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婚約者以外からもダサいと認定受けました

新連載ですがサクッと5話完結です!宜しくお願いします。

「いやぁ、クララベルは婚約者だけど家同士が勝手に決めたんだよ。マリアンヌに比べたら本当にあの女の存在なんて価値もない。」

「ふうぅん。クララベルって言うのね。田舎貴族に多そうな名前だわ。

 まあ、婚約者が居ても私は気にしないけどどっちかって言うと早く教えて欲しかったわ。どんな子?」

「マリアンヌ・・・比較するのも馬鹿げているよ。

 華奢で妖精のような君と、踏まれて揉みクチャになった麦のような女とは・・・俺の気持ちは一目瞭然だろ?」

「うふふふふ・・・」


 制服を着ているのに二人は顔を近づけあって啄むようなキスからやがて深い大人のキスを始めた。





 (ヒエェぇぇぇとんでもないものを見てしまった。)


 ハニーブラウンのストレートの髪を校則通りきっちりおさげに結っているクララベルは両手で目を覆いながら諦観のため息を溢した。



 今濡れ場?を繰り広げているのはアラン・ドガ。

 クララベルの婚約者である。


 三つ上の彼は2年前クララベルと同じくらい田舎の領地である隣の子爵領からこの王都の学園に入学したのだが王都の風に吹かれてすっかり都会っ子に変貌を遂げたらしい。


 黒髪を以前は短く刈り込んで清潔感あふれる容姿であったのに、今は癖のある髪を肩まで伸ばし無造作に結んでいる。

 男の色気?そんな感じだろうか。


 王都の貴族学園に入学を果たしたクララベルは勉強を頑張ったお陰で一年早くこの学園に入学することができた。

 入学試験を(結構難しい)クリアできれば飛び級も貴族学園では可能だ。

 父母は勿論、ドガ子爵夫妻からも『アランを頼みます』と言付けられ右も左も分からない王都に送り出された。


 王都に着くとクララベルは王宮務めの次兄夫婦の家に住まうことになる。

 義理姉は妊娠8ヶ月。

 到着したばかりのクララベルに身重な自分では案内できないのが申し訳ないと言いながら3年前に卒業した貴族学園の色々を教えてくれた。


 アランは実直で素直で、少し細面のドガ子爵の嫡男だ。


 隣り合った領地であることと親同士の仲が良かったためアランが学園に入学する前に婚約をした。

 クララベルは子爵家の次女で兄二人姉一人から可愛がられて育った。


 婚約後、恥ずかしながら王都の寮に住むアランと文通を始め、1年間は順調に関係を築いていったと思う。1か月に二度三度交わされる手紙のやり取り。

 2か月に一度は都会のお菓子や本がクララベルの手元に届く。


『王都は田舎と違って刺激的だ。

 君の入学の年に僕は学園を卒業しているがクララベルも王都を楽しむ時が来るだろう。

 その時は案内出来る様にあちこち見て回っておくよ。』


 好きだ、愛してる、など幼馴染の二人の間には交わされる事はなくてもその時の手紙の内容は友好的で嫌われていなかった。


『田舎との違いは王都の人間は自立心に溢れていると言ったところだ。

 俺の友達で遠方から来てる奴らはいつも同じメンバーで固まって田舎の話ばかりしている。実に後ろ向きだ。

 俺は王都の友人も増えた。田舎の友人たちと固まっていたところで、発展はないからね。

 最近は俺のことを『王都育ちかと思った』と初対面の人に言われるくらいだよ。考えも見た目も洗練されてきたからね。クララベルも王都に来る前にアドヴァイスしてあげるから心配しなくて良い。』


『すまないが、あの臭い薬草茶はもう要らないよ。飲めた物じゃない。田舎にはあまり流通していないのかな?今は紅茶が流行ってるんだ。

 あと、ハンカチを刺繍してくれたのは嬉しいけど、図案が田舎臭い。

 少し義理兄のところの嫁にでも聞いてみてくれ。あのデザインでは俺は使えそうにない。次からは田舎の物は送らなくて良いから。

 忙しくて母達に連絡していないんだけど元気だと伝えておいて。

 どうせまだ馬に乗って遊んでるんだろ?

