の配達クエスト。
これらで全部ですか?」
「はい。」
「ではこれらを1週間以内に終わらせてください。
失敗すると、罰金が発生します。」
「分かりました。」
さて、俺が今回これを選んだ理由は俺に有利だからだ。
木を切るのは魔道具のお陰で、すぐ終わる。
薪は、個数制限がないのだから森から大量に持ってくれば良い。
配達クエストはこの街で完結するらしいから、街を知るついでに。
ほら!完璧だ!
よし!まずは木の撤去からだ!
「お届け物です。」
「おお!ありがとう。」
「サインお願いします。」
「はい。ありがとね。」
良し。街の時計で確認した感じ、まだ数時間しか経ってないがもう二つも終わった。
薪はとりあえず、見せに行って確認だけしてもらったから同じ物をたくさん作って持っていけば良い。
簡単だ!
こうして俺は森と、街の往復を繰り返し、ひたすらに薪を運んだ。
俺のあだ名は作業厨だったんだ。1週間薪割りを繰り返すだけの生活なんて楽勝すぎるぜ。
そうして1週間ギリギリまで働いて稼いだ金の合計はなんと、銀貨一枚。
木の撤去が銅貨5枚。
お使いが銅貨4枚。
薪が大銅貨9枚と、銅貨1枚。
一泊が大体大銅貨5枚くらいだからこんなもんだろう。
宿も節約して良かった!そのせいで、少し臭うが…仕方ないだろう!
こうして俺は、一旦森に帰り、川で体を洗ってた。
その後、買ってきた果物の苗木と、適当な植物の種を耕した土に植えて、川の水をシャベルで無理やり作った道から引いて、簡易的な畑を作った。
あ〜あ、肉とか、野菜とか、雑貨とか、マリーの店で色々見たけど、高かったな〜
とうもろこし1個で、銅貨1枚、今の俺には高級品だな。
まぁこれは追々育てていくから良いだろう。
他に凄かったのは買い取りだな。
すげーいろんな物を買い取りしてた。
前の熊なんか銀貨7枚とかで買取されてたもん。
なんか毛皮が特に高いんだって。
その後は、まだ行ったことがない方向が一箇所あったからそっちの探索を始めた。
しばらくその方向を歩いていると、いきなり俺の目の前に矢が飛んできた!
「うわっ!な、何だ?!」
すると木の上から声がした。
「我々の住処を害する者は誰だ!」
…この声、女か?
「誰だか知らんが、俺はこの森に住んでるものだ!」
「このオーブ森林は我々の土地だ!嘘を付くな!」
今度は別のやつが喋った。
また女?
矢を見た感じ狩りするんだろ?男は何してんだ?
「嘘なんかついてねえ!あっちに俺の家あるぞ!」
「嘘つきは捕縛する!」
「ぬぉ!」
いきなり後ろからでてきたかと思ったらあっという間に捕縛された。
「はーなーせー!」
くっ…見た目は普通の女の子なのに力強えな…ゴリラかよ…
「おい!俺をどこに連れてく気だ!」
「お前の処分は族長が決める。」
え〜。めんどくさそう。
こうして俺は先住民の村に誘拐されました。
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