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第一話 祓い屋 ユナイテッドにお任せあれ!!

2024年4月12日 昼12時


街中で桜が舞い散る中、私たちの元にある女性が訪ねてきた。


「あの〜、、、 すいません。 祓い屋ってここで合ってますか?」


今からご飯食べようと思ってたのに、、、、


「はい、合ってますよ。  ここは祓い屋ユナイテッドです。

 何か用があって来られたのですか?」


「少し悩み事があって、、、 その悩みを聞いてもらう事って出来ますか?」



「もちろんいいですよ。 立ち話は辛いですし、 そこのソファに座ってください」


「あ、、 ありがとうございます!」


トートバッグを持った女性が首をさすりながら私の目の前に座った。


「じゃあ早速悩み事、、、 と行きたいところですが

 まずはあなたのお名前と年齢を教えてください」


「は、はい! わ、私は 柊木 真尋(ひいらぎ まひろ) 20歳です!! と、特技は」


「特技は大丈夫です。 柊木 真尋さん 20歳と、、、」


私は紙に今得た情報を書き込んでいった。


「今日、ここに来た理由はなんですか?」


「そ、、その、、、 私、、最近首が重くて、、、 

 仕事とか日常生活が儘ならなくなってきて、、、」


「それは災難ですね。 病院などには行かれたのですか?」


「行ったは、行ったんですけど、、 行って診察してもらっても特になんともなくて、、、」


「なるほど、 それでユナイテッドに来たと、、」


「そうです!! ここなら、、、この首の重さを取ってくれると思って!!」


「ユナイテッドにお任せください。 絶対に取ってみせます」



その時、 私達の目の前に熱々のお茶がのったお盆が置かれた。

横を見ると着物を着たカワイイ友人が居た。


「ちょっと祭、 お客様が来てるなら言ってよ!! 

 お茶出すの遅れちゃったじゃん!」


「私だって急に来ると思わなくて、、、 ていうかお盆で叩かないでよ〜!」


「言い訳無用!! 今度からはちゃんと私に言ってよね!!」


「分かったから、、、 一旦辞めて。 紗理奈。 お客さんに見られてるよ?」


「あっ、、、 すいません!! 見ちゃって、、、」


「こちらこそすいません! お茶出し忘れちゃって!!

 ていうか、 自己紹介忘れてましたね、、

 

 私の名前は日比野 紗理奈(ひびの さりな)です!! 年齢は17歳です!!

 よろしくお願いします!! ほら、 祭も」


「え〜? 私も?」


「うん、 祭も!!」

 

「私の名前は 九魂寺 祭( くこんじ まつり)です。 年齢は16歳です。

 その悩みを晴らすのでもう少しだけ耐えてください」


「は、はい! 分かりました!!」


「そんなに硬くならなくて大丈夫ですよ。 私達、真尋さんより歳が下ですし。

 力抜いていいんですよ。

 私の友人が淹れたお茶でも飲んどいてください。 私は準備しとくので」


「は、 はい!! じゃあ、、このお茶頂きます、、」


真尋さんはどうやらまだこの事務所の雰囲気に慣れていなさそう、、

力抜いた方が後々楽なのに、、


「このお茶とても美味しいです!!」


「うちの紗理奈が淹れましたからね、彼女はお茶とかコーヒー淹れるの得意なんです」


「へえ〜、、、 そうなんですね」


「真尋さんは普段お茶とかコーヒー淹れたりするんですか?」


「私は、、全部パックとか自販機で済ませますね、、、 作るのめんどくさくて、、」


「じゃあそのお茶は久しぶりに飲む人が淹れたお茶なんですね」


「そうなりますね、、、。 というか、、さっきから気になってたんですけど

 準備ってのは、、」


「ん? 準備ですか? 準備はもう出来てますよ」


「え? もう出来てる? 祭さんずっと座って私と話してませんでした?」


「まぁまぁ、、、 そんな話は置いといてお茶でも飲んどいてください」


「、、、、分かりました」


真尋さんは私に疑いの目を向けながらもお茶をまた飲み始めた。


「よし、、、 今だよ!! 紗理奈!!」


「りょ〜かい!!」


紗理奈が勢いよく真尋さんの背中を叩いた。

真尋さんは背中を強く叩かれた衝撃で口からお茶とモヤモヤ燃えるナニかが出てきた。


「捕まえた」


私はその燃えるナニかを手で掴んだ。 その燃えるナニかは私の体内に入っていった。

 

