第六話 魔術士二人《後編》
編集ミスで行間が空いて読みにくくなっているかもしれません。
そのうち直します。
それはそれとしてダークソウル3をやっとトロコンしました。
約定の証と骨マラソンは苦行すぎる。
しかし、間違いなくダクソ3は神ゲーでありました。
エルデンリングも楽しみです。
しかし、アーマードコアの新作まだですかね……(遠い目)
ミカータ王国、遺跡。
少し狭い通路を通りながら探索をしていた。
明かりはなく、手に持ったたいまつを頼りに進んでいく。
「それにしても、こっちはえらく小奇麗ですね」
マホツの言う通り、この道を歩いているが瓦礫やゴミが見つからない。
丈夫に作られているのだろうか。
「多分、人の出入りも少なかったんじゃないかな? 緊急の脱出経路とか」
「ふむ、確かにその可能性もありますね」
2人は遺跡の考察に熱が入っていた。
1人、それを聞き流す。
すると、明かりが目の前で反射する。
「行き止まり……」
進んだ先はなんと壁だった。
ここまで来ておいてそれはない。
今までの魔物との連戦は何だったのか。
「あ、待ってください。こう、ちょちょいのちょいっと」
お手上げかと思われたその時、マホツが壁の機器をいじり始めた。
そしたら、ガシャコンと機械音がしてから、明かりが天井から降り注ぐ。
「な、なに?」
いきなりのことに驚いていると、目の前の壁も左右に分断され、通路が現れた。
「これは……驚いたね」
「どうやら非常電源が生きていたようなので、それを使わせてもらいました」
それをささっとできてしまうマホツの技術に驚きつつ、落胆が希望に変わる。
「行こう」
私は速足で前に進む。
「……やけに気合入ってますね?」
「頼もしい限りじゃないか」
後ろで何か言っている人たちがいるが、さしたる問題ではない。
「キシャアアア!」
「サイキックサンダー!」
通路の先では魔物との戦闘が待っていた。
地上の動物を凶暴化させたような姿とは違い、どこか天使を彷彿とさせる異形の姿が気味が悪い。
それにかなり手ごわい。
「ガウガウ!」
3体いるうちの一体が鋭い爪を振るってくるのを何とか躱す。
「キツカさん! 後ろ!」
「っ」
だが、回避した先では別の魔物が私を狙っていた。
躱しきれない―――。
「よっと」
「グワアアア!?」
だが、その攻撃は一発の矢によって止められた。
壁に打ち付けられた魔物は消沈している。
「援護なら任せてよ」
「なかなかやる……!」
後ろを見ればぱっくんが弓を構えていた。
正確な射撃だ。
状況を見る目は確かなものだった。
「よし、じゃあ私も!」
「えっ」
さっきまで後ろにいたマホツが私の隣に並ぶ。
そして何やら筒状のものを取り出した。
「燃えろ爆炎! グレネードランチャー!!!」
すると、ボンっと何かが飛び出す音がし、放物線を描きながら何かが魔物へと飛んでいく。
「た、退避ーーー!!!」
なんかいきなりぱっくんが後ろへダッシュしている。
「な、なにが」
よくわからないが私の勘がやばいと告げている。
ぱっくんにならい、距離を取る。
「ガゥ?」
そして大爆発が起こった。
私たちは衝撃で宙に浮く。
ずべしゃあと地面に打ち付けられる。
痛いんだが。
黒煙が広がり、視界が悪くなる。
「ごほっ、ごほっ」
体はなんとか無事のようだ。
振り返るとそこに魔物の姿は無かった。
魔物は悲鳴も上げずにぐちゃぐちゃになっていたのだ。
ミンチよりひどい。
「フッ、これが私の魔法です」
魔法……魔法……?
