その14
冬なのにsummer pocketsやって夏を満喫してました。
key欲張りセットな感じでいい作品でしたね。
時を超えチャーハンで紡がれる絆と島モンファイトで涙腺を崩壊させられました。
あとのみきルートがありませんバグかな……(遠い目)。
「へーこれが《永遠剣》なんですね」
「強度とか気になる」
『やめろぉ!』
マホツさんとキツカちゃんの手を行ったり来たりする俺の体。
キツカちゃんに至ってはハンマーを取り出してきた。
幾たびの戦場を越えて不敗の俺だが痛いのは嫌なんだ。
俺たちはチーカックの村から出てバースビレッジを目指し、中央部の道の駅で一休みしている最中だ。
「買ってきましたよ、お弁当」
「たく、人使いが荒い」
買い物に行っていた2人が帰ってきた。
クレトくんの方はブツブツ文句を言っている。
じゃんけんで負けた結果なのだから仕方ないだろう。
昼食タイムに突入するのであった。
『ここがバースビレッジかぁ』
「古代の遺物が多く掘り出される土地でもあります。今でも発掘されているほどなんですよ」
以前、北部に来るときはコレルマウンテンを通ってやってきたが、それは魔王のせいで高速道路が使えなかったからだ。
今では通行も再開し、スイ―ッと車で北西部にあるこの村へやってくることができた。
マホツさんの説明を聞きながら俺たちは村を見渡していく。
大きなクレーターがあり、そこでは作業員らしき人たちが重機を使って発掘作業を行っていた。
一方、住宅地の方では少し建物が崩れており、それを治す大工たちの姿も見える。
チーカックの村とは違い、魔王領から解放されて間もないため、みな忙しなく働いていた。
「友人の家は少し離れた場所にあるそうなんですけど……」
「あそこじゃないか?」
マホツさんがきょろきょろと視線を動かしていると、クレトくんが先に何かを見つけたようだ。
丘の上にポツンと一軒の家が建っている。
「行ってみましょう」
俺たちは丘を上がり、その家のインターホンを鳴らした。
「はーい」
さわやかな男性の声が聞こえた。
ガチャリとドアが開かれる。
顔を出して現れたのはあの時レジスタンスのアジトにいた学者さんだった。
「ああ、マホツ、それにキツカも。あと、誰だい?」
「お久しぶりぱっくん。とりあえず上がらせてもらってもいいですか?」
「ん~まぁいいけど。どうぞそちらのお2人も」
ぱっくんと名乗った学者さんは俺たちを家に入れてくれた。
ぞくぞくと入っていく。
家の中はとても整頓されていて、どんだけあるんだと思う本も綺麗に本棚に収まっている。
「ま、座ってて。コーヒーでいいかな?」
「ミルクティーを所望します」
「オレンジジュース」
「ホットコーラがいいですね」
「俺はコーヒーでい……」
『青汁!!!』
みんながみんな遠慮なしに注文していく。
俺は人見知りなクレトくんに代わって欲しがりそうな飲み物を言ってあげた。
「やれやれ、少しは遠慮してほしいな。あるけど」
あるのか……。
「はいどうぞ」
「ありがとうございます」
「コーヒー……」
みんながそれぞれのどを潤すなか、クレトくんだけが青汁を見つめていた。
なんかごめんね。
「それで……要件は解体神書かな?」
「まぁ。話が早いですね」
「古文書の収集が趣味っていうのは中々理解されなくてね。そんな男の家に来てくれるのはマホツとキツカくらいなものさ」
なんか卑屈だなぁ。
見た目は優男なのに。
(昔いちいちうざい性格が仇になって盛大に振られたみたいなの)
キツカちゃんが疑問そうに思った俺たちにひっそり教えてくれた。
「友人の顔もついでに身に来たんですよ」
「ついで、か……そこは嘘でもそれが本命って言ってくれるところじゃないかい?」
うぅわめんどくせ。
「まぁいいや。さ、これが僕が持っているページの全てさ」
ぱっくんはファイルを取り出すと俺たちに差し出した。