 本当に君は幼いね。』


 (段々と我が婚約者はえらそうになってきたなぁ。大人になったってことかなぁ?返信がしづらい手紙になってきたなぁ…)

 と思っていたところで間隔の空いた文通はこれを最後にブツリと途絶えた。


 半年前から音信不通となった婚約者に『王都に着いたので会いたい』と三度も手紙を出したのに返信は貰えず、遂には入学式の日を迎えてしまった。

 クララベルの兄もドガ子爵と両親にアランのことを頼まれたらしく、仕事終わりに男子寮へ行ったらしいが

『門限に彼が戻ってきたことは有りません。』と寮長に冷たく言われたらしい。


 『どうなってるんだ?』


 昔のアランしか知らない兄は首を傾げクララベルに尋ねるも、(自分の方が教えてもらいたいよ)と心の中で反論するのが精一杯である。



 入学式から最初の1週間はとにかく忙しかった。

 飛び級入学者としてバタバタと手続きに追われあっという間。

 それでも飛び回り不在の間にアランが来るのではないかと危惧していたが、クララベルの心配は杞憂に終わった。


『すみません。アラン・ドガをご存知ありませんか?』

 やっと学園の授業が開始された日クララベルは昼休みにアランを探すことにした。

 教室に行っても居ないアランを探し訪ね歩く。

 4人目の明らかに年上の女生徒に聞くと『あら?新入生?私が案内して差し上げるわ。』とこの校舎の端の端まで連れてこられた。見目麗しい上品な上級生は知的でその上親切であった。