「確かに、、、 首が重くなる、、」


「ゴホッゴホッ、、、 ちょっと急に何する、、、 って首が、、、 首が軽い!!」


真尋さんはおもちゃを貰った子供のように喜んでいた。


「あなたに取り憑いていた轆轤首(ろくろくび)を祓ったからですね」


轆轤首(ろくろくび)? 轆轤首(ろくろくび)ってあの轆轤首(ろくろくび)ですか?」


「そうです。 妖怪の轆轤首(ろくろくび)です。

 あなたは轆轤首(ろくろくび)に取り憑かれていたんです」


「え? 私が? なんで、、、」


「真尋さん、、、 今、首の悩みとは別にもっと重い悩みがありますよね?

 それが原因です」


「なんで、、、 他にも悩みがある事分かったんですか?」


「あなたを見れば一目瞭然ですよ。 酷い目のクマ、 痩せ細った体。

 真尋さん、、 あなたブラックな会社で働いてるんじゃないですか?」


「そ、、そんなわけないじゃないですか、、 私新入社員ですよ? 

 そんな大量の仕事任されるわけ、、」


「じゃあその酷い目のクマと、 痩せ細った体について説明出来ますか?」



「、、、、」


「妖怪や呪いは人が弱ってる時に入り込んできます。 

 そこでずっと働くと色んな妖怪に取り憑かれてもっとしんどくなると思いますよ?」


「で、、、でも、、 新入社員が辞めるわけには、、、」



「会社は働きに行く場所です。 真尋さん、 あなたは死にに行ってる。

 ずっとそこの会社で働けばあなたは妖怪にどんどん取り憑かれて

 最終的には本当に妖怪になってしまいます。 

 

 あなたは今何にも取り憑かれていない人間です。  

 妖怪になりたくないのであれば会社を辞める事をお勧めします」



「、、、妖怪に、、、 なったらどうなっちゃうんですか? 

 もう、、、 人間には戻れなくなるんですか?」


「そうです。 人間に戻れなくなります。

 それが嫌なのであれば辞めたらいいと思います。 

 妖怪になりたいのであれば働き続ければ良いと思いますよ」



「でも、、、 今辞めたら、、、 次、、 就職できるか、、、」



「真尋さんより若い私が言うのも変なんですが言いますね。 

 あなたはまだまだ長く生きていられる。 

 絶対生きている内に就職に成功しますから安心してもいいと思いますよ」


「、、、、妖怪にはなりたくない、、、 なりたくないから、、、 辞めます!!」


「それが良いと思います。  では、悩みも無くなった事ですし家に帰って休養してください。 今日は家に帰ったらもう外に出ちゃ駄目ですよ? 

また取り憑かれちゃいますから」


「家に、、、 帰る途中で取り憑かれないんですか?」


「真尋さんが帰る時に印を結ぶので帰宅するまでは効果が続くので大丈夫です」


「最初から最後まで、、、 私迷惑かけちゃってる、、、」


「お祓い料を払ってくれたらどうって事ないですよ」


「あ、、、 そうだ、、 渡すの忘れてた、、、」


真尋さんはトートバッグから封筒を取り出し私に渡してきた。


「確認しますね?」


「ちゃんと、、、 入ってると思います」


封筒の中には一万円札が十枚入っていた。

よし、、、 キッチリある。


「はい、入ってました。  ありがとうございます。

 すいませんね、 こんなに料金高くて、、」


「この首の悩みが無くなったので私としては相応の料金だと思います!! 

なんならもっと払ってもいいぐらいですよ!!