俺たちは揃って目を通していく。
預言書についての記述がないか必死に探していく。
『ッ……これは!』
そしてとある文面に目が留まる。
「預言書とは意志を持った存在である……」
「なん、だと……」
俺たちは絶句した。
預言書というからには本の形をしていると思っていた。
だが、解体神書によればどうも違うらしい。
「予言書は神子に宿るんでしたよね。それで預言書は意志を持った存在で……ええっと」
流石のぼっくんも頭がショートしている。
クレトくんに至っては青汁でうがいを始めた。
「神子の体には魂が二つ宿っているということ?」
「興味深いですねぇ」
あの2人は何か分かっているみたいだ。
すまない。
大学は中退した身でね……。
「そこも重要だとは思うけど、次のページを見てみなよ」
ぱっくんが何か気になることがあるのか、俺たちにそう促した。
次のページに目を通す。
「預言書とは時の力。預言書を宿す神子は時の力を操ることができ、それを使い世界を導いてきた、か」
記された文章を読み上げて何かを考え込むクレトくん。
そして真剣なまなざしで《永遠剣》を見つめる。
俺も時の力が預言書に関係することに頭を悩ませていた。
《永遠剣》は時の力を振るうことができる剣だ。
預言書と《永遠剣》は何か関係があるのだろうか。
疑問が増えるばかりだ。
すると一応布で隠してはいたが、ぱっくんも俺が気になったようで、じぃっと見つめてくる。
「やっぱりそれは《永遠剣》か」
《永遠剣》が放つ何かを感じ取ったのか、正体を看破されてしまう。
「……ああ」
クレトくんもどうしていいかわからず、とりあえず返事をしていた。
「魔王城からは発見されなかったからね。勇者や魔王とともに消失したものだと思っていたよ」
「だったらどうする?」
「ああ、いいんだ。それは誰のものでもないしね。戦争が終わった今悪用しなければ誰が使おうが問題ないよ」
ぱっくんはクレトくんの殺気を感じ取ったのか、両手を上げて何もしないことを訴えた。
「そうか」
「それにしても、預言書の管理者が実在するのなら案外、彼女にもそういう可能性があったのかもね」
「何?」
「ああ、ごめんね。これはただの憶測。妄想だから気にしないで」
何か気になることを言いかけて彼は話を切り上げた。
若干のもやもやが残るが、あんまり俺が喋るのも、顔を合わせた身としては危なそうなので俺は口を閉じることにした。
その後は特に有益な情報も見つけられず、世間話に花を咲かせるのであった。
『さて……俺たちはもう行くよ』
「そうですか……短い間ですが楽しかったですよおっさん」
「また会える?」
『ああ。今度は普通に人間の体でね』
「では、お二人ともお世話になりました。ぱっくんによろしくお伝えください」
「フン……またな」
やることは終えたので、名残惜しくも彼女たちとはお別れだ。
キツカちゃんやマホツさんのおかげで色々わかったこともある。
あとはショーくんと合流し、情報をすり合わせよう。
そう思いガレリアに乗り込み、村を出ようとしたときだった。
《おっさん! 聞こえますか!?》
『ショーくん?』
タイミングよくショーくんからテレパシーが来た。
だがその声には焦りが含まれてるように思えた。
《緊急事態です……》
「なんだなんだ」
俺たちは顔を見合わせ彼の次の言葉を待つ。
《今すぐ時の神殿に来てください……! 彼女が……》
『……え?』
彼女とは。
大事なことを言いきる前にショーくんは言葉を止めた。
《く、もうこんなところにまで……!》
『ショーくん!』
息を切らし、それっきり言葉を送ってくることは無かった。
俺の声は彼には届かない。
この通話は一方通行のものだ。
「何かあったようだな」
『うん……行こう、時の神殿へ』
「はい」
俺たちは何が起こったのか確かめるため、ショーくんの元へと急ぐ。
再び時の神殿へと俺たちは向かうのであった。




