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おっさんが異世界でチートする話だったのに  作者: 陰キャきっず
新世界3 ハザード・オブ・ザ・デッド
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その5

 そして場面は戻り―――。



「いたぞ!奴らだ!」


「グレネード!」


「くっ、まさかこんな事態になるなんてな……!」


 研究所の地下を目指して進撃していた俺たちだったが、道中謎の黒ずくめの兵士達に襲われていた。

研究所の狭い通路をひたすら走りながら逃げている最中だ。


「あいつら一体なんなんですか!?」


「おおかた、サンブレラに雇われた傭兵でしょうね」


「マジの兵隊ってことか」


 ドンパチが繰り広げられ、もはや敵はゾンビではなく人間になった。


「武装も戦闘能力も向こうが上、どうするよおっさん?」


「ちょ、俺に聞かれても……」


「撃て!」


「ヒィ!?」


 走って逃げている最中、頬を銃弾がかすった。

まるでアクション映画さながらの状況に俺は戦慄していた。


「あそこに隠れるわよ!」


 ケイさんは前方にある部屋を指で示した。


「袋のネズミになるんじゃない!?」


「まともに戦って勝てる相手じゃない。立てこもってチャンスを伺うしかないわ」


「同感だ」


 俺たちはその部屋に入り、扉をロックした。


「ちっ、小賢しい真似を」


「隊長、ロック解除まで少しかかります」


「5分以内に済ませろ。早く脱出しないと俺たちもやべーからな」


「ハッ」


 扉の向こうでの会話を聞き、ここもそう長くは持たないことがわかる。


「く、何とか手だてを考えないと……」


 焦るばかりで考えがまとまらない。


「おいおっさん、コレを見てみろよ」


「こんな時にな……」


 俺はぼっちゃんに呼ばれてそれを見る。

それはどこまで続いてるかもわからないダストシュートとおぼしきなにかだった。


「ちょっと待って……冗談でしょ?」


「地獄への直行便か、はてさてどうする?」


「ケイさんからもなんか言ってあげ……」


「あら、中々スリリングなアクティビティじゃない」


「はぁ!?」


 生きるか死ぬかの瀬戸際で何をと思った。

だが、ぼっちゃんだけでなくケイさんまでそんな軽いノリだった。


「まともなのは俺だけか!」


「アイツら相手じゃ、まともじゃねぇ手段でしか生き残れないだろ?」


「そういうこと。お先に行かせてもらうわ」


「え」


「俺も」


「え」


 二人は躊躇なく奈落へと落ちていった。


 部屋には静寂だけが残った。


「まだ開かねぇのか!」


「あと15秒です!」


 外から怒号が飛ぶ。

どうやら迷っている暇はなさそうだった。


「ええい、ままよ!」


 俺は覚悟を決めて、暗闇の底へダイブした。







「……ハッ!」


「お、目が覚めたみたいだぜ」


「ここは……」


 ダイブした先で俺が目を覚ますと二人が俺を囲んでいた。

周りを見てみると、下水道みたいな所で謎の肉の山が積み重なっていた。


「運が良かったな。アレがクッションになって助かったんだよ」


「アレって……うぷ」


「早く帰って熱いシャワーを浴びたいものね」


 助かったのは心底良かったと思うが、あの肉がなんの肉かは考えないようにしよう。


「じゃ、行くか」


 もう体中ボロボロだったが、俺たちは下水道らしき場所をを進んでいくしかなかった。








 一方その頃―――。



 

「これが、列車の部品かな……」


 謎のロボットからなんとか逃げることに成功した俺は、テキトーなパソコンから研究所内のデータを見た。

そうして何やかんやあって脱出には列車がやはり鍵になることが分かった。


 ので、列車のエラーの原因を調べた結果、部品の一部が壊れており、それを交換すれば直るそうだ。


 あっちこっち探してようやく列車のメンテナンス用の資材が保管された部屋を見つけたのだった。


「あとは列車に戻るだ……ん?」


 目当ての物を手に入れ部屋を出ようとした時だった。

パラララという爆竹がいくつも弾けたような音がかすかに聞こえたのだ。


「もしかして銃声か……!」


 どうやら誰かが戦闘しているらしい。

ゾンビとか、それともまだ見ぬ怪物とか。

それとも……人間同士か。


 とにかく早く戻らなければ。


 俺は走った。


 死にたくない一心で走った。


 スポーツテストの時より早い自信があった。


 しかしだ。


「ゾ、ゾンビがここまで!?」


 どこから湧いて出たのだろう。

白衣を着たゾンビどもが波のように押し寄せてくる。


 どうやら腹をくくるしかなさそうだ。


 俺はゾンビの間を走った。

フェイントを利用しつつ攻撃をかわしていく。


 しかし次はゾンビが壁のように押し寄せてきた。


 通り抜けれそうな隙間は無かった。


 だから俺はジャンプした。

ゾンビの頭を踏み台にさらに大きく上昇する。


 そして壁の向こう側へと降りる。


 プラットホームは目と鼻の先だった。


 俺は広いトンネルへと出た。


 急いで列車の部品を交換する。

そして運転席へと移動し、ガシャコン動かしてみた。


 すると列車はゆっくりと動き出した。

そして追いかけてくるゾンビどもを眺めながら俺は勝利を確信した。

いかなる機関の策略も俺には通用しないのだ。


 





 だが―――。





 ゴンンンンン!!! という何か大きなものが列車に落ちてきた音が聞こえた。


 俺は運転席を出て列車の屋根を覗く。


 そこにいたのはガトリングガンを携えた巨漢のロボットだった。


「ヴォォォォォ!」


 ロボットに似合わぬ雄たけびを上げて俺に照準を合わせている。


 どうやら俺の戦いはまだ終わってないらしい。


 列車が加速していく中、俺の鼓動のリズムも速さを増していった。

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