第九話 敵との対峙《後編》
自分が決めた締め切りさえ守れない男! スパイダ―マッ!
反省します。
そういえばこの前FF全投票で10がザナルカンドにてで音楽部門一位、作品部門で一位と10好きな私は大いに震えました。色々とエモかったです。
あと地上波でやっぱつれぇわ流れてなんかおもs……感動しました。
まぁFFは全部神ゲー(もあるよ)なんでどれが一位でも納得したかもしれませんが。
「何ですって!? それは本当なんですか!」
急遽帝国から入った連絡を聞いて、マホツは大声で叫んだ。
「どうしたんだい?」
それを聞いて駆け付けたぱっくんがマホツに声をかける。
「それが……帝国でNBが暴れているそうで……!」
「大変じゃないか!」
その報告を聞いた周囲の人々がざわめきだす。
「やばいですよ! あれとまともにやり合えるのは《メイガス》くらいです!」
マホツのその言葉を聞いたキツカの顔がみるみるうちに青ざめていく。
「早く助けに行かないと!」
急いで《メイガス》に乗り込もうと機体を駆け上がっていくキツカ。
だが、それをケイが止めた。
「待って。全速で行ったとして間に合うの? それに《メイガス》をフルで飛ばしてもたどり着くころには推進剤が切れるわよ……」
現実を諭すように静かな声で語り掛ける。
しかし、なおも意志を引っ込ませない様子のキツカ。
「あそこには!」
いきなり大声を上げたキツカに周囲が息をのんだ。
「あそこには……あの人が……!」
震える声で絞り出した言葉を聞いて、ケイは何も言えなくなる。
「キツカ……」
「……」
わずかな逡巡の後、ケイは小さくため息をついた。
「わかったわよ。本当なら教えたくはないんだけど……」
「ケイ?」
ケイはその様子を見ていたマホツに向き合う。
「マホツ……ブックマーク・ドライブにはもう一つ機能があることは知ってるかしら?」
「なんですって……?」
ケイの発言にマホツが目を見開く。
帝国の存亡を決める戦いは未だに続いているのであった。
「があああああ!?」
黄金のNBの猛攻を受けた《プロトタイプ・ムソ―》が吹っ飛ばされていく。
その衝撃に思わず叫び声をあげてしまう。
「フン……この程度か。たかが《ムソ―》ごときで粋がりおって……」
「くそ……《プロトタイプ・ムソ―》でも敵わないなんて……」
大きな足音を響かせながら俺に近づいてくる。
このままでは俺が立ちあがるより先にやられてしまう。
「上級NAを倒したのもまぐれか。今止めを刺してやろう」
もぅマヂ無理。
どぉせゥチゎ遊ばれたってこと。
「させっかよ!」
「ぬっ」
「カ!」
そこに颯爽登場銀河美し……いや、違うな。
だが、彼が割って入ったおかげで俺も立て直す時間を得た。
「鴉! ここで終わりじゃねえよな!」
「ああ!」
共に並び、敵と対峙する。
最近彼との共闘が多い。
いける。
「しぶといやつだ!」
だが、圧倒的性能差、戦闘力の前に、2人がかりでも止めることはできない。
化けもんだろ。
そしたら! さらに増援が現れる。
高速で飛来するボルトが敵のNBに当たり、若干よろけさせた。
「ぐっ……!」
飛んできた先には炎のエンの朱い《ムソ―》がクロスボウを構えていた。
「そうだ! 我々は帝国四天王!」
「エン!」
さらにロングソードを構え、スラスターを噴射させながら加速するスイの青色の《ムソ―》の姿があった。
「この国は私たちが守りますわ!」
勢いのまま突っ込んでくる2人。
だが、その機体は全体的にボロボロだった。
「スイまで!? そんな機体じゃ無理だ! 下がれ!」
「帝国がダメになるかどうかがかかっているのだ!」
「やってみる価値はありますわ!」
なおも突撃をやめない。
「やめろ!《ムソ―》じゃ持たない!」
俺の心からの叫びも聞かず、間もなく敵と接触する。
「はああああ!!!」
「はああああ!!!」
すがすがしいまでの直線的な攻撃。