「こんなところで使って天井が崩れたらどうするつもりだったんだ……」
「嫌ですねえ、使われている材質からして強度は問題ないと判断してのことです」
「撃ちたいだけだろ……」
ぱっくんは天を仰いでいた。
マホツ・カイ。
頭のネジが緩んでいるのかもしれない女だった。
さらに先へ進むと、怪しげな大きい扉があった。
「私に任せてください」
これまたマホツが壁の機器をいじると、扉が開き始める。
「何があるのかな」
「きっと古代のNBが保存されているんですよ」
「マホツはNB好きだね」
「当然です。遺跡とはロマン! NBとはロマン! ロマンこそが私の生きがいなんですから!」
「ロマン、か」
その気持ちはわからないでもなかった。
未知の発見というのは中々に心が躍るものだ。
扉が開ききり、奥には広大な空間が見える。
「こ、これは―――!」
目の前に広がる景色に驚く。
例えるなら、そう、船だった。
巨大な船がそこにはあった。
「なんて大きさだ……NB何十体分あるんだろう」
ぱっくんの言う通り、途方もない。
「ま、まさかもしや!」
「知っているのか博士?」
「ええ。古代ミカータ軍が使用したと呼ばれる超巨大航空艦ラルカンシェル。まさか実在するなんて……」
夢中で早く駆け抜けそうな名前してる……。
「この大きな船が空を飛ぶのか? 信じられないなぁ」
「エンジンが生きていれば動かせるはずです! 行きましょう!」
ビューんと船に入ろうとするマホツ。
それを見た私たちも後を追った。
「ここから入れそうです!」
きゃっきゃっきゃはしゃぎすぎる女に呆れてしまう。
だから気が抜けていたのか―――。
「……! マホツ!」
「なん―――」
マホツの後ろには何者かが立っていた。
それに運よく気付けたマホツがうまく距離を取ることに成功する。
「誰ですか!」
正体不明の人物たちを前に、私たちは戦闘態勢になる。
相手は未知の武器を構えていた。
「あなたたちこそ誰? ここはおいそれと入れる場所ではないはずよ」
どうやらなりふり構わずというわけではなさそうだ。
「私たちはミカータ軍の者です。武器を下ろしてください」
「ミカータ? 地上の人間がなぜここに入れるの?」
地上の人間という言葉に違和感を覚えた。
彼女は一体どこから来たのか。
「私の力です」
えっへんとでも言いたげなポーズで己を誇示するマホツ。
空気を考えろ。
「なるほど……厄介ねあなた」
さっきより戦意が増してる!!!
「ちょっと待って! 人間同士で戦うなんておかしい!」
「そうだそうだ!」
流石に無意味な争いで血を流すことは無いと思い、説得を試みた。
ぱっくんも便乗している。
「甘いわね。お互いに譲れないものがあるなら、戦って決めるしかないでしょう?」
「そうだそうだ!」
「……すぞ」
「スンマセン」
平行線のようだ。
「隊長、どうしますか」
「ここを地上の人間に知られるのはまずいわ。消すわよ」
しびれを切らしたのか、突撃してくる刺客。
「くっ、2人とも! 構えて!」
とりあえず気合を入れなおす私たち。
「サイキックファイア!」
「ヘビィマシンガン!!!」
「イケメンアロー!」
とりあえず必殺技をぶっぱする。
「ぎゃああああ!!!」
運よくクリティカルヒットした!!!
やった!!!
