第九話 八魂家と夜ご飯
同日5時 八魂家にて
「おかえりなさい、 あなた」
「ただいまやで〜!」
「お世話になります、 新奈さん」
「私もお世話になります!」
「祭ちゃんと紗理奈ちゃんもおかえりなさい。
ほら、 もうすぐでご飯出来るから荷物片付けれたらリビングにおいで」
「はい分かりました〜」
「はい!! 分かりました!」
「ほな、 僕は先行っとくで〜!」
私達と紗理奈は冬海ちゃんに案内されて奥の和室に連れて行ってもらい
そこにキャリーケースや資料などを置きリビングへと向かった。
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リビングにて...
「今日は、 すき焼きよ〜!」
「す、、 す、、、 すき焼きだ〜!!」
「これ、私たちの為に用意してくれたんですか?」
「元々今日はすき焼きにする予定だったのよ。 ほら、 二人とも座って座って」
私達は言われるがままに座布団に座った。
「あ、 紗理奈。 食べる前にその子借りるね」
「え? あ、 うん」
私は紗理奈の着物の帯から一反木綿の魂を取り出して、私の中に入れた。
「いつもと違って若干入れにくいけど、、 入った〜」
「ん? 何が入りにくいん? 祭ちゃん」
「その、 妖怪が入りにくいな〜って話を」
「ん? なんで今妖怪の話しとるん?」
「その、 私この身体もう死んでるんで食事しても意味ないんですよ。
だからわざと妖怪を身体に入れて、 妖怪にご飯を食べさせてるんです」
「はぇ〜、、、 なんか凄い事しとるなぁ、、」
「有効活用って奴ですよ。 喜代太さん」
「乗っ取られたりとかしーへんの?」
「私、 ほぼ妖怪みたいなもんなんで乗っ取られないんですよ」
「そっか、、 黄泉の国行っとるもんね」
「そゆことです。 というか、 ほらみんな待ってるし早く食べましょ?」
「そやな、そうしよか。 じゃ、 ほないただきまーす」
「「「「「いただきまーす」」」」」
私達は新奈さんお手製のすき焼きを食べ始めた。
「おいしい〜!!」
どうやらとても美味しいようだ。 私には消しゴムを噛んでるようにしか感じない。
まぁでも、 中に居る子が喜ぶからいっか。
私が無口で食べていると、 喜代太さんが話しかけてきた。
「祭ちゃんってさこの七、 八年何してたん? あんましこっちに情報来やんくてさ」
「まぁ、 年賀状とか連絡先交換してないですもんね。
ま、 めんどくさいので簡単に言うと紗理奈と事務所経営してます」
「ほぇ〜、、 え、 どんな事務所?」
「私が幽霊や妖怪を祓える事が出来るので、 祓い屋をやってます」
「あ、 祓い屋ね。 上手くいってるの?」
「最初のうちは赤字続きでしたけど、 今では黒字です」
「流石、 祭ちゃんと紗理奈ちゃんやな。 僕じゃそんなの出来へんわ〜」
「ふふ、 そうかもですね」
「え、 じゃあ学校とかも行ってる感じ?」
「あんな場所行ったら、私達浮くから行きません。
それにこの身体じゃ何年行けるか不明ですからね」
「まぁ、、、 そうかもしれへんね、、 ほんとうにごめんやで、、 祭ちゃん」
「みんな、私に謝ってきますけど本当に謝るべきなのは九魂家全員ですよ。
私たちのせいでこんな世の中になったし
こんな呪いと怨念の塊みたいな怪物産まれたんですから」
「でも祭ちゃん。 一番の悪はアイツやろ?」
「まぁ、、 そうですけど。 でも、 アイツを呼んだのは私達両親ですからね」
「いや、、 まぁそやけど、、、
でも、 僕も僕であん時遅れてなければ祭ちゃんは救えたからね、、」
「アイツ相手にして、、 そんな事出来ます? 確かに、 喜代太さんは騰蛇を憑依さ せれますけど 騰蛇だけじゃ抑える事ぐらいしか出来ないんじゃないですか?」
「いや、僕にはまだ秘術が残っててん。 でも、あん時はまだ上手くその秘術が使えんかったんや」
「その秘術って私に施したヤツですか?」
「まぁ、 そやね。 その秘術やね。 祭ちゃんにはなんとか成功したからね」
「まぁ、 予想はついてますけど言わないでおきますね。
バレたら色々めんどくさい事起きそうですもんね」
「そやね助かるよ、 祭ちゃん。 まぁ、 こんなのバラしてしもたら
宵宮ちゃんとかみたいな子が飛んできちゃうからね」
「あぁ〜、、、 宵宮、、 否定は出来ないですね、、
まぁ、 でも改心すればこちら側の力になりそうな子ですけどね、 あの子」
「祭ちゃんを祓おうとしてた宵宮が〜?