それを目の当たりにした黄金のNBは回避すら不要とそこに立ち止まった。
「愚直な攻撃だな!」
やられる―――。
そう思った時、奇跡が起こる。
「なっ―――」
黄金のNBが驚きの声を漏らす。
2人を斬り裂こうとした手刀はエンのみに直撃した。
そしてエンは機体を切り裂かれながらも剣を振り下ろしていた。
スイの《ムソ―》は右足が爆破し、バランスを崩したおかげで奇跡的に攻撃を回避する。
倒れこみながら剣を横に払う。
「でやああああ!」
「はあああああ!」
「ぐぉ!?」
2人の攻撃は無傷だった黄金のNBに相当なダメージを与えていた。
その衝撃にズザザと後ろに押されていく。
「よくも《フロウ・チャート》に傷を……! 人間風情が!」
《フロウ・チャート》
それが黄金のNBの名前か。
喜びもつかの間、すぐに前に出た《フロウ・チャート》の蹴りによってエンの機体が家屋につっこんでいく。
「エェェェン!!!」
「貴様も!」
さらに地面に転がったスイの機体を続けざまに蹴っ飛ばした。
「スゥゥゥイ!!!」
「貴様も!」
ついでに火のカ操る《テン・プレ》もパンチで吹き飛ばされていく。
「ぐわああああ!?」
「カァァァ!!!」
「貴様もぉぉぉ!!!」
「ぐほわうえべらぁあぁ!?」
そして最後に俺もアッパーで空中に投げ出される。
「遊びは終わりだ! この街ごと消えろ!」
さらに敵は黄金の翼を大きく展開させ、中央の宝石のようなパーツに光を収束させていく。
あれほどのエネルギーなら街を消すこともできるだろう。
「ぐ……」
万事休すか……。
「死ねよやああああああ!!!」
そして発射されたごんぶとビーム。
蒼い光の奔流が俺たちを消し飛ばそうと迫る。
「こんなことで―――」
俺は操縦桿を握りしめたまま何もできない。
「こんなことで俺は―――!!!」
それでも、闘志だけは消さなかった。
もうダメかと目を閉じたその時―――。
バシュウウウウン!!!
という聞いたことのない音が大きく響いた。
大気を震わせ、ビームが何かによってせき止められている。
「な、なんだ!」
「この反応は……! まさか!」
そして放たれたビームは、最終的に敵へと跳ね返った!!!
「ぐわああああ!?」
その直撃を受けて敵は盛大に倒れこむ。
一体何が起こったのか。
そんな風に思っていた時、オープンチャンネルで通信が流れてくる。
「―――っさんはやらせない」
聞こえてきたその声はなつかしく、そして俺の胸を熱くさせる少女の声。
「今度は私が―――守る!」
目の前に現れたのは見たことも無い蒼くかがやくNBであった。
「何とか成功したようね」
「うん。間に合ってよかった」
「そこの機体……キツカちゃんか!?」
ギリギリ間に合い、鴉さんを助けることができた。
操縦桿を握る手にさらに力が加わる。
かなりの距離を転移したが、体に異常はない。
良かった。
「鴉さんは下がってて」
「へい」
私はボロボロになった鴉さんを下がらせ、シティで戦ったやつとは違う黄金のNBに向き合う。
あいつと同等のプレッシャーがひしひしと機体越しに伝わってくる。
「貴様か、ギャークバーリのお気に入りとやらは」
「そういうあなたは?」
「フン、その手で聞きだしてみるんだな!」
会話も早々に切り上げ、翼を大きく広げこちらに踏み込んでくる。
「来る!」
私は後ろに乗っている同乗者に合図を送る。
「サイコフィールド展開!」
「何!?」
そして相手の攻撃は《メイガス》が展開させた球体のバリアによってガードされた。
「これほどのサイコパワー……この時代にお前のような者がいるとは!」
「遅い!」
攻撃が弾かれ、体幹を崩した黄金のNBの隙を突くために《メイガス》の武装、メイスロッドを振り下ろす。
「舐めるな! 雑兵がァ!」
だが、素早く体制を整えた黄金の機体にすんでで躱され、カウンター攻撃を食らってしまった。
「きゃああああ!」
「アツクナライデ、マケルワ」
イントネーションがおかしくない?
