第十話 集え、星の光
某なろうアニメにやっとOPがつきました。
よかったこれで解決ですね()
なろうと言えば異世界かるてっと2、作品を越えて仲のいいキャラたちを見てるとなんかいいですね。とくにオバロのデミウルゴスとこのすばのカズマが仲良さげなのがなんかおもしろいです。
あと盾さんスパロボの機体だけ参戦みたいになってません?
「ママ―!」
「父さん! 目を開けて!」
「痛い……! 痛い……!」
目の前に広がる光景の痛々しさに目をそむけたくなる。
家屋は倒壊し、けが人がそこかしこに存在していた。
もはや首都にかつての面影は無かった。
「……」
言葉も出ない。
ただ、自分の無力さに震えるしかなかった。
「最悪の事態になってしまったな」
「ホームラ」
すると、隣にホームラがやってきた。
「あの光が街を焼く光景を見ると、我々が勝てる相手ではないのかと思えてくる」
あのホームラが弱音を吐いている。
どこまでも冷静で希望を捨てなかった彼がここまで打ちのめされているのは初めて見た。
「と、我々四天王だけならば思っただろうな」
だが、憂いを帯びた顔はすぐに消え去った。
すぐにいつもの強面になる。
「ひと月ほど前に現れたうぬが騎士になり、そしてお主が見つけたキツカも仲間を作って帰ってきた」
真面目な顔で俺を見つめるホームラ。
「きっと何とかなる。そんな風に思えて仕方がないのだ」
そんなふうに思っていたのか。
しかし、過大評価しすぎではなかろうか。
「買いかぶりすぎだよ」
「そうか? お前は今まで何度もこの国の危機を救ってきた。だとしたらあのような脅威もお前になら……」
「ホームラ……」
なおも褒めまくるホームラに、俺はやってみせる、なんてかっこいいことは言えなかった。
それがどうしようもなく悔しく思ったのだった。
「鴉さん」
「キツカちゃん」
俺が拠点の屋上で黄昏ていると、今度はキツカちゃんがやってきた。
彼女の顔もどこか暗く見える。
「元気……じゃないよね」
「君もね」
俺の雰囲気を感じ取ったのか、ゆっくりと横にやってくる。
こうして2人で話すのはいつぶりだろうか。
数分、静寂が場を支配する。
「《メイガス》だっけ。すごいね、あんなNBが存在したなんて」
ちょっと沈黙に耐え切れなくなったので、俺から話題を振ってみた。
「マホツが言ってた。ブックマーク・ドライブは普通のNBのとは比べ物にならないくらいの力を秘めているって」
「ああ、例の博士ね」
「それに、想いの強さがあれば、世界のどんなに遠いところにも一瞬で転移することができるの」
「それは……すごいな」
「あんまり連続では使えないけどね」
《プロトタイプ・ムソー》も性能にすごく驚いたが、彼女が操ってみせた《メイガス》はもっとすごかった。
ブックマーク・ドライブとやらは人智を越えた力を持っているのかと驚愕するしかない。
そんなヤバい兵器に乗っているキツカちゃんも規格外だと思った。
再び話題が途切れる。
だが、キツカちゃんも何か言いたいことがあるのか、何かを言おうとしてはやめる、というのを繰り返している。
トイレか?
「ねぇ鴉さん」
「ん?」
やっと口を開いた。
「このまま2人で……」
何かを言いかけてくちをつぐんだ。
「……」
何を言うのか。
「ううん、なんでもない」
ないんかい。
だが、彼女も不安なのだということは伝わってきた。
それほどあの戦いのダメージが大きいということだった。
騎士団拠点。
会議室で四天王たちが今後の方針を話し合っていた。
「今、国民は疲弊している。兵たちの士気もだ」
焔のホームラが現状を説明している。
もともと天使による襲撃が続き、民と兵ともに活気があるとはいえなかった。
そんな時に起こったNBによる襲撃。
大勢の人間が死に、怪我を負った。
「次、攻められるようなことがあれば、この国に未来はないだろう」
部屋の空気がさらに重くなる。
炎のエンは低くうなり、火のカは机を指でトントンと叩き続けている。
「じゃあどうするんですの?」
沈黙を破ったのは水のスイだった。
常に高潔で冷静な彼女であったが、めずらしくイライラした様子でそう質問する。
腕を組み、熟考する焔のホームラ。
「打って出るしかあるまい」
出てきた言葉に3人は少し驚く。
「だが、敵の居場所もわからんのだぞ。どうするというんだ兄上」
弟である炎のエンにそう言われ、何も言葉を返せない焔のホームラ。
エンは根拠のない発言をする兄を心配そうに見つめていた。
「それについて、私から話があるの」
すると、突然ドアが開いた。
入ってきたのは戦闘服にマントを羽織った女性であった。
「うぬは……たしかケイ・サッカンと言ったか」
「初めまして、四天王さん。シティからの使者よ」
よろしくね、と指で挨拶する。
「それで、何があるというのだ」
「敵の本拠地を叩く作戦……興味は無くて?」
「なに!?」
至って真面目に、とんでもないことを口にするケイ。
それを聞いた面々が驚愕の声を上げる。
「シティが保有する最大戦力、巨大航空艦ラルカンシェル。それがあれば敵の居場所を特定できるかもしれないわ」
「本当かよ!」
火のカは思わず椅子から飛び上がる。
皆、火のカほどではないほども、体が反応していた。
「けど、これが壊れればシティも、この世界も終わってしまうでしょう。総力戦になるわね」
「失敗は許されない、か」
「だから、協力する条件があるわ」
「それはどんな?」
「ふっ――」
協力する条件を話すケイ。
それを聞いた4人は首をかしげるのであった。