「へえ、中々おもしろいことをするのね」
「ぐぅ、な、なんだこいつら……」
どうやら押しているようだ。
このまま戦えばお互い無事では済まないだろう。
「……まだ続ける?」
私はリーダーらしき女に問いかける。
「そうね……お互い、攻めきれない感じだし……分けってことにしたいけど」
「なら」
「でも、残念。勝ったのは私たちみたいね」
「なにを……」
周囲に気配が増える。
まさか……。
「……増援」
やられた。
私たちは敵の規模を読み間違えていたらしい。
「ああ、前言は撤回するわ。あなたたちの力は興味深い。シティでじっくり調べてさせてもらうから」
つみです。
でなおしてまいれ。
「やれやれ……どうするの博士」
「ここは黙って従いましょう」
「くっ」
こんなところで時間を取られている場合ではないのに。
悔しさをかみしめるも、私たちは降伏以外の道を選べなかった。
「いい子ね……連れて行きなさい」
「ハッ」
ぞろぞろと現れる刺客たちに連れられてこのフロアを出ていくのであった。
「ここは……」
連れてこられたのは、意外、それは街。
「地下にこんな大きな町があったなんて」
太陽も空も見えない、地下深くには街ひとつ分の空間があった。
人工の光に照らされている。
「なるほどね。遺跡の設備をつかって街として機能させているのか」
「早く歩け」
「はいはい」
どこか騎士団の拠点に似た場所に連れてこられた。
部屋のいくつかを通り過ぎ、いちばん奥の部屋の前で一度静止する。
「さて……失礼します」
自動でドアが開く。
これも遺跡の機能なのだろうか。
部屋に入ると白髪が混じった老年の男性が待っていた。
えらいさんだろうか。
「うむ……で、そちらの者たちは」
「ドッグで見つけました。地上の者たちです」
「地上から? どうやって……」
顔をしかめて不思議そうにしているじじい。
マホツの技術はこの人たちにとっても特異なものらしい。
「私です」
「ほう」
「あなたがここの代表ですか?」
「ああ。ワシはここシティの市長兼防衛隊の局長をやっている、おやっさんだ」
やはり偉いさんだった。
「それでは、まず私たちが何者で何をしに来たかご説明しますね」
「たすかる」
いろいろとマホツが説明を始めた。
地上では天使がやばいこと。
戦力となるNBを探していること。
「なるほど……地上はもう持たん時が来ているのかもしれんのう」
「なら」
「だからといって、この街の住人を危機にさらすわけにはいかん」
説明を聞いてなお、協力をこばむおやっさん。
「天使が地上を滅ぼせばここもやがては見つかってしまいますよ」
「それでもだ。それに、ここの技術は地上で見つかるような歴史の先取りではない。封じなければならん黒い歴史なのだ」
「それを巡って戦争になるとでも?」
「だから世界は一度滅びたのだ」
「……」
話は分かる。
ここの技術は地上の何年、何百年先を行っているかは分からない。
目にしたすべてが極めて便利なものに感じた。
だが、それ以上にどこか恐ろしくも感じていた。
人類は力に手を伸ばし過ぎてしまう日が来るのではないか、と。
話は依然、平行線のままだ。
だが、そんな時だ。
気分が悪くなるほどの強いプレッシャーを外から感じたのだ。
「……! 何か来る!」
「なに?」
それを感じた瞬間、大きな地響きが起こった。
「な、なんだ!!!」
ガラス張りの窓の外を見ると、爆炎を起こし、戦闘が始まっていた。
「うわあああああ!!!」
「助けてええええ!!!」
黒煙があちこちから上がっている。
そしてその中心にいるのは……巨大な影だった。
『クカカカカ、どこにおるのだ? ワシを喜ばせる戦士は』
ライトグリーンの明かりが影の一番上から放たれた。
人の目にも見える。
すると、ドタバタと走って部屋に誰かが入ってきた。
「何があった!」
「え、NBです! 型式不明のNBが街を!」
「何だと! どこから入ったのだ!!!」
はっと息をのむ面々。
いったい何が起こっているのだろうか。
「サッカン! NB部隊を出す!」
「はっ」
