街に行こう!
「大丈夫ですかー?」
俺が木の方を確認しに行ったらそこには1人の同い年くらいの少女が、倒れてきた幹と地面との窪みに挟まっていた。
「え!ちょっ!大丈夫?!」
「…ちょっと助けて…」
俺は急いで斧で幹をさらに切り、頑張って動かした。
「フー助かったわ。ありがとう。」
「はじめまして、君は何処から来たの?」
「え?そこの道から来ただけよ。」
「え?」
行ってみると、道があって馬車があった。
一つ変な点を挙げるとすれば、馬に角がついていることだ。
そう!
ペガサスなのだ!
黒いけど!
角が生えてるんだ!
黒いけど!
「こんなところに道があったのか!」
「それで、貴方は何であそこにいたの?」
「生まれがあそこだからだよ?」
「嘘でしょ?」
「ホントだよ?」
神に放り出された場所=生まれた場所なんだから嘘は言ってない。
「じゃあ貴方は、原住民なの?」
「多分違うよ?ずっと1人だったし。」
「そう…なんかごめんなさいね。…じゃあ何でナタ語を話せるのよ。」
何でって…日本語だからだよ。
俺だってわからないよ。
「…分かんない。記憶がある時から話せた。」
「そう。捨て子なのね。可哀想に。」
「そういえば、君は何であそこにいたの?」
「…アマニ草を探しに行ってたのよ。」
「見つかったの?何も持ってないけど。」
「え?あ〜伝わらないのか…下品に言うと、小よ。」
「はいはい、なるほど!」
「ハァ…乙女にこういう事言わせちゃだめだよ。」
「ゴメン、ゴメン、分からなかったんだ。」
そんな話をしていたら馬の上にいたオジサンがこっちに来た。
「マリー、遅かったな。…その人は?」
この子はマリーというのか。
「パパ!彼はね、倒れてきた木に挟まってたところを助けてくれたの!」
「オー!そうか!ありがとう少年!それで、この子はなんて言うんだい?」
「え?知らない。」
マリーのお父さんが「え?」みたいな顔をしている。
そりゃそうだろうトイレに行った娘が、名前も知らない相手と戻ってきたら誰だって驚く。
「アランです。」
「そうか。アラン、ありがとう。」
「2人はどちらへ?」
「これから街に向かうつもりだが、君は違うのかね?」
「アランは此処に住んでるんですって。」
「え?じゃあ君は、先住民なのかい?」
「いえ。1人で過ごしてきたんでたぶん違います。」
「それにしても変な格好をしているね。」
そういえば、俺の服はここの世界の服じゃない!
「…変ですかね?」
「いや。面白い格好だと思うよ。」
つまり、変人ということだな。
「ねえ!アランも良かったら一緒に街に行かない?」
「良いの?」
「勿論!」
こうして俺たちは、街に向かうことになった。
まぁせいぜい二十分で着いたけど。
その間にいろんなことを聞いた。
何もわからないから思いつく限り全て。
マリーは優しいことに全て丁寧に教えてくれた。
「お金って何があるの?」
「銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、白金貨があるよ。」
「大銅貨って銅貨何枚?」
「10枚だね。他の硬貨もおんなじよ。」
「銅貨一枚で何ができる?」
「うーん…リルア1個買う事くらいしか出来ないね。」
リルアは赤い果実のことらしい。
味は酸っぱくて、マリーは苦手らしい。
林檎の祖先も酸っぱかったらしいから似たようなものだと推測。
…貨幣のことだけど、銅貨一枚、百円くらいか?そんな感じの考えでいいかな。
そんな事を考えていたら街についた!
「うわぁ〜!」
賑わってるな〜!おっ!騎士もいる!
魔法使いっぽい見た目の人もいるし、あの人達は冒険者なのかな!
俺の住処に色々持って帰りたいからまずは冒険者にでもなって資金を集めるか!
あの辺は塩もないし、マジで足りないものが多かったからな。
こうして、俺の街での生活が始まった。
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