そんな事あり得へん、、、 って言いたいとこやけど、 ありそうなのがなんか癪やね、、、」
「ふふっ、、 癪って、、、 そんなに嫌いなんですか? 宵宮の事」
「いや、まぁ嫌いではないよ? 顔もかわいいし顔もかわいいし顔もかわいいからね。
声もまぁ癒される声してるし好きは好きやで? でも、あの性格で全部マイナスよ〜。
まぁ、 あんな性格になるのも仕方ないっちゃ仕方ないけどさ?」
「まぁ、、 結論そうなっちゃいますよね。
私だって一魂家とかニ魂家とかに産まれたらああなっちゃいますもん」
「ほんま、、 縦社会ってゴミやね。 祭ちゃん」
「そうですね、 ゴミですね。
ま、 だからこそ私は社長という立場になって人を指揮する立場になったんですけどね」
「そそ、 そんなん言ったら僕だって当主やから結構上の立場なはずやで?」
「新奈さんよりは、、?」
「もちろん下やね」
「尻に敷かれてるんですね、、、 まぁ、 流石新奈さんって感じですね」
「本当鬼嫁、、、」
鬼嫁というワードが出たその時、 食事の場に殺気が広がった。
「ほほほ、、、 ほんっと、、 お腹がシュッとしてて、 スタイル抜群なお嫁さんやからね」
「へ〜、、、 そんな事思ってくれてたんですね。 あ、 な、 た?
嘘だったら後で身体凍らせますからね?」
「よし、 祭ちゃん。 僕死んだわ。 この食事がどうやら最後みたいやわ」
「へへ、 仲間ですね。 喜代太さん」
「あはは、、、 笑えへん冗談、、」
「そだよ、 祭。 笑えない冗談だよ」
「えぇ〜? いい冗談だと思ったのに〜」
喜代太さん以外のみんなは楽しい食事の時間を過ごし、 夜ご飯を食べ終わった。
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同日19:00 縁側にて...
「あぁ〜!!! さぶいさぶいさぶい!! 助けてくれ〜!! 祭ちゃん!!」
「嘘ついた罰ですよね? 新奈さん」
私は喜代太さんを凍らせてる新奈さんにそう問いかけた。
「祭ちゃんの言う通りよ〜? あ、 な、 た?」
新奈さんは更に力を強め、頭以外を凍らせてしまった。
「あぁぁぁぁぁぁぁ!! 死ぬ! マジ死ぬ!! 誰か、、 誰か助けてくれ〜!!!」
「南無阿弥陀仏です喜代太さん。
じゃあ、 私は今日の出来事おばあちゃんに電話で伝えてくるんで頑張ってくださ〜い」
「ちょっ、、、 祭ちゃ〜ん!!! いか、、 行かんといてくれ〜!!
あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
葬式には行ってあげますからね、、、 喜代太さん。
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同日 19:30 誰も居ない和室にて...
「て事があったよ。 おばあちゃん」
「流石宮ちゃんだね〜、、、 祭や。 まぁ、 でも良かったよ。
おばあちゃんの札が役に立って」
「本当、 お札に関しては感謝です」
「こっちこそ生きてくれてて感謝だよ。 祭や」
私はおばあちゃんに今日起きた出来事や事件を全部話した。
宵宮の件に関しては少し驚いていたけどあらかた予想はしていたらしい、、
流石、 長生き婆ちゃんだ。
「じゃまぁ、 一応伝えたい事は伝えれたから電話切るね〜」
「おやすみ、 祭」
「はい、 おやすみなさ〜い」
おばあちゃんとの電話も終わった事だし、 後回しにしてたアレ今のうちにしておこ。
「え〜と、え〜とどこだったけ?」
私はキャリーケースの中を漁り始めた。
「よしよし、あったあった!」
私はキャリーケースの中から瓶を取り出し、 札を剥がして蓋を開けた。
「ちゃちゃっと終わらしてお風呂入ろ〜っと」
私はいつも通りに服を脱ぎ上裸の状態になった。
え〜と、 確か今日入れた場所は、、、
肺と腎臓と肝臓に入れて、、、 確か後は胃にもいれ、、 って違う違う。
胃に入れたのは一反木綿だ。
だから今日私が捕えるのは、 肺と腎臓と肝臓に入れた子達かな。
「よいしょっと、、、」
私は漏れそうな声を我慢しながら作業を進めた。
今回は三体だから結構声我慢するの、、、 しんどいなぁ、、、
でも、、 やらないとっ!
私はなんとか三体を捕えることに成功した。
よし、 じゃあやる事も終わった事だしお風呂入って寝よ〜っと。
私はその後、 爆速でお風呂入り十分に堪能した後に出て、 爆速で寝た。
明日は、、、 京都観光だ、、