私たちを拘束したサッカンと呼ばれた女が部屋を出ていく。
ここの人たちもNBを持っているのか。
「空間転移……そんな技術は地上のどこにもないはず」
マホツがぶつぶつと考え事をしていた。
ただ、私も気になっていることがあった。
「天使……」
「どういうことですかキツカさん?」
「あのNBから天使と同じようなプレッシャーを感じる」
そう、天使と対峙していた時、いつもNB越しに感じていた異様な圧迫感。
それ以上のものをあの悪魔のようなNBから感じていた。
「でも……人の言葉を」
マホツも混乱していた。
人語を話す天使? わからない。
だが、少なくとも友好的な存在ではないだろう。
「何が起こっているんだ……」
お互い混乱していく。
今は出ていったあの人に任せるしかない。
『止まりなさい! そこのNB!』
防衛隊隊長、ケイ・サッカンがシティ産NBの《ツエー》に自らも乗り込み、
他4機の《ツエー》を引き連れて、敵の前に立つ。
『ほう、次の相手はぬしらか』
やはり言葉を話すことに驚きながらも、ケイはなおも敵が拳を構え続ける様を見て、自らもハンドガンを抜いた。
『聞く耳持たないってわけ? 《深紅》隊出撃!!!』
後ろに控えていた4機の《ツエー》が号令とともに前に出た。
だが―――。
『フン! ぬわぁ!!』
『う、うわああああ!?』
『た、たすけ―――』
拳法のような動きで、一瞬のうちに4機の《ツエー》を爆発四散させる。
『《深紅》隊……全滅……』
ケイは聞こえてくるオペレーターの声を唖然と聞いていた。
『そんな……精鋭部隊をこうもあっさりと……』
『どこじゃ! サイコパワーの持ち主よ!』
悪魔のようなNBは何かを待つかのように叫んでいた。
残されたケイはうかつに動けない状況に歯噛みするしかなかった。
「……NBを貸して」
「何だと?」
瞬殺されていったNBを見ながら私はそう口にしていた。
「あなたたちじゃあ相手にならない」
今まで戦ってきた私だから分かる。
あの動き、もはやNBが再現できる人の動きを越えていた。
「あいつは……エースだ」
ごくりと生唾を飲み込む。
私の意志が伝わったのか、おやっさんもふうっと息を吐いて一呼吸していた。
「やむを得ない、か」
何か機械を取り出し操作するおやっさん。
すると、そこには作業服を着た男性の映像が映し出された。
「《メイガス》を出せ」
「おやっさん……しかし、アレは熟練のパイロットでも歩くのがやっとで……」
「《ツエー》では相手にならん。アレのポテンシャルと彼女を信じるしかない」
「どうなっても知りませんよ」
何やら準備の連絡を入れてくれたようだ。
それにしても後ろに映っていたNBは見たことも無いタイプだった。
おやっさんは無言でマニュアルを渡してくる。
「複座タイプのNB?」
ペラペラとマホツと一緒に読み込んでいく。
すると一機に2人搭乗することができる機体だということがわかる。
「《メイガス》は遺跡に封印されていたNBだ。システムにも謎が多く未だに全容がつかめていないが……その力は伝説にも記されている」
「伝説って?」
「ああ!」
それは大丈夫なのだろうか。
「面白そうですね……私も行きます」
マホツがずんと胸を張ってそう宣言してきた。
「でも」
大丈夫かこいつ。
不安だ。
「責任は私にあります」
どうやら意志はかたいようだ。
「なら……行こう!」
「応ッ!!!」
「がんばって!」
私たちはそのNBが眠る格納庫へと急いだ。
「ちっ、じじいが……!」
『フハハハ! 怖かろう!』
『フンス!!!』
『ぎゃあああああ!?』
《メイガス》で出撃した私たちは、とりあえずドロップキックで謎のNBをぶっ飛ばす。
『《メイガス》!? 一体誰が……!』
『どーもー』
『あなたは……侵入者の』
『今は一時だけでも共に戦う仲間ですよ』
流石に私たちが出てきたことに驚くサッカン。
『じゃあもう一人は……』
『ん』
『なるほど……やはりね。そんな気がしていたわ』
○ナイーダ乙。
『なるほど。中級のNAをやったのはぬしだな』
……NAとは?
