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おっさんが異世界でチートする話だったのに  作者: 陰キャきっず
LAST NEW WORLD      スーパーイセカイ大戦N《完結編》
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第十一話 赤い鬼神

 小説を書くのって……難しいね(日付を見て爆発)


 最近ホワイトアルバムの季節がやってきたと思ったらもう過ぎてたことに驚きを隠せません。

何年かぶりに2やってたんですけどドロドロとした恋愛話はしんどいけど面白いですね。

迫真の演技に歌BGMの入り方が絶妙で感動がすごい。あと、かずさ派です。

「マホツ? 調子はどう?」


『《アー・カイブ》の修復はほぼ終わっています。問題はそれを扱える人がいないことですね」


 俺は今後の相談のために、拠点内のケイさんに用意された部屋の前まで来ていた。

だが、何やら話し声が聞こえる。


「それも複座型なんだっけ」


『ええ。単独で動かせないこともないですが、何分戦闘中にも微調整が必要なほどデリケートな機体ですから、性能を15%ぐらいしか引き出せないでしょう」


「それなら乗り慣れた《ツエー》の方がましね」


『ミカータにはパイロット適正がある人は少ないですし、いざという時の保険としておきましょうか』


「そうしましょう」


 いったん話が区切られたようなので、俺はノックをしてから部屋に入る。


「何してるんですか?」


「鴉さん」


 ケイさんが話していた相手、それは機械から映し出された立体映像だった。


「すごいですね、通信装置ですか?」


「ええ。シティの技術はなるべく人に見せたくはないんだけど……あなたならいいでしょ」


 本来なら秘匿されるべきものらしい。

が、信頼を勝ち取った俺には関係が無いようだ。


『こんにちわ。初めまして、マホツ・カイです』


 映像越しに挨拶をしてくるのは、美人でびっちゃんにとても似ている人だった。

白衣を着ていかにも博士という風貌だ。


「どうも火消しの風、鴉と申します」


「アハハハ面白い自己紹介ですね」


 良い人だ。


『キツカから話は聞いてます。かなり面白い方だと』


「いい意味であることを祈るよ」


 それから世間話をしたり、NBについての話になったりするのであった。 











「ホームラ大丈夫?」


「ああ。問題はあああああ!?」


「ホームラ大丈夫?」


「大丈夫だ、問題ない」


「それ問題あるときのセリフでしょ」


 私は大怪我をした騎士団団長、焔のホームラの包帯を替えていた。

しかし、あのホームラが痛みに耐える様を見ると心配になってもくる。


「これでは団長としての面目が立たん」


「多分もう丸つぶれてるよ」


「え」


 私の言葉にホームラはかなりショックを受けていた。

しばらく口を開けて呆然としていた。


 そして数分が経ち、元の表情にもどったホームラがゴホンと咳払いをする。


「出張ご苦労だった」


「うん。疲れた」


 ねぎらいの言葉をかけてくれた。


「けど、行ってよかった」


「そうか」


「怪我、早く治して」


「今回ばかりはそうも言ってられん」


「……そう」


 やはりお互い口数も言葉も少なくなる。


 けど、私たちはこれでいい。

想いはたしかに伝わっているはずだ。


「助かった。ではな」


「うん。無理しちゃだめだよ」


「それはお互いな」


 包帯を巻き終わり、用も済んだので別の仕事に出かける。


 けど、ホームラも同じように病室からどこかへ行こうとしているのを見て、やれやれと少し心配になるのだった。






 騎士団NB用訓練場。


 そこではNBが響かせる轟音と阿鼻叫喚が広がっていた。


「ほら! 動きが単調になってますわよ!」


 青い《テン・プレ》が2機の灰色の《テン・プレ》を追い詰めている。

灰色の方は手も足も出ず剣をぶんぶん振り回すしまつだ。


「ぴえ~ん! この四天王さんこわい~!」


「泣き言は言わないでくださいカワ!」


 それぞれ2人は一般兵士の中から抜擢されてNBパイロットになった。

しかし、訓練を初めて数日経つ彼らは未だに青い《テン・プレ》を操る四天王の水のスイに、一発たりとも攻撃を当てることができない。


「判断が遅い!」


「うぎゃあああああ!?」


「おわああああ!?」


 ぴょーんとギャグのように吹っ飛ばされていく2人。


「ガリー! カワー!」


 それを見て思わず叫びだす、もう1機の灰色の《テン・プレ》パイロットのイケ。


「よそ見をしているひまは無いぞ!」


「くぅ!」


 イケの相手をするのは炎のエン。

朱い《テン・プレ》はこれまた一方的にイケを壁際まで追い込んでいく。


「ユクゾ! ユクゾ!」


「激流に身を任せどうかしてる……!?」


 永パコンボに入り、ぐわんぐわんと揺らされるコックピットで悲鳴を上げるイケだった。