「ぐっ……わかってる」
だが、熱くなりすぎた頭を冷やすには十分な言葉だった。
「あなたが天使の親玉なんでしょう! なぜ人類を滅ぼそうとする!」
「言ったところで理解できまい。この次元をあるべき姿に戻すだけだ」
戦いながら話を展開させていく。
「次元? あるべき姿?」
「何を言っているの……?」
よくわからないが上から目線なことは確かなようだ。
「最高神の加護から外れた世界など……誰も求めはしないのだ!!!」
猛攻を凌ぎながら反撃の機会をうかがう。
「ごちゃごちゃ……」
そして、敵の攻撃パターンをつかめてきた。
次の一手を読み、敵へ一撃を叩き込む。
「うっさい!!!」
「ぐはっ……!?」
読み通り攻撃がヒットした。
それなりの重さのロッドメイスのおかげで敵はのけぞった。
いける―――。
後ろで機械を操作するケイをちらりと覗き見る。
マホツは王国の要人。
帝国の危機とはいえ、簡単に連れてこられるような人物ではない。
そんな時私についてきてくれたのがケイだった。
「マホツってこんな複雑なパラメータを操作してたの?」
「よくわかんないけどそう」
「ホント、シティの技術者顔負けね」
「ケイもよくやる」
そう言いながらも、《メイガス》の力をここまで引き出せているのは、彼女のおかげだった。
「貴様ぁ……」
ふらりと後ろに倒れこんでいく敵。
「もう一発」
すかさず追撃しようとしたその時―――。
「今のは……」
倒れるはずだった敵はすんでで踏みとどまり、黄緑色の炎が機体全身から噴き出した。
そしてそのままばねのように勢いをつけて立ち上がってきた。
「当たってやったのだ!!!」
「なっ―――」
黄緑色に輝くオーラを放つ手刀が《メイガス》に突き刺さる。
サイコフィールドのおかげで深く損傷せずに済んだが、今の一撃でそれを展開するエネルギーがゼロになった。
ひやりと、額から汗が流れていく。
ここから先は攻め込むのが難しくなった。
「キツカちゃん!」
俺は安全な位置でその戦いを見ていた。
まるで神話のように壮絶な戦いに圧倒されていく。
青いNBを覆っていたバリアみたいなのが消えていったのを見て、思わず声を上げた。
「ちっ……あんな戦い……入っていけるわけねえだろ!」
俺の横で立ち尽くす火のカも、顔は見えないが相当悔しそうにしているのがわかった。
「カ! 動けるなら民間人の救助へ!」
「くそが……! 了解!」
なんとか脱出していたエンが地上から命令を出す。
それを聞いたカは急いで瓦礫をどかす作業に入る。
俺は俺で気を伺っていた。
「これでトドメだ!」
だが、ヤバそうな一発がキツカちゃんをつらぬこうとしているのを見て、俺は気づけば前に出ていた。
「させるか!」
「ちっ、ポンコツごときが!」
何とかタックルでそれを妨害する。
だが、すぐに俺に向かって格闘攻撃を振ってきた。
やばい……だが!
「かわせええええええ!!!」
俺は自ら禁じていた大容量スラスターによるクイックブーストにより、瞬間的に移動した。
何とか攻撃を回避する。
だが、骨がバラバラになりそうな痛みをもたらすGが俺を襲う。
「すごい……」
「今なら!」
それを好機と見たキツカちゃんが淡い光を機体から発生させる。
「サイキックサンダー!」
「がああああ!?」
キツカちゃんが生身でよく使う超能力を機体を通じて、何倍もの威力になって《フロウ・チャート》へ直撃する。
「おのれ……!!!」
「見たか! 俺の超ファインプレー!」
「うん」
俺は内心の苦痛を隠しながら、キツカちゃんにドヤ顔する。
「動きを合わせよう! コンビネーションアサルトだ!」
「わかった!」
「ぐわあああああ!?」
そしてそのまま合体攻撃でダメージを加速させる。
さまざまな武装と2人のコンビネーションが激しく敵を翻弄する。
さらにとどめの一撃、対天使用新兵器を投擲した。
槍型炸裂爆弾であるこれが当たれば敵のコアごと滅ぼすことができるんだ!
