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地下の秘密

 「会議の時間だ。皆にも紹介したいから付いてきてくれ。」


 そう言って、ゼゴンはカウンターの一部の床を引っ剥がした。


 「隠し扉!」


 空いたところにあったのは地下へと続くはしごだった。

 俺はユルを抱っこし、ユルはミルクを飲み続けていた。


 「さぁ、行くぞ。」


 はしごを降りた先は少し匂いが残った下水道のようだった。


 「臭〜い」

 「ごめんよ嬢ちゃん、ここは昔あった下水道の跡地なんだ。これはあの商人の家の地下にも繋がっている。」

 「なるほど…なら何で直ぐに行動しないんですか?」

 「こっちの戦力が少なすぎるんだ。

 ここに居るのはみんな冒険者を退いてしばらく経つものばかり。一人がメイドとして潜入しているが、まだ見取り図ができていない。何処に捕まってるかも分からないから下手に動けないんだ。」

 「街の警備隊みたいなのに応援は頼めないんですか?」

 「上が買収されてるから応援は無理だ。」


 そんな事を話していたら目的地に着いた。

 上に続くはしごを登り、ふたを開ける。


 「ゼゴン、そいつは誰だ。」


 俺が頭を出すやいなやちょび髭のおじさんに睨まれた。


 「ルイ、此奴は新しい仲間だ。知り合いが捕まったようでね。」

 「アランです。よろしくお願いします。」

 「ゼゴン、もう少し疑え。スパイの可能性だってあるんだぞ?

 そもそも、知り合いって言ってるってことは、具体的に誰が捕まったのか知らないわけだろ?

 せめて身辺調査くらいしておけよ。」

 「…ごめん」


 なるほど…この自由な感じを見るに、ゼゴンがリーダーで、ルイが参謀って感じか。


 「じゃあアラン、知り合いの説明をしてもらおうか。」

 「信じるかどうかは任せますが、俺達は先住民と共に過ごしています。知り合いと言うのは、先住民の子供です。」

 「先住民…嘘クセェな。」

 「俺は族長から三人の子供の救助命令を受けています。

 信じるかどうかは任せますが俺は何をしてでもその子たちを助けます。」

 「…ひとまずは保留だな。」


 …流石にいきなり信用は無理か。


 「それでレイ、内部情報はどうなってる。」


 二重代後半くらいの女性がいた。


 「行けるとこには、行った。けど、そろそろ限界がある。」


 そう言って、見取り図を広げた。


 「地下探索が行けてないのか。」

 「まずいな、このままだと何もできない。」


 俺はユルに質問をした。


 「ユルって探索系の能力って使えないの?」

 「できるよ?」


 俺は直ぐに意見を出した。


 「あの、ユルが、探索できるらしいです。」

 「ほんとかい、嬢ちゃん!」

 「おい、当てにするな。子供の戯言だろ?」

 「ルイ、心配すんな!なんたってこの子は魔法使いなんだ!」

 「ホントなのか?」

 「ユルできるもん!」


 そう言ってユルは近くをカサカサ動いていた一匹の虫を捕まえた。


 「うわあぁ!虫!」


 俺がキモがっていると、ユルはお構いなく虫をじっと見つめた。


 「良いって。」

 「…何が?」


 ユルに話を聞いてみると、虫にミルクの残りを対価に地下を俺達の代わりに仲間と共に探索してもらうことの承諾を受け取ったらしい。


 「…そんな事も出来たのか…」

 「「何でお前が知らねぇんだよ。」」


 そう言って、皆から突っ込まれた。


 とりあえず、虫を持って、屋敷と繋がってる場所まで案内してもらい、ミルクを置いて俺たちは退散した。


 「直ぐに調べてくるって言ってたから、朝になったら分かると思うよ?」

 「じゃあ、一旦今日はお開きにして、また明日集まろう。」


 …宿か…どうしよっかな。

 悩んでいたその時、ゼゴンが声をかけてきた。


 「この街に住んでないってことは、家、無いんだろ?良かったらうちに来るか?」


 この言葉で、何となく何でゼゴンがリーダーなのか分かった気がした。


 「お言葉に甘えて、お邪魔させてもらいます。」

 「おう!」


 そんな感じで、この日は終わった

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