 『すみません、申し訳ない!』を、連発しながらトテトテと後に続いたクララベルがその後目にしたもの。


 人気の無い場所でマリアンヌというお色気ムンムンの女生徒とアランが体を密着させて自分を馬鹿にしている場面に遭遇してしまったのであった。




「大丈夫?貴女お名前は?」

「クララベル・リンドバーグと申します・・・ずずっ。父は…リンドバーグ子爵家でっ……

 す、すみません・・・何だか鼻水が止まらなくて・・・・」


 すると上級生の女生徒は薄桃色のハンカチでそっと頬を押さえてくれた。


「貴女、ドガ様の婚約者さんね・・・お可哀想に。」


 クララベルは知らないうちに涙が滝のように流れていたようだった。

 ヒックヒックとしゃくりあげるクララベルを女生徒は手を握ると校舎の三階最上階へと連れて行く。


 中に入ると随分と豪華な応接用の家具にティーセットが置かれていた。


 室内に案内されソファに座るように促される。


 執務室のようなそこには長身のメガネ男子が分厚い資料を抱えて立っていた。

「ヴィクトリア様?どうされました?」

「そこで知り合った子よ。今年のラビットちゃん」 

「このダセェ子がですか?」

 メガネ男は存外に口が悪かった。


 (ラビットって何ですか?初対面の女の子をダセェとか言うな。この眼鏡!)と心は叫んでいるのにクララベルは口を開こうとすると嗚咽しか出てこなかった。


 分かっていた。


 分かっていたのだ。


 手紙で何度も田舎を馬鹿にしてきたあのアランの態度からきっと都会の綺麗なお姉さんといい感じなのだと。


 ドガ子爵たちは待望の長男であるアランをとても真っ直ぐに育てた。

 本当に素直な子に。


 だから・・・だから染まってしまったのだ。



 クララベルは四番目の子供として生まれたからか本当に要領がよく、その上頭の回転も速かった。


 リンドバーグ子爵家の内情が兄弟からも伝えられるから、質素で倹約気味でも不満なく生きて来た。

 貴族は4人も子供がいると本来なら家が傾くと言われる。


 王都の学園に通わせるのもドレスを仕立てるのも金がかかるからだ。


 娘は年頃になると宝飾やドレスに金がかかり、息子は教育に女の二倍金が掛かる。

 なのでリンドバーグ家では、貴族とは思えないほど家庭内で質素な暮らしを強いられてきた。

 節約して全員を無事に成人させるためである。


 教育の甲斐あって兄も姉も教養があり、精神的にも申し分のない人間に育っていると妹の目から見ても思う。


 クララベルはそんな家族に囲まれて育ったから現実的だし歳のわりには落ち着いていた方だろう。大人の本も読んでいたし、平民に揉まれたおかげで世間のいざこざを深窓の令嬢よりは知っていた。


『婚約者もいるからあまり派手な格好は慎むように。』父はそう言ったが、年若い娘に対する体のいい節約宣言である。

 クララベルはそんな父の言葉を真には受けなかったが、『まあ、夫探しをする必要もないし着飾らなくても問題ないか。』と華やいだことに対して諦めを見せた。


 なので派手な髪型もメイクも教えてもらうことは無かった。服は基本着回しのきく落ち着いた配色に落ち着いたデザインのブラウスやジャケット合わせ。

 要するにミセス向きな地味なものばかり身につけて生きてきた。


 強いて言えば姉からのお下がりは少しお洒落なものもあったのだが姉はクララベルより華奢で身長も8センチほど高い。

 レースの少ないドレスは比較的安く、クララベルはそんな服ばかり買い与えられ身につけていた。

 姉は婚約者が裕福な男爵家であったからしょっちゅうドレスを貰っていたがドガ子爵からはドレスが届いたことはない。

 クララベルは姉と自分を比べても仕方ないからと、気にしないようにして過ごした。

 ちんちくりんな自分には中々お金をかけてもらえないもんだ、と幼い頃から諦め気味に考える。初めから望まなければ、与えられない時に落差は少ないものだから。



 マリアンヌ様…綺麗だったなぁ…………。



 派手な化粧に、花の匂いも掻き消すほどの香水。校則を無視した巻き髪にネイル。

 制服のシャツもボタンは上半分留めていなかった。


「あれが都会の女と言うやつですね…………。完敗です」


 温かな紅茶を飲みながらクララベルは呟いた。

「馬鹿言わないで。違うわよ。

 クララベル…そう呼んで良いかしら?

 私はヴィクトリア。ヴィクトリア・リラシクよ。第3王子の婚約者で生徒会の副会長」


 まぁ!!!


 ふ、副会長?!王子の婚約者!!!


 流石王都!!!


 と目を丸くしてると

「それに驚いているお前は本当ダセェな。」と眼鏡がまた呟いた。


「先程はありがとうございました。ハンカチは洗ってお返しいたします。

 あ……………いや、同等のものを買ってお返し致します。

 本当お見苦しいところをお見せしてしまい……………」

 そう言いながら再び涙がポロリと零れ落ちた。


 既に桃色ハンカチはグシャグシャである。


 すると眼鏡男子が自分のハンカチを差し出した。


「どういうことだ?ラビット連れてくるなんて」


 ヴィクトリアは先程の経緯を口の悪い眼鏡に洗いざらい話してしまわれた。

 恥ずかしすぎる。


 婚約者の浮気現場を見たのに、その場に踏み込んで行くことも出来なかった。



 クララベルは、自分を知っている。

 だから彼らに馬鹿にされる未来が見えて足がすくんだのだ。

 顔は別に愛嬌があって悪い方ではないと思うが、王都の華奢な女の子に比べて自分がぽっちゃりした体型なのもみっともなく感じた。

 背も低く誰からも見下ろされる身長。

 ハニーブラウンの髪は丈夫さが取り柄で太く量もある。

 纏め方も大して知らないから、ついついおさげにして日々を過ごしていた。


 そんな自分があの様な妖艶な女生徒に勝てるわけがない。

 向こうが美の妖精なら正しく自分は麦の穂に違いない。

 踏まれてなんぼ……………と絶賛ネガティヴキャンペーンを頭で繰り広げていると眼鏡が馬鹿にしたように嗤った。


「婚約者が浮気してるの見て泣くとか、どんだけ初心なんだ。そんなんじゃ毒婦マリアンヌに勝てないぞ?ちゃんと怒鳴り込んで私の婚約者に手を出さないで!って大声上げろよ」


