その1
「ハッ」
目覚めると俺は地面にうつ伏せで倒れていた。
「ここは……ペロッ、異世界!」
反射的に土を舌でなめて現状を把握した。
「よし、じゃあステータスとか見よう」
そう誰に言われたわけでもなかったが
そうしなければいけない気がしたので頭の中でステータス画面なるものを
思い浮かべた。
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色々レベル∞スキル1000個くらい
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「はえーすごいなあ」
パッと見、すごさは良くわからなかったが、全部読む気にもなれなかった。
「見た目は変わんないのね」
死ぬ前と同じ超絶クソブサイク面がステータス画面には映っていた。
そこで俺はハッと気づいた。
「こう誰もいないと独り言が多くなっていかんな」
さみしさを紛らわせるつもりで無意識に
思ったことを声に出していたみたいだ。
「とりあえず近くに村とかあったり人がいそうな気がするから
歩こうか」
きっとそうだろう。
「きゃー助けてー人が死んだわー」
なんだって!それは……。
「大変だ!助け……ない!」
無理。
「きゃー助けてー!」
ごめんね結局人生ってのは。
「命あっての物種ってね」
声がした方から背を向けて去ろうとするとなおも
助けを呼んでいるようだった。
「そこの方ー!助けてー!」
罪悪感が沸いてきた俺は精一杯の謝罪をすることにした。
「悪いね☆」
「死ねハゲ!」
何を言っていたかは聞き取れなかった。