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ROZE

作者: ラインハルト

ROZE


作:ラインハルト


※過度なアレンジ、アドリブはしないでください


※台本使用時は、台本タイトル、URL、作者名記載必須でお願いします


※問い合わせの際はTwitter:@lineharuto1128までDMお願いします


登場キャラ


赤ワイン:♀

白ワイン:♂

N(ナレーション):不問


N「この物語は、シャンパーニュとして生まれ変わるまでの赤ワインと白ワインの淡く儚い恋物語。」


赤ワイン「ぶどうからワインになって、私の友達は皆、瓶に詰められて出荷されて行ったなぁ…私はいつになれば瓶に入れるのかなぁ」


白ワイン「おーい!おーい!そこの赤ワインちゃーん!俺の声きこえるかなー?聞こえたら返事してー!」


赤ワイン「えっ?…どこかから声が、どこだろう?」


白ワイン「こっちこっちー!」


赤ワイン「あっ!あの人だ、急に声掛けられちゃったけど、どうしよう…知らない人だし」


白ワイン「やっと気づいてくれた〜…ねぇ、何か悩んでるの?僕でよければ悩み聞くよ?」


赤ワイン「ど…どうしよう、悩み聞いて欲しいけど、緊張しちゃうし…でも、聞いてもらおうかなぁ。

あ…あの、はじめまして」


白ワイン「はじめまして、僕は最近ぶどうからワインになったばかりなんだ、よろしくね!」


赤ワイン「私は少し前にワインになったんだ、よろしくね。

悩みを聞いてくれるって本当?」


白ワイン「僕でよければ悩み聞くよ!だからどんな事でも話してみて」


N「シャンパーニュになる運命を、まだ知らない赤と白のワインが出会った…これから赤と白の淡く儚い恋物語が始まっていく」


赤ワイン「えっとね…私の友達は皆ね、瓶に詰められて出荷されたんだけど、私だけまだ残ってて、いつになれば私も瓶に入れるのかなって」


白ワイン「そういう事だったんだね、僕はまだワインとして生まれたばかりだから、君の気持ちは分からないけど…友達が皆居なくなったのに、1人残るのは寂しいよね」


赤ワイン「うん…寂しいけど仕方ないのも分かってるんだよ?でもね、分かってるけど…やっぱり寂しいんだ」


白ワイン「そうだよね…そうだ!寂しいならこれからは僕がずっと、君の話し相手に友達になるよ!そうすれば寂しくないよね?ダメかな?」


赤ワイン「私の友達になってくれるの?嬉しい!これからよろしくね!」


白ワイン「よろしく!僕も友達が出来て嬉しいよ!」


赤ワイン「ふふっ、なんだかあなたって面白い人ね、ワインとして生まれてすぐに話しかけてくる人なんて、今までいなかったわよ?」


白ワイン「そうなの?だって色んな人と話して過ごした方が楽しくないかな?それに、僕が君に声を掛けたのは、君がとっても素敵だと思ったから声を掛けたんだ」


赤ワイン「私が素敵?先にワインになったお姉さんの私にそんな事言って口説いてるのかな?ふふっ」


白ワイン「口説いてるなんて、そっ、そんなんじゃないよ!本当に素敵だと思ったから、君と話をしたいと思ったんだよ!」


赤ワイン「えっ…えっと、ありがとう…あ、あのね?あんまりそんな事言わないでくれないかな?照れちゃうから」


N「少しずつ仲良くなって行く赤と白のワイン、他のワイン達も羨ましく思う程に仲睦(なかむつ)まじく見えている。

そんな日々を過しながら、互いに意識し始める赤と白のワイン」


白ワイン「君と出会ってから、数週間が経ったね。

いつの間にか、ここには僕と君の2人きりになってしまったね。」


赤ワイン「そうだね、本当にいつになればお互い、ここから出られるんだろうね。

でも、あなたとここにずっと2人っていうのも悪くないかなって思ってるよ」


白ワイン「急にどうしたの!?もしかしてこの前、僕が君を照れさせたからその仕返し?」


赤ワイン「仕返しじゃないわよ、本当にあなたとこのまま2人でも楽しく過ごせて行けそうって思ってるのよ。

だから、これからもよろしくね?」


白ワイン「もちろんだよ!僕も君と仲良くこのまま過ごして行けたらって考えてたんだ…あ、あのさ…僕は君が好きだ、色んな人と出会ったけど、初めて声を掛けた君が好きだ」


赤ワイン「急にそんな事言わないでよ、私も同じ気持ちだよ…あなたといつもどこまでも。

愛しているわ。」


N「いつの間にか2人きりになり、お互いの気持ちを確認しあった赤と白。

このまま時が止まればいいと思う程に愛し合っていた…しかし、そんな日々の終わりが静かに迫っていた。」


白ワイン「赤ワインさん?」


赤ワイン「どうしたの?」


白ワイン「今日はなんだか、外が騒々(そうぞう)しいね、何かあるのかな?」


赤ワイン「そうだね…あなたはこの騒々しさを覚えてないの?」


白ワイン「どういう事?君はこれがどういう事か分かってるの?」


赤ワイン「えぇ、わかってるわよ…そろそろお別れ…みたいね」


白ワイン「お別れ?突然お別れってどういう事!?ねぇ!ちゃんと教えてよ!」


N「赤ワインから突然の別れを告げられ困惑する白ワイン。

赤ワインはこの日が来る事を分かっていた、突然の別れ、2人で過ごした日々はここで、終わってしまうのか」


白ワイン「どうして僕だけがここに残ってるんだよ…君はどこに行ってしまったんだ。

僕は今でも君が…君ともう一度話をしたい…君の素敵な色をもう一度見たいんだ」


N「赤ワインがいなくなってしまった事により、憔悴し切っている白ワイン、そんな白ワインの元にもついに」


白ワイン「やめろ!僕はここを離れたくない!彼女と過したこの場所を離れたくないんだ!やめてくれ…頼むから僕をここに居させてくれよ…」


N「願いも虚しく、ある場所に連れ出されてしまった白ワイン、しかしその場所で白ワインは、まさかの再会を果たす」


白ワイン「あぁ…君はまさか、まさか!」


赤ワイン「久しぶりだね、元気にしてた?何泣いてるのよ、お別れって言ったのは少しの間だけお別れって意味だったのよ?もう会えないと思ってたの?ふふっ」


白ワイン「だって!あんな言われ方したら、もう会えないのかと思ってもおかしくないよ!でも…また会えてよかった」


赤ワイン「私もまた、あなたに会えて嬉しいよ。

これからは私達ずっと一緒にいる事が出来るわよ」


白ワイン「これからはずっと一緒にいられるんだね。

改めてこれからもよろしくね!」


赤ワイン「こちらこそこれからもよろしくね」


N「再び出会った赤と白、これからは片時も離れること無く、互いに混ざり合いシャンパーニュとして新しいワインとして生まれ変わった。

赤と白が混ざり合いシャンパーニュに生まれ変わるまでの淡く儚い恋物語はここで終わりです…しかし、世の中には報われない恋もあれば、このように報われる恋もあるのです、この物語を知った貴方達の恋は報われそうですか?」


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