 いえ、もう、勝てるわけないです。無理です。

 クララベルはシクシク泣きながら男物のハンカチで思いっきり鼻をかんだ。


「リラシク様。ありがとうございました。眼鏡様も」

「いや、俺の名前はロイド・バランティーノだ。ロイドでいい。」

「私もヴィクトリアで良いわ。

 ごめんなさいね。配慮が足りなくて。アラン・ドガに婚約者が居るなんて聞いたこともなかったから普通にお知り合いかと思って」

「完全にヴィクトリア様ミスってますね」

「ロイド煩い」

 2人が自分のせいでピリピリとした言い合いを始めたのでクララベルは涙と鼻水を拭くと落ち着いた声をやっと出した。


「御二方ともすみません。

 本当に。

 もう、婚約者から連絡が来なくなって半年だから女性問題かもとは予想していたんですけど、実際に見たらパニックになってしまって……………

 これからどうしたら良いのか……………いや、兄に相談ですかね?」

 するとロイドがまた鼻を鳴らした。

「おい。自分のトラブルを自分でなんとかしようともせず、兄貴や家族に頼るのか?学園でのことだぞ?そんなダセェことしてるとアランは振り向いてくれるどころか離れていくぞ」

 いやもう十分距離ありました。

 婚約者っていうのも肩書だけで私の手紙も読んでもらってません。

 多分アランは私が学園に入学したことも知らないと思います。


 そう言うと2人は苦虫を噛み潰したような気不味い顔をした。

 色々諦めたクララベルにもう取り繕うこともしていない。


「そうねぇ、貴女ラビットだからお知らせがアランに届いてなければ知らないでしょうねぇ」


「ラビット?先程から仰るラビットってなんですか?」

 するとロイドは胸元から生徒手帳を取り出した。

「お前は年齢よりも早く受験し飛び級で合格したろ?だから校章が金色(ゴールド)だ。飛び級。学年を飛び越すと言うことで[ラビット]って学園では呼ばれる。

 年齢通りに進級している者は銀色。逆に落ちこぼれて留年したりしたやつはその年から銅色(ブロンズ)の校章が与えられる。

 留年した奴は因みに[亀]と呼ばれる」

 ヘェ〜何だか言い方も洒落てます。流石王都。田舎者の私からしたら想像もできませんでした!

 とクララベルが感心していると2人が吹き出し笑いをした。


「お前は図太い神経してるなぁ。その王都の女に今傷つけられたはずだぞ?何感心してるんだ。」

「仕方ないですよ。アランもちょっと背が伸びてお洒落な髪型になってて素敵でした。冴えない私が目の前に現れてもきっと疎まれるに決まってます。

 はぁぁ、やっぱり婚約は破棄でしょうねぇ。」

 クララベルも先程より落ち着き、勝手にポットからお茶のお代わりを注ぎ足した。

 勿論ヴィクトリアのカップに注ぐのも忘れない。


「貴女って擦れてないのね。クララベル。

 何というか、貴女を見てると優しい気持ちになるわ」

「ヴィクトリア様みたいにきつい性格の女性なら目には目を!歯には歯を!ってキツイ仕返ししか考え無さそうですもんね。

 確かにこのラビットは……………クララベル様は、あーーー、そうだな。気持ちが良いほど<卑屈>だ」


 クララベルは笑った。


「少し元気出ました。何だか都会的な眩しいお二人と会話していたら自分の容姿では当然の結果だと素直に思えるようになりました。

 ロイド様が言われた通り確かに父達に相談する前に2人で話し合わないといけませんよね。

 婚約破棄されるにしろ、自分の後始末くらいつけなきゃ。なるべく親に迷惑かけないように。取り敢えず卒業後に入る清潔感ある修道院を探しつつ前に進みますね。アドバイスありがとうございました」