 しばらくして新人たちは休憩に入った。

ぜえぜえと地面に這いつくばる3人を見つめるエンとスイ。


「はあ、こんなのでも平均適正値を大きく超えているのですから驚きですわね」


「そうだな」


 悩ましさに頭を抱えるスイの後ろからNBの足音が聞こえてきた。

その音に振り返ってみると、そこには観戦していたはずの火のカの赤い《テン・プレ》がいた。


「あいつの拾い物だ。鍛えれば俺らレベルとは言わないまでも強くなるはずだぜ」


 そう豪語する火のカに、まあ、と言葉をこぼすスイ。


「随分信頼してますわね」


「一緒に戦った仲ならわかるだろ?」


 火のカは剣を構えてスイの言葉を待つ。


 スイもそれに答えるように機体を前に出した。


 それを把握したエンは機体を下がらせる。


「否定はしません、わ!」


「シッ―――!」


 巨大な剣と剣がぶつかり、カァン! と甲高い金属音が響き渡る。


「期日までに《テン・プレ》の性能を100%引き出してみせます!」


「100%じゃ足りねえ! 120%だ!」


 鬼気迫る戦いを繰り広げる2人を見ていた新人たちは、それぞれまた自らの機体に乗り込んでいくのであった。










 ミカータ王国、NB研究所。



『帝国にはNBへの適性がある者はいるけど、キツカ程の者は1人もいないようだわ』


「うーん……やっぱりパイロットは見つかりませんか」


 椅子に座り王国兵士たちのデータを見ながら私はため息をつく。


 せっかく手に入れた古代のNBも扱う人間がいなければ宝の持ち腐れだった。


「ありがとうございますケイさん。鴉さんも」


『いや、お役に立てず申し訳ない』


『あなたも無理して倒れないようにね』


「はい。ではまた後日」


 遠く離れた帝国にいる仲間との通信を切り、さらにため息をついた。



「博士、ここの設定なんですが……」


 考える間も無く、所員に呼ばれ席を立つ。

最近は遺跡調査も終わり潤いが少ない。


 肉体的に疲労しても精神が潤っていたのでなんとか仕事をやってきたが、世界も自分も切羽詰まってきて疲れを感じていた。


「はいはいどれどれ~」


 だが、そんなことはおくびにもださない。


 自分から見てもマホツ・カイという人間は王国にとって重要な人間だ。

今は国のため踏ん張るときだろう。


「えーとそれはもう少し地形による接地圧を考慮して……」


 そう説明をしている最中だった。





 大きな爆発音がそれをさえぎったのだ。


「な、何事ですか!?」


「大変です! 天使が現れました!」


「何ですって……!?」


 大規模な作戦の準備の最中だ。

襲来を想定はしていたが、実際来ると焦りも浮かんでくる。


「こんな時に……! NB部隊! 出撃要請!」


「ハッ!」


 私は部下に命令して、状況の把握のため外へ出る。


「相手もなりふり構ってはいられないってことですか!」


 イラつきながらも外に出ると、遠くでは多数の天使と、見たことも無いタイプの天使がNBと戦闘中だった。


『マホツ博士!』


 そんな時通信機器から声がした。


 操作して立体映像を表示させると、そこにはシティの代表が映し出される。


「おやっさん! ラルカンシェルの整備まだ終わりませんか!」


『後一時間……! いや、50分持ちこたえてくれ!』


 向こうも慌ただしく準備に奔走している様子だった。


 だが、こっちは帝国に比べればNB部隊も貧弱と言っていい。


「簡単に言いますね……!」


 しかしこの場を凌げば増援が来てくれる。

今は、それにすがるしかなかった。


 私は通信を切り、例のNBへと駆けだした。


「博士! どちらへ!?」


「後の指示を頼みます! 詳しくはそこの計画書に!」


「な、戻ってください! 無茶だ!」


「無茶でも何でも!」


 所員の声も無視して、《アー・カイブ》に乗り込む。


 電源を入れ、コックピットを閉じるとモニターには視界が表示される。


「シャッター開け!」


 閉じていたシャッターを開けさせると、私は慎重に歩き出す。


「マホツ・カイ! 《アー・カイブ》出ます!」


 外に出てブーストジャンプで天使の元まで一気にとんだ。


「操縦はあんまり得意じゃないんだけど……!」


 グラグラと安定しない機体に不安を感じる。

調整役として《メイガス》に乗ってはいたものの、NBの戦闘技術は並み程度だった。


 現場では指揮官機が破壊され、無残にも転がっている。


「各機聞こえますか? こちらマホツ・カイです」


 バラバラに戦っているNBをまとめるため通信をいれた。


「A隊は城壁に近づく雑魚を! B隊は城壁から狙撃してください! C隊は私と連携を!」


「了解!」


 何とか態勢を整えていく。

私も《アー・カイブ》の光波剣を構え、天使の群れへと突撃するのであった。







「ボアアアアア!」


「うわああああ!」