だが―――。
黄金に輝く《フロウ・チャート》の手のひらから波紋のように波打つバリアによってそれが防がれた。
「な、止めた!?」
「こんな雑魚どもにチートを使わねばならんとは……! 屈辱だ……!」
何かを言いながら膨大なエネルギーを機体から放出させている。
これまでに出会ったどんな敵よりも強大だった。
「何なの……あれ……」
「ぐうううう!!!」
「キツカ!? どうしたの!?」
突然、苦しそうに悲鳴を上げるキツカちゃん。
「わから……ない! こんな大きなプレッシャー、そんな馬鹿な……」
特別な力を使う彼女だからこそ、その脅威がよくわかるのだろう。
その声は震えていた。
黄金の翼が展開され、再びエネルギーが機体の胸に収束されていくのが見えた。
そのでかさはさっきの比ではなく、より強大な力を放っている。
「消えろ! 忌まわしき人類よ!!!」
もはやそれを止める手立ては残っていなかった。
「キツカちゃん!!!」
「っ!」
俺は全力でキツカちゃんを連れ、ブーストジャンプする。
「うわああああああ!!!?」
そして放たれたビームが地上を根こそぎ焼き払っていくのを見ていることしか出来なかった。
「そんな……街が……」
「ひどい……」
何とか上空へのがれ、死は免れた。
しかし、確実に言えるのは、自分たちが敗北したということだけだ。
「ちっ……これ以上現界するのは拙いか……」
だが、理由は分からないが、敵は機体を宙に浮かし、後退しようとしていた。
「次で仕留める。精々楽に死ねるように祈っているのだな」
「ま、待て!」
俺は急いで敵を追おうとしたが、目の前から一瞬で消え去られてはどうにもできなかった。
「消えた……?」
俺は呆然とその光景を眺めるしかできない。
とりあえず地上に降り、機体を安定させた。
「鴉さん大丈夫!?」
コックピットを出ると。キツカちゃんがいた。
そんなに心配してくれたのか。
怪我の功名とはこのことなのだろうか。
「ああ、なんとかね」
疲れ果てた体で外に出ると、そこにはかつての景観は無い。
ほとんどの建物が焼かれ、お城すら半壊していた。
「これからこの国はどうなってしまうんだ……」
俺達はあまりの出来事に悲観することしかできなかった。
次元を隔てた空間にフードの男は帰ってきた。
「くそ!」
「お主も人のことが言えんのお」
悔し気に当たり散らすフードの男。
それをあざ笑い、ひょうひょうとした態度でそれをギャークバーリは眺めていた。
「1対1なら負けはしなかった!!!」
そう言う時点で自らを貶めていることにフードの男は気づいていない。
「最高神のバックアップがなければ我らの力は一定時間しか発現することができん」
「そんなことは分かっている! くそ……やつとの戦いで力を消耗していなければ……!」
冷静に物事を述べるギャークバーリにいら立ちを隠さない。
フードの男にとって大いにプライドを傷つけられる出来事であった。
数分経ち、怒りを何とか沈めたのか、宙に浮かび、椅子に腰を下ろす。
「これ以上消耗すれば最高神が復活した時、《転聖戦争》で使う戦力が心もとなくなる……次で止めを刺すぞ」
冷えた頭で次の計画を練り始めるフードの男。
「カカカ……そうかそうか。やっと派手に暴れられるのお」
それを待ちに待っていたギャークバーリがうれしそうに声を上げた。
「そのために消えゆく体だったお前を助けてやったのだからな」
「懐かしいのお。その節は感謝しておる」
ギャークバーリは腕を組み、昔を思い出していた。
それは自らの始まりの時。
「存分に暴れるがいい。かつて天帝と呼ばれた稀代の王。ギャークバーリ……いや」
ニヤリと笑みを浮かべ、言葉を訂正する。
「チッカーク帝国初代皇帝よ」
「ククク……懐かしい響きじゃ」
2人は不敵に笑い合う。
そして世界を、次元さえも巻き込む大きな戦いが始まろうとしていた。




