その9
さて、今日も今日とてうろつこう。
別にメンバー集めを続けてもいいが
ぼっちゃんには試合当日だけの助っ人なら用意できると言われたので
試合中誰かがケガしても大丈夫とのことらしい。
だから、気分転換もかねてどこかへ遊びに行こう。
ということで公園にやってきたぞ。
ん?あれはぼっくんじゃないか。
視線の先にはベンチに一人座るぼっくんがいた。
平日の朝にこんなところにいる
彼は本当に高校生なのだろうか。
リストラを家族に言いだせないお父さんではないだろうか。
もちろんニートの俺が言えたことではないが。
「ぼっくん今日もサボり?」
「あ、おっさん……」
なんとなくだが今日の彼は元気が無いように見える。
「……何かあった?」
「……はい」
「おっさんニートでも話を聞くくらいはできるよ」
ここらで年上らしいことをして尊敬してもらおう。
打算ありきで俺はぼっくんの横に座る。
「ありがとうございます……。たいしたことじゃないんです」
そうやってぽつぽつと話し始めた。
「実は、告白されまして……」
見る目ないなソイツ。
「かわいくなかったと」
「いえ、めっちゃかわいいです」
その子の写真を見せてもらう。
ちょっとボーイッシュな感じでかわいかった。
はーこいつこくめーかんぶちこんだろかな。
「でも、僕の友達もその子のことが好きなんです」
友達いたんだ……おめでとう良かったな。
「友情を取るか愛情を取るか迷ってるんだね」
「そういうことです」
そのどちらも得られなかった俺からしたらぜいたくな悩みだ。
「そんなことで切れる友情なら、それは本当の友情ではないよ」
「おっさん……」
それっぽいことを言ってみる。
青き日々など知らぬゆえ。
「そのお友達を信じてみてはいかがかな?」
「そう、ですね……俺、OKしてみます」
「うんうん」
そして破綻しろ友情が。などとは心の中にしまっておく。
「下井くんの告白を」
えっ。
衝撃のカミングアウトに俺は戦々恐々するしかなかった。
後日、何事もなく無事カップルが成立したとの報告をしてくるぼっくんを
俺と暮人くんは偽りの笑顔でお祝いするのであった。
※ぼっくんがパワーアップした!。
ゆゆ友情ぱわー。
さて、今日もどこかへうろつこう。
普段の練習だけでは若い連中に追いつけない。
そう考えた俺はバッティングセンターに行くわけもない。
もちろん行くのはゲーセンさ。
「おっさん、今日もゲーセンですか?」
チンパンしていると
横に誰かが座ってきて声をかけられる。
「誰かと思えばショーくんか」
ここ最近、ゲーセンでは良く顔を合わせていた。
「たまには練習に来てくださいよ」
メンバー探しをする必要が無い今、良い言い訳も思いつかなかった。
「明日から本気だすって」
「まったく……。タッグ組むんでしょ?」
「話しが早い」
俺たちは対決に使用したロボットゲームで
遊び倒した。
これまでにないくらいの息の合った相方に
俺は前世からの因縁でもあるのかと思った。
まるでお互いのすべてがわかってるかのような
感覚に俺は心地よさを感じているのであった。
「遊び倒しましたね……じゃあ練習しましょう」
そんな話しは聞いてないぞ。
「暮人もぼっくんも頑張ってたし、俺たちも頑張らないと。ねぇおっさん?」
何ということだろう。
彼は、もう十分上手いにも関わらず
まだ上を目指している。
そして何よりあの二人を見て奮起できるとは
人間の出来た男であった。
「わかったよ、お手柔らかに頼むよ?」
「はいはい」
その後、バッティングセンターでショーくんの指導の元
練習するのであった。
※ショーがパワーアップした!。
ゆゆ友情ぱぅわ。




