第五話 京都と八魂家
2024年4月15日 朝6時
「指定席取ってるから、寝放題だね〜」
「指定席最高!! やった〜!!」
私達は指定席で休憩をとりながら京都に向かう事にした。
あ、そうだ。 あの事言っとこ、、、
「ねぇ、紗理奈。 前言い忘れてた事あったんだけど言っていい?」
「ん? 何々〜? 教えて〜!」
、、、紗理奈にとっては初めての新幹線だから喜んでる、、 初めてじゃないのに、、
「前さ、 お花見に行った時に子供の話したの覚えてる?」
「あっ、、、 え、、、 うん、、 覚えてるよ」
「そんな申し訳なさそうな顔しないでよ。
まぁ、 その子供が作れない理由を教えとこうかな? って思ったの」
「、、、そんなの、、、、 聞いていいの?」
「別に、言える事だから聞いていいよ〜。
まぁ、簡単に言うとね? 子供にも私と同じ黄泉の残穢が入っちゃうし、 そもそもこの体はもう死んでるに等しいから、産む時に両者とも耐えれなくて
死ぬだろうね」
「黄泉の残穢、、、?」
「ま、簡単にいうと呪いみたいなもんだよ。 この呪いはこの世に居るどの祓い師でも
祓えない者だから、 私はずっと呪われながら生きてかないといけないんだ」
「、、、、 祭のおばあさまみたいに新しく印を創って祓える事はできないの?」
「、、、今はなんとも言えないかな、、
出来るかもしんないし、出来ないかもしんないし、、
まぁでも、 2..300年もすれば出来るんじゃない?」
「、、、それ私達両方とも死んでるじゃん、、」
「だから、まぁ気にしなくていいよ〜。 別に、すぐ死ぬような体じゃないし。
あっ、、 間違えた。 私、とっくに死んでるし」
「、、、いまだに祭が死んだって実感湧かないよ、、」
「ま、目の前に居るしね。 まぁ、前の件に関してはそゆこと〜。
じゃ、おやすみ〜」
「えっ、、ちょ、、、 急に!!」
祭はもうアイマスクを付けて眠ってしまっていた。
、、、これ本当に寝てるの? 耳近づけても息の音聞こえないし、、
死んでたりしてないよね、、、
、、、確認してみよ
わたしは祭の顔に徐々に近づいて行った。 わたしの息が祭に当たって、、
ちょっと恥ずかしい、、
わたしは恐る恐るアイマスクへと手を伸ばしアイマスクをゆっくりとめくっていった。
アイマスクを取ると、そこには目を開いた祭が居た。
「、、、何してるの? 紗理奈」
「あえ、、、っ、、 その、、、」
「私寝るから、アイマスク戻してくれない?」
「あ、、、 うん、、」
わたしは摘んでいたアイマスクをゆっくりと戻した。
アイマスクが元の位置に戻ると同時に祭はまた寝始めた。
、、、何これ、、 電池入れたら動くロボットみたい、、
そこから私は窓の外を見ながら京都に着くのを楽しみに待っていた。
_______
同日 朝8時40分 京都
「京都だ〜!!!」
「そだね〜」
「そこら中からあんことか和菓子の匂いがするよ〜!!」
「、、、 ガスの匂いしかしないよ、、
ほら、 そんな事言ってる暇あるなら早く行くよ? 待たせてる人居るんだから」
「、、、え? 待たせてる人? そんな予定聞いてなかったよ?」
「、、そりゃそうだろね。 今まで言ってなかったもん」
「、、、和菓子巡りとか着物着て、 京都の街周りたかったのに、、」
「それは集まりが終わってひと段落ついた後にね。 じゃ、行くよ〜」
「京都巡りは出来るんだね、、、 じゃ、 まぁいいや!!」
私は紗理奈と京都駅を出た。
えっと確かあの人たちは、、、
私がキョロキョロしていると後ろの方から聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
「あ、居た居た。 居たで祭ちゃん!!」
「え? どこ〜?」
「あそこやって、あそこ!! お〜い祭ちゃん〜!! 久しぶり〜!」
この声は!!
私が勢いよく後ろを振り向くとそこには袴を着た糸目の男の人が居た。
やっぱり、、 やっぱり!!