「それで……なんで俺と戦いたいと?」
「一緒に戦う仲間としては、実力くらい把握していたいのよ」
自然な流れでバトルへと発展していく。
訓練場で互いに構え合う俺とケイさん。
戦場では機体越しに顔を合わせたが、こうして面と向かって話すのは初めてだった。
「理屈は分かるけど」
「さ、どこからでもかかってきなさい」
あんまり納得がいってない俺と違い、彼女はやる気がすごかった。
というか銃構えてんだけどこの人。
「そうかよ、なら遠慮なく」
俺も覚悟を決め、拳を強く握る。
「ハッ」
気を足に溜め、それを爆発させるように地を蹴る。
一瞬で距離を詰めた俺は掌底を食らわせようとするが―――。
読まれていたかのようにひらりと躱される。
そして足をひっかけられ、俺は前のめりに盛大にこけた。
「どうしたの? 鴉さん。だらしないわよ」
「くっ」
息を切らさず余裕のケイさん。
俺はすぐに立ち上がり攻め込んでいく。
拳と銃が入り乱れる。
何とかジグザグに動き、銃弾を回避していく。
やがて弾が切れたのか、弾倉を交換しようとしていた。
「! そこぉ!」
俺はそれを好機とみて、飛び上がり蹴りを繰り出す。
「ハッ!」
だが、それは銃を手放し、どこからか取り出したナイフによって防がれてしまう。
うまく力を逃がすようにガードしていた。
俺はごろごろと地面を転がっていく。
「銃しか使えないと思った?」
攻撃を防いだことに笑みを浮かべるケイさん。
だが、それはミステイクだ。
「いや……俺の勝ちだ!」
「なんです―――」
俺は彼女が放り出した銃と弾倉を素早く拾っていたのだ。
弾を素早く交換して銃を突きつけた。
「……なるほどね」
この距離を瞬時にはかわせまい。
彼女はナイフをしまい、両手を上げた。
俺の勝利に終わる。
「これで満足したかい?」
「そうね」
何かを納得したのか、彼女は笑みを浮かべていた。
「どうだ? 希望とやらは見つけられたか?」
「ええ。約束通り協力しましょう」
「フッ……よろしく頼む」
俺たちのバトルを見ていたホームラと何やら分かり合っていた。
「……???」
俺は何だかよくわからないもやもやが残った。
一体何だったのだろうか。
「―――以上が作戦の概要だ」
再び会議が行われた。
今度は俺とキツカちゃん、ケイさんも会議に参加している。
ホームラから語られた作戦。
それはシティの兵器を使い、天使たちを操るあのNBの本拠地を叩くという内容だった。
ラルカンシェルという兵器には次元の隔たりを解除する力があるらしい。
「……四天王無しで帝国の守りは大丈夫なのか?」
だが、帝国の戦力のほとんどをこの戦いに持っていくと言われ、俺は心配になってホームラに確認を取る。
「《テン・プレ》はすでに10機ほど量産されている。我々の分を引いた残りの6機を精鋭部隊に渡すことにした」
「そういうことなら……」
いいのだろうか。
一般騎士はあんまり役に立ってないイメージがあるのだが。
「それにどのみち成功しなければ全てが終わるのだ。捨て身になるしかあるまい」
「そうだな」
この戦いですべてが決まる。
なりふり構ってはいられないということか。
「ケイさん、ラルカンシェルはいつごろこっちへ?」
「早くて一週間と言ったところかしら」
「ふむ……ならそれまでに物資をそろえておかねばな」
「新型にも慣れておきませんと」
「訓練なら付き合うぜ」
「ええ、お願いしますわ」
各々が自分がすべきことを探し、協力し合っていた。
「各自、自分にできることを全力で頼む」
「了解」
皆、声をそろえて気合を入れる。
戦いの終幕は近い。
だが、本当の戦いはこれからなのだということを、俺は知ることになるのであった―――。
「ここがゼロ世界か」
荒野に少年が立っていた。
黒衣に身を包んだ黒髪の少年は1人そうつぶやく。
「なんだか懐かしい気がするよ」
その声に反応する者がいた。
少年が振り返ると、そこには同じ年くらいの少年が歩いて来ていた。
「お前は……そうか、お前も別の世界から召喚されたのか」
「へえ、少し雰囲気が違うと思ったけど君もかい?」
お互い、何かを悟ったのか、勝手に分かり合う。
「記憶が統合されているが、ベースとなった世界が違うようだ」
「ああ、そうみたいだね」
そう話す2人の顔はどこか旧知の間柄のように和やかだった。
「それにしてもまたあの人がらみか」
「フッ、腐れ縁と言うやつだ」
「そうだね。僕もそう思う」
お互いが懐かしむ人物が同じのようで、2人は笑い合っている。
「さて、行くか」
「うん」
初めて出会ったはずの彼らは同じ歩幅で歩きだす。
少年は荒野を歩く。
ただ1つの目的のために。
雪が降る大地で、1人空を眺めている少女がいた。
彼女のは何かを楽しみにするかのように笑みを浮かべている。
「待っていてください、おっさん」
1人誰かを想い、言葉をつむぐ。
「今、会いに行きますから」
その少女の顔は、次第に決意に満ちたものへと変わっていく。
そして再び歩き出すのであった。
上も下も無い、真っ暗な空間に青年が浮かんでいる。
出口もわからないこの不可思議な空間で眠るように漂っていた。
しかし、ゆっくりと瞳を開けていく。
「さあ……最後の絆を紡ごうか」
青年が手を前にかざすと、光が体を包み込んでいく。
すると、彼は白銀の巨人の前に立っていた。
見渡す景色はすでに真っ暗な空間から緑あふれる大地へと変わっていた。
始まりの世界と呼ばれるこの世界に、新たな風が吹こうとしているのであった。




