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第七話 償いと誕生日パーティー

「祭さん、聞こえますか?」



ん? 誰か分かんないけど、、、 近くで声が、、、



「祭さん。 聞こえますか?」



ん? この声って、、、



「んぅ?」



私が目を開け声のしてきた方を見ると、朱雀さんがちょこんと正座をして座っていた。



「す、、す、、、 朱雀さん!? え? え? どういうこと?」



「九魂家の当主 九魂寺 祭さん。 大変申し訳ない事をしてしまった。

 すまなかった」



朱雀さんは私の前で土下座をしてきた。 別に朱雀さんは何もしてないのに、、、



「いやいや、頭上げてくださいよ朱雀さん! 私の不注意でこうなったんですから。

 私が、 もっと警戒してたらこうはなってなかったんですから」



「いや、祭さんは何も悪くない。 俺の教育不足と躾不足だ。

 本当に申し訳ない。 帰ったら宮にちゃんと俺が叱りかます」




「そこまでしなくてもいいですよ、、、 償いになるのであれば私はどんな事でも受け入れますから」




「、、、、」




私の言葉を聞いた朱雀さんは暗い表情を浮かべ下を向いてしまった。


、、、、? 何かまずいこと言っちゃったかな?




「祭さん、償いをするのは逆だ。 俺たちが祭さんに償いをしないといけないんだ」



「、、、、え?」



「アイツは俺らが祓うべき怨霊だったんだ。 なのに、俺たちは自己の利益の為に怨霊を

 祓う事を渋っていた。 でも、この世の幸せを願っていた九魂家の方達は違っていた。

 利益など気にもせず、自らアイツを祓うと言ってあの凄惨な事件が起きてしまった。


 今のこの世になったのは俺達のせいなんだ。だから、どうにか償わせてくれないだろうか」




「、、、その話題を出されたら、 私何も言い返せなくなるじゃないですか、、

もしかして、 ずっと前からこの状況を作ろうと考えてました?」




「まぁ、、、 そうかもしれないな」



普段厳格な朱雀さんが少しニヤけていた。 図星だったの? それともなに? 

私の顔に何か付いてるの?



「え? 私の顔なにかおかしいですか? 朱雀さん、、、」



「ふふっ、、、 いや、、 そんな事じゃ」



その時襖が勢いよく開き喜代太さんが入ってきた。



「そんな事ないで!! 祭ちゃん!!! 何処もおかしくない!!

 めちゃめちゃかわいいで!!」



「あ、 喜代太さん!!」



「おはようやで、祭ちゃん。 どや? 体調は」



「結構マシになりました。 まぁ、、 まだちょっとだけクラクラしますけど」



「え! それ大丈夫なんか? 祭ちゃん!!」



「この体質になってからは当たり前なので大丈夫ですよ。 だから心配しなくて大丈夫です」



「なら、よかったけど、、、 あ、そや祭ちゃん。 ご飯食べれそうか?

 今あっちの大広間で食事会してるんやけど来れそう?」



「食べれるは食べれますけど、、、 私なんかが混ざっても大丈夫なんですか?」



「全然大丈夫大丈夫!! なぁ? 朱雀さん」



「あぁ、大丈夫だ。  じゃあまた今度この事について連絡さしてくれ、祭さん。 

 では、私達も向かおうか」



「え、、ちょ、、 待ってくださいよ〜!!」



私は横に置かれていたパーカーを急いで着て遅れながらも二人の後に着いて行った。



_______


大広間にて



「ちょっとそれ私が食べる肉〜!!」



「はぁ? 俺の肉〜!! 早いもん勝ちだもんね〜!!」



「コラコラ二人とも、 座りなさい」




色々な家の子らが誕生日パーティーを楽しんでいた。 紗理奈は何処に、、、って、 うわぁ!!



「祭〜!!」



紗理奈が私の頬にほっぺをスリスリしてきた。



「んぅ〜!! いつもと同じ冷たさだ〜!!」



「んむ、、ちょ、、、 紗理奈、、 近いって、、」



「生きてて良かったよ〜!!」



「分かった、分かったから離れて〜!!」



私は紗理奈を引き剥がした。



「え〜、、、 もっとくっついていたかったのに〜」



「はいはい、それは帰ってからでも出来るから、、 ご飯食べよ?」



「そやそや、祭ちゃんの言う通りや。 ご飯食べようや、 二人とも」



「「は〜い」」




私達はご飯を食べ始める事にした。



といっても私は味覚を亡くしてるから料理の味なんか感じれない、、、

でも、みんなで食事をする楽しみだけは唯一味わう事が出来る。


コレだけでも味わう事が出来れば十分だ。 、、、大好きな食べ物の味を感じれないのは

ちょっと悲しいけど、、



「無味だ〜!!」


まぁ、でも楽しければ何でもいいよね、、。 こういうのはもうその場の雰囲気雰囲気!!



_________



私達は誕生日パーティーを無事終える事が出来た。



後は、、、 いつもの定期報告だけか、、、

死ぬほど時間かかるし紗理奈には京都の観光でもしてもらおうかな、、



「ねぇ、紗理奈。 どうせこの後五時間ぐらいここから出れなくなるからもう先に京都観光してて

 いーよ」



「ん? え? 祭は?」



「私は定期報告があるから行けないよ。この定期報告マジで長くてめんどくさくてだるくて

 終わんないから、 もう今日は私の事なんか気にせずに観光してていいよ」



「あのね〜!! わ、 た、 し、 は!! 祭と一緒に観光したいの!!!

 めんどくさくても居るよ、 一緒に!!」



「、、、後悔してもしらないよ?」



「後悔なんか私しない人だもん!!」



「はい、もうしらな〜い。 じゃ、奥の大広間で定期報告するから行くよ〜」



「え、、 あ、 うん!」




ここから起こる定期報告は地獄そのものだ。 昔、母親達に着いて行き参加した事があったが私は

あの場の雰囲気と長さに耐えれずに途中で退出した思い出がある。



今回からは私の番だ、、、



ハァ、、、 マジで嫌だ、、

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