「お久しぶりです〜!! 喜代太さん〜!!」
「ほんま久しぶりやな〜!! 何年振りや〜?」
「えっと、、、 多分、 5、6年ぶり? かな?」
「そんなに経ってたんか、、、 いや、、でも成長したなぁ〜!!」
「7年前から身長も何も変わってないですって、、 この体になっちゃったし」
「いやいや、そうなのかもしれへんけど! 僕には分かるで? 成長してるなって」
「まぁ、、 喜代太さんがそういうならそうなんでしょうね」
「祭ちゃん!! お久しゅうやねぇ〜」
「新奈さん!! お久しぶりです!!」
「喜代太さんのいうとおりに本当に成長しはったね〜! あ、そだそだ
見せたい子達が居るの!!」
「それってもしかして、、!」
「息子の春太と成長した冬海〜!!」
「おぉ!! 冬海ちゃん!! 久しぶり〜!!」
「お久しぶり〜!! 元気してた〜?」
「うん!! 元気だったよ〜!!」
「ほら、春太も」
「、、、こんにちは、 やこんはるたです。 はじめまして! 祭お姉さん!!」
「うん、初めまして。 春太くん」
私は八魂家の面々に挨拶を済ませた。
あれ? でも私、、 何か忘れてる気がする、、
、、、、、 あっ!! 紗理奈!!
「なぁ、祭ちゃん。 その隣に居る着物着た子は友達?」
「あ、はい、 そうです!! 親友の紗理奈です!!」
「初めましてやね。 紗理奈ちゃん」
「あっ、、、 初め、、 まして、、 喜代太さん!!」
「今日はアレか? 祭の婆さんの代わりできたん?」
「はい、、そうです!! その通りです!!」
その瞬間喜代太さんの笑顔が消えた。
「、、、あの婆さん、 酷い事しはるなぁ、、」
「、、、え?」
「いや、今日な? 三魂家で集まりあるやん?
その集まり結構地獄になる事多いから婆さん酷い事しとるなって思てな。
まぁ、 でも大丈夫や。 もし、何かあれば僕が二人の事守ったるから」
「地獄になる、、? 一体何をしてそんな事に、、」
「ん? 気になる? まぁ、でも婆さんの代わりに来たって事はそゆことよな。
まぁ、 じゃあ今日の集まりで起こるであろう事を教えてあげるよ」
「は、、、 はい」
「多分、、多分やで? 一魂家と二魂家と三魂家の面々が祭ちゃんを祓おうとして
くるんとちゃうかな?
今日の集まりは定期報告と誕生日パーティなんやけどな、、」
祭を祓う? え? 祭を殺しに来るって事? え? めっちゃ危険じゃない!?
「え? じゃあ祭、すごく危険な事してないですか?」
「まぁ、、そやなぁ。 死ぬ程危険な事してはるねぇ。
まぁ、、 でも僕が居る限り祓わせはしーへんから安心してええよ」
「、、、ちょっと祭!! こっち来て!!」
「ん? いいけどって、、、 うわぁ!!」
私は紗理奈によって柱の裏に連れて行かれた。
「な、、、 なんで、、 なんで!! 言わなかったの!!」
「喜代太さん居たら安心安全だし大丈夫かな〜って。
それに紗理奈も居るしその帯も居るし」
「わ! た! し! は! 今日が初めてなの!! 喜代太さんに会うのが!!
信用出来るわけないでしょ!!」
「大丈夫、大丈夫だって紗理奈〜。 喜代太さんは信用出来るに値する人だよ。
過去に私を守ってくれてるしね!!」
「だとしても、、、」
「まぁ、 今はまだ信用出来なくていいよ。
どうせ、今日一日中 喜代太さん達とは一緒に居るだろうし嫌でも分かるよ」
「、、、はぁ、、 もう、、 分かったよ。 でも今度からは全部私に言ってよね!?
こういうの心臓に悪いんだから!!」
「は〜い」
私達の会話が終えたと同時に喜代太さんが柱からひょっこと顔を出してきた。
「お話済んだみたいやね〜。 ほな、時間がそろそろヤバいから行こか」
「は〜い」
「ひっ、、、 は、、 はい!!」
私達は喜代太さんの車に荷物を載せて、三魂家の家へと向かう事にした。
祓われないように、、、 気をつけないとね、、
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