「あ、あかちゃん! こんなところで……!?」


 一般天使はらかた殲滅した。


 だが、上位個体、やつらの言い方では中級のNAと言ったやつは相当強い。

《ムソ―》2機があっという間に倒れていく。


「《ムソ―》じゃ相手にならない……!」


 操縦技術もあるだろうが、天使の動きに対してNBが追いつけない。


 私は仕方なく《アー・カイブ》を突進させた。


 いくら十全に力を発揮できないとはいえ、《ムソ―》より断然性能は上だ。


 だが、イノシシに似た姿の中級NAのパワーとスピードに追いつけても、急な動きへの反応ができなかった。


 なかなか決定打を与えられない。


「く、私じゃこの機体は扱えないって……!」


 じりじりと詰められていく感じがする。


 技術畑の私では戦士のようにはいかないのか。


「ボアア!」


「きゃあ!」


 やがて盛大に一撃をもらい、機体が吹っ飛ばされる。


 ガガガ! と大地を削り滑っていく。


「ボアアアアア!!!」


 そこに詰めの一手が迫ってきた。


(やられる……!)


 私はおもわず目をつぶった。


 



 だが、来るはずの衝撃が無かった。


「……え?」


 不審に思い、目を開く。


 そこには、紅い《ムソ―》が私をかばうように立っていた。

予備で倉庫に眠っていたはずの《ムソー》だ。


 味方が乗って駆け付けてくれたのだろうか。


 だが、それはおかしい。

だって王国にはパイロットなんてごく少数しかいない。


「一体誰が……?」


 疑問に思うのも一瞬。


 天使はいったん距離を離すためにスピードを上げながら旋回している。


 だが、それを追うように紅い《ムソ―》が駆けだした。


「やめなさい! うかつに近づいては―――」


 《ムソ―》の装甲では一発くらえば致命傷になりえる。

止めようと声を上げるが、なおも《ムソ―》は止まらない。


 しかし、想定とは裏腹に無駄のない動きでNAの足をたやすく切り裂く《ムソ―》


「ブモオ!?」


「はっ―――?」


 その光景にあっけにとられる。


「嘘……」


 だってあの今では旧式の《ムソ―》だ。


 《テン・プレ》ならまだしも、あの機体であれだけ戦えるのは異常なことだった。


「ハ―――」


 さらにジャンプして一撃を叩き込んでいく。


 結構なダメージが入ったのかNAの動きが鈍っていくのがわかる。


 そして混乱する私をよそに、さらに爆発音が広がった。


「いったい、何が……」


 起こったのだろうか。


「まさか……敵の増援!?」


「いえ、大丈夫ですよ」


 私のつぶやきに反応するようにスピーカーから声が入ってくる。


 それは紅い《ムソ―》から発せられたものだった。


「ッ、あなた、どうなって―――」


 色々聞きたいことがあるが、まずは何者か確かめないと。


 そう思った時だった。


『遅くなったな! 嬢ちゃん!』


 さらに通信が割り込んできた。


 その声は数十分前にも聞いた声だ。


「おやっさん!」


『そっちに先に援軍を送った! ラルカンシェルもすぐに追いつくぞ!』


 レーダーとモニターを確認すると、そこにはシティのNBツエーがライフルで援護射撃をしてくれている。


「よし! 各機増援部隊と連携して敵を叩け!」


 その後、増援部隊の助力もあり、中級NAも倒すことに成功する。


 今回の襲撃も何とか乗り切ることができたのであった。








 戦闘が終わった。


 しかし、文字通り無双したあのNBが懸念事項として存在する。


「そこの紅いムソー! 聞こえてますか!」


 とりあえず話しかける。


 あれほどの技術を持つ騎士は世界的に見ても異常だ。


「……ええ」


 返事が来る。

そのことに多少驚きはしたが、冷静に私は問いかけをつづけていく。


「一体何者ですか?」


「永遠を持つ者……それだけです」


 何言ってだこいつ。


 しかし、ミカータに住むものとしては聞き捨てならない言葉が飛び出す。


「永遠……ミカータに伝わる英雄のことですか?」


「……っぱり……そういうわけだったのか」


「? 質問をしているのはこっちです。ちゃんと答えてください」


「すみません、ちょっと急いでいるので!」


 要領を得ない解答を残し、通信がぶつ切りされる。


「ちょ、ちょっと!」


 私は慌ただしく《ムソ―》に駆け寄り、コックピットの前に《アー・カイブ》をつける。


 自分も外に出てムソーのコックピットを開けるが……。


「いない……?」


 中には誰もいなかった。

何と不可思議なことか。


「博士! よくぞご無事で……!」


 私は駆け寄ってきた騎士に気付いてそっちを向く。


「いえ、今回は奇跡に助けられました」


「はっ……?」


 なんのこっちゃわかっていない騎士をよそに、謎が増えていくのだった。

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