というか、 取れなかった場合は全額返金してくれますしね」


「是非それをレビューに書いてもらうと助かります」


「安心してください!! 絶対に書きます!!」


「ありがとうございます。 では、印を結ぶので入り口の方向いといてください」


「は、 はい!! 分かりました!!」


真尋さんは入り口の方を向いて背筋をピーンと伸ばしてくれた。


「では、結んでいきますね」


「は、 はい!!」


私は指で太極図を空に描きながら印を結び始めた。



陰陽転換(いんようてんかん) 守護主眼(しゅごしゅがん) 半神半妖(はんしんはんよう) この者を護り賜え』



私が描いた太極図は真尋さんの背中へと飛んでいき体に入り込んでいった


「印を結べたのでもう帰れますよ」


「、、、なんか今すごい体にドクンって来たんですけど、、、大丈夫ですか?」


「ちょっとした呪いだから大丈夫ですよ。 効果も薄いですし。

 目に模様が浮かび上がるだけです」


「の、、、の、、 呪い!? え? 私の事呪ったんですか? それに目に模様!?」


「死なないから大丈夫ですよ。 寝たら効果も切れますし」



「、、、まぁ、、、 なんか怖いですけど

 祭さんがそう言うならそうなんですよね、、 信じます。


 では、祭さん。 紗理奈さん。 今日は本当にありがとうございました!! 

 悩みも全部晴れて気分爽快です!!」


「こちらこそありがとうございました。 真尋さんちゃんと私との約束を守ってくださいね?」


「帰ったら外に出ないですよね? 任してください!!

 では、、 さようなら!!」


「悩んでる友人とか居たらここ紹介しといてください」


「は〜い!! 分かりました!!」


「さよ〜なら!! 真尋さ〜ん!!」


「は〜い!! さようなら!!」


真尋さんは給湯室に居る紗理奈に別れを告げて事務所を出ていった。



「ふぅ、、、 疲れたし憑かれた」


「え〜? なに? ダジャレ?」


「本当に憑かれたの。 轆轤首(ろくろくび)捕らえておきたいし瓶持ってきて」


「は〜い!!」


紗理奈は札が沢山貼ってある扉を開け中に入っていった。 

数分もしないうちに紗理奈は札が貼られまくった瓶を持ってきた。


「入れるから、、、 開けてくれる?」


「は〜い!!」


紗理奈は瓶の蓋を開けてくれた。 後はここに入れるだけだ、、、


私は着ていたパーカーを脱ぎ下着姿になった。 脱がないと魂を上手く取り出せないからだ


「ん.... んぅ..... はっ....」


「毎度見てるけどすごい光景だよねコレ。 腕が透けて祭の体の中に入っていってるもん。 痛みとか感じないの?」


「痛みってより.... なんか..... んぅ.... 体が..... はっ...... ムズムズする....」


「大変な体質だね、、、」


「大変だけど..... これが一番楽だからね.... よし.... 捕まえれた!」


私は勢いよく体の中から手を出した。

すると、体の中から轆轤首(ろくろくび)の魂が出てきた。


「これからはここで暮らしてね」


私は瓶の中に魂を入れた。 紗理奈は瓶の蓋を閉めてお札を貼り直してくれた。


「よし!! 捕まえれた事だし戻してくるね!!」


「ん、 ありがとう。 紗理奈」


紗理奈は轆轤首(ろくろくび)の魂が入った瓶を封印部屋に戻しに行った。



いつも私の事手伝ってくれてるし、、、 明日ここを休みにしてお花見連れて行こ、、

その為にも早く報告書まとめて明日の準備出来るようにしよっと、、



私は脱いだ服を着直し報告書を作る事にした。


でもその前に、 ご飯ご飯っと


面白い!先が気になるぞ?と思った方は

ブックマークの追加と広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして評価していただけるとめちゃ嬉しいです!!感想なんか書いていただけたらさらに嬉しいです!執筆のモチベーションになるので、どうぞよろしくお願いいたします!!

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