『……だったら?』
『面白い!!!』
急にやる気スイッチが連打されたのか、覇気が増している。
『武器は!』
『ありました! エアッドミサイル!』
みさいるとは何か見当がつかなかったが、とりあえず発射ボタンを押すマホツ。
すると、背部から何かがいっぱい射出されていく。
ボルトにも似たそれは敵NBに当たった瞬間から爆発を起こしていった。
やばいって。
『ちょっと! 街を破壊する気!?』
『ちゃんと人がいないのを確認してますよ!』
そうだったか。
そうだっただろうか。
流石に敵はこれでやられただろう。
と思ったが―――。
『飛び道具に頼るか! 蒼いの!』
『がはっ!』
煙を突き抜けて《メイガス》を強く殴りつけてきた。
機体は吹き飛ばされるが、何とかブーストを吹かして転ばずに済んだ。
『まさか直接殴りに来るなんて……どういう強度してるんですか!』
確かに。
全身が精密機械であるNBであんなことをすれば、故障してもおかしくないはずだ。
だが、何でもないかのようにぴんぴんしている。
それどころか、ミサイルによるダメージもあまりなさそうだった。
私は素早く距離を取る。
しかし、古代のNBと聞いていたが性能は《ムソー》とあまり違いが見られない。
本当に大丈夫だろうか。
『……おかしいんですよこのNB』
さっきからピッピッピッピとコンソールをいじっていたマホツがつぶやいた。
『どういうこと?』
『機体出力があがらないんです。今は本来の20%程度でしか動いていないみたいです』
20%……。
ならば本来の機動力もこんなものじゃないのか。
『動力以外に必要なものがある……?』
謎が多いと言っていたこの《メイガス》
実戦の中でその力を引き出していくしかないのか。
『そりゃそりゃそりゃそりゃあ!!!』
『ぐ……』
何とか怒涛のラッシュをさばいていく。
だが、このままではじり貧すぎる。
『ブックマークドライブ! 来ましたよキツカさん!』
『今敵が来てる……!』
無意識に皮肉がこぼれたが、機体の動きが少し良くなっていく。
『ドライブからのエネルギー供給が不安定だったので……無駄な部分をカット。これで15%増しで動けます!』
防戦一方だったが、これをチャンスと見て突進攻撃を掴み、その勢いのまま投げ飛ばした。
『何!?』
宙を舞って吹き飛んでいく敵NB。
しかし、くるっと回って態勢を瞬時に整えていた。
『ただ、武装が使えません! こっちもグーでガンガン行きましょう!』
拳で。
……こぶしで?
『つけあがるな! 小童!』
ガンガンガンとオラオララッシュが私を襲う。
『む、無理!』
ガチの接近戦は得意では無かった。
さばききれずに装甲にダメージが蓄積されていく。
『仕舞いじゃ!』
『しまっ―――』
機体がバランスを崩し、大きな隙を晒してしまう。
目の前には大技を繰り出す敵の姿。
私が、負ける……?
すなわち、それは死ぬということ。
嫌だ……私は……死にたくない!!!
バチイィィィ!!!
『ぬぅ!?』
私は普段のくせでとっさに超能力を使っていた。
防げないはずの攻撃を別の力がそれを押さえていた。
『エネルギーのバリア!』
一度使ってしまえば、それは確信になった。
この機体は超能力が使える。
『はあああああ!!!』
私の力が《メイガス》を通じて増大していく。
『サイキックファイア!!!』
『ぬウウウウ!?』
爆炎が敵NBを焼き焦がしていく。
耐え切れなくなったのか機体を回転させて火を消していた。
『ッ! 機体出力50%を越えています!』
マホツが叫んだ。
今の性能なら何とか敵の動きについて行ける気がする。
何故NBを通じて超能力を使えるのか。
分からないことが多いが……1つだけ確かなことがある。
『私はまだ……戦える!!!』
『カカカ! それでこそ死闘! それでこそ至上よ!!!』
『サイキックパワー!!!』
『消えええええ!!!』
二つの技がぶつかり合い、衝撃がこの街を駆け抜けた。
お互いの大技がぶつかり、ズザザと後ろに飛ばされる。
私も息を切らしていく。
立ち上がろうとするも、機体が中々安定してくれない。
『ぐっ……』
『機体損耗率65%……キツカさんこれ以上は!』
アラートがなり響く。
サポートのマホツがいうならもうかなりやばいのだろう。
それに、敵のNBはけろりとしている。
万事休すか……。
『ふむ……時間、か』
次をどうしのげばいいか考えていると、不意に敵の動きが止まる。
すると、振り返り背中を晒していた。
『楽しかったぞサイコパワーを持つ者よ』
まさか、逃げるつもりなのか。
『ま、待て!』
私は逃さんと手を伸ばそうとするが、ガクッと機体がダウンした。
『あれ……急に機体が……』
操縦桿が反応しなくなり、ガチャガチャしていると急にめまいがやってきた。
『キツカさん! 起きてください! キツカ!』
意識が沈む。
消えかけた意識の中でただ悔しさだけが積もっていくのであった。