 深々と頭を下げてクララベルは2人にお礼を述べる。


 進む前が違うだろ?と2人はこのラビットにツッコミを思わず入れてしまう。

 全くもって、素直なんだか何なんだか。

 自然に囲まれて育つとここまで純粋になるのか。


 アランは確かに見目がこの2年ですっかり格好良くなった部類の田舎貴族だ。


 元々細身で繊細な容姿。頭もそこまで悪くなく嫡男。

 真面目で遊びも知らない。そうとなれば、手練れの遊び好きな女生徒が放っておく訳はなく、何度も彼女達から遊びに誘われるうちに田舎を疎み、王都に染まってしまった。男友達も彼女達の友人だから当然質は悪い。


 最近では親からの小遣いでは足りないようで夜の飲み屋街で貴族の奥方相手に酌婦ならぬ酌夫をしていると噂が流れている。


 王都に来ると、驚くような金持ちも多い。

 彼らに合わせようとするとどうしても辺鄙な場所に領地のある貴族の子供は苦労をする。

 流行りの持ち物一つ買おうとすると小さな財布は傷むし、彼らに馬鹿にされたくなくて見栄を張る。


 そんな馬鹿な男の婚約者がこの純粋培養したラビットちゃんとは…


 普段は自分の事ばかりの2人であるが、ついつい手を差し伸べたくなる。


 ロイドは生徒会の書記で学年は二年生。ヴィクトリアは三年生なので今年卒業だ。



 アランのことを何故ヴィクトリア様はご存知なのかなぁと呑気に思っていたら同級生、同クラスであった。


 そんな2人は顔を見合わせて暫し黙り込む。


「確かに垢抜けない田舎娘だけれど……」

「婚約破棄されるほどの悪さじゃないわ」

「性格も悪くないし」

「頭も良いのに勿体ない」


 クララベルが首をコテンと横に傾げているとヴィクトリアがフッと口元に笑みを浮かべた。


「アラン・ドガみたいな男に振り回されるなんて馬鹿馬鹿しいわ。

 クララベル。私たちが何とかしてあげる」

「そうだな。俺も助言してやらなくも無い」


 3人はティーカップが空になった後も鐘がなるまで話し込んだ。


 授業開始までに決まったこと。


 それは垢抜けないクララベルを大変身させてアラン・ドガに一泡吹かせてやると言う計画だった。


「無理ですよ、服も化粧品も持ってません。

 貧乏子爵家の第四子を舐めないでください」

「貴女こそ王子の婚約者の私を舐めないで頂戴。あげるドレスも化粧品もそれなりに持ってるわ。それにここは学園よ。

 制服が基本だし、王都の洗練された人間に貴女を育てるなんて生徒会副会長として当然の権利だわ」

 そうだろうか?そんな教育って生徒会に権利あったっけ?とクララベルが再び首を傾げているとロイドが苦笑いを浮かべて囁いた。


「気に入られたってことだ。

 ヴィクトリア様が在籍される1年精々頑張れ」



 何だかわからないうちにクララベルは自分磨きを頑張ることになった。

クララベルが家を間借りする兄は次男のザカリーです。

義姉はとても綺麗で優しい人ですがザカリーは中の中ランクな人です。

王宮に仕事場があるくらいですのでそこそこ頭も良いのですが、見た目は凡庸です。


義姉「ザカリー様大好き!彼の半分は優しさで出来ているって信じてますの。」


クララベル「お義姉さまーーー!!神!!(泣)」

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