始まりの話
えー…どういう状況でしょうか…
えーっと、俺は今さっきまで●ou●ubeでゆっくり実況を見ていて、変な広告が出てきたから閉じようとして、間違って押してしまう、あるあるな事をした。
うん。ちゃんと覚えてる。俺がど忘れしたわけではなさそうだ。
それが何故、知らないおじいさんに見つめられているのだ?
その前にこの部屋は何処だ?
この何とも言えない古い感じのアパートの一部屋みたいなここは…
「…お前さん、望みを聞こう、何したい?」
「…えっと、まず、どちら様ですか?」
「え?」
「え?」
何で驚いた表情してるんだ?
「広告見た?」
「見てない。押し間違えただけなんで。」
「…見てない?」
「うん。」
気まずい時間が流れる。
俺この時間が一番苦手なんだよ…先生が説教とかする時にあるすっげー気まずい時間。
じっとしてられないんだよね。
「…まぁ…いいじゃろう。ちょっと予想外だけど、先着って決めたしね。」
「…あの〜」
「ん?あぁそうじゃったな。お前さんはあの広告を見てないんだもんな。
よし、いいじゃろう。もう一回だけ見せてやる。」
そうするとそこにあったテレビがつき、広告が流れ出した。
『貴方は、異世界に言って何がしたい?
冒険者になるも良し!魔法使いになるも良し!
貴方はどんな職業になりたい?
楽しさ満点!ど迫力の世界!
さぁ!貴方も!夢の異世界へ!』
「どうじゃ?素晴らしい広告だろう?」
「…よくあるゲームの広告ですね。」
「な…なんじゃと…!」
お爺さんは肘から崩れ落ちた。
「何でがっかりしてるんですか?」
「これ…ゲームの広告じゃあないのよ…」
「それくらいは分かりますよ。変なとこに飛ばされてますもん。」
「変なとこ言うな。失礼だな全く。」
まぁ、そんなどうでもいい話より聞きたかったことを聞かせてもらおう。
「それよりも貴方は誰ですか?」
「あ、わし?神じゃよ。」
「…理解しました。」
凄いよな。こんな変なことが起こっても神って言葉が出てくるだけでこんなにすんなりと受け入れられるんだもん。
もはや洗脳されてんだろ。
「お前さん、名前は?」
「環 亜嵐です。」
「うわぁ…可哀想に…」
…キラキラネームの子供は神にまで哀れまれるのか。
これはびっくりだな。
キラキラネームで良かったと思えた始めての瞬間だ。
「良し!そろそろ、色々決めようか」
「はい」
「転生するのはダンジョンいっぱいの世界でいい?」
「え?嫌です。」
「…じゃあ君、普段どんなゲームしてんの?」
「ほぼしてないですけど…強いて言うならマ●クラですかね。」
俺は基本的にゆっくり実況ばっかり見てたからな…あれ?でもそれもマイ●ラだったような…
「ふ~ん。じゃあ開拓する世界に行ってもらおうか。」
「分かりました。」
「じゃあ、開拓に特化した体になって生まれるから。」
「つまり全体的に四角いと…?」
「そんな事ないよ。
他に何か追加してほしい事とかある?」
「…強いて言うなら信頼できる友が欲しいです。」
「良いよ…前の人生…辛かったんだね…」
「フッ…気にしないでください。」
「分かった。」
いや〜意外と異世界召喚って楽しみだなぁ。
後ろの方に固まっていた眼鏡たちは何が楽しいのかわからなかったが、そうか。これを楽しみにしていたのか…。
「それじゃあ、いってらっしゃーい!」
神の元気な掛け声とともに俺は異世界に転移した。
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