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おっさんが異世界でチートする話だったのに  作者: 陰キャきっず
LAST NEW WORLD      スーパーイセカイ大戦N《完結編》
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第六話 魔術士二人《前編》

 提出物とか宿題とか、ギリギリにやっていたのを思い出しました。

全集中、文の呼吸、壱ノ型とか使えませんか使えませんね。

 鳥型天使との戦いから数日。

強敵との戦いで帝国騎士団も疲弊していた。


 騎士団の拠点ではNBの修理作業が日夜行われている。


「我の《ムソー》はどうなっている?」


「全体のパーツがかなり摩耗しています。これなら新しく作り直した方がいいくらいですよ」


 最近の連戦で修理もままならない状況だったのだ。

今まで持ったのが不思議なくらいだった。


「例の新型……あれはまだ使えないのか?」


「《テン・プレ》ですか。9割方完成はしているのですが……テストがまだ終わっていないのです」


「急がせるのだ。敵はいつやってくるかわからんのだぞ」


「はっ」


 整備長は敬礼をし、作業の輪に戻っていく。

それを確認した焔のホームラは深くため息をついた。






(あの蒼い光はいったい……)


 私は病院の屋上で空を眺めていた。

先日の戦闘では不可思議なことが起こり、そのことが頭の隅から離れない。


「……おっさん」


 そして思い出したその名前。

 

 いつかどこかで私と彼は一緒に過ごしていたのだ。


 だが、多分それは気の遠くなるほど昔のことだろう。


 あの蒼い光もその時に見たことがあったのだろうか。


「何か悩み事でして?」


 ふと、誰かから声をかけられた。


 振り向くとそこには先日顔を合わせた水のスイがいた。


「まぁ、色々と」


「そうですか」


 よどみのない動きで私の横へと移動してくる。


「何を悩んでいるのかわかりませんが、迷いは命取りになりますよ」


「……うん、わかってる」


 水のスイの言う通りだ。

鴉さんが倒れている今、気を抜くわけにはいかない。


 今は目先のことに集中すべきだ。


「それで、何か用?」


「ええ。団長が呼んでいますわ。何でも新しい任務の件で」


「わかった」


 私は水のスイと共に焔のホームラの所へ歩き出す。


 そう、戦いはまだまだ続いているのだ。




 そして会議室へとやってきた。

部屋の中にはすでに炎のエン、焔のホームラがいた。


「これで全員……火のカはどうした?」


「さあ? サボっているのでは?」


「まったく……」


「それで話って?」


「ああ……私とキツカのNBがダメになってしまったのでな。修理が終わるのと新型が完成するまでは戦力にはならないだろう」


「……」


 流石に自爆させたのはもったいなかっただろうか。

いや、今でもあれしか方法は無かった気がする。


「あれだけの損害で済んだなら安いものだ。だが、現実はもっと厳しい」


「従来の天使ならともかく、あの時のような天使がまた来た時、四天王が3人では万全とは言えませんわね」


「そこで、だ」


「私は総指揮のため帝国を離れることは出来ない。だからキツカ、手の空いているお前に出張を頼みたい」


「出張?」


「ミカータ王国へ行ってもらい、発掘の手助けを頼みたいのだ」


「発掘?」

 

 つるはしをもって掘ればいいのだろうか。


「ミカータには古いNB関連の遺跡が多いんだ。何でも古代のNBが埋まっているらしい。それを俺とスイ、そして殿下がが色々と手伝っていたんだが」


「ああ、それで……」


 あの時増援に来たのはホームラによる采配だったのか。


 遠くからはるばるごくろうなことだ。


 しかし、出張と言うのは……。

ちらっと彼のことが頭によぎる。

だが……。



「……わかった。行ってみる」


「……いいのか? やつはまだ……」


 ホームラも私の懸念に気付いていたのか、言いにくそうにしている。

いまだに目を覚まさない、覚ますかもわからない彼のそばを離れたくはない。

しかし、そのことばかりに気を取られるわけにもいかない。


「私が残っていても何かしてあげられるわけじゃないし……今やらなきゃいけないことをしないと」


「……そうか」


 そうだ。

世界は混沌を極めている。


 天使に対して人はあまりにも無力だ。


 だから、力を得る手がかりがそこにあるのなら……それにかけてみたい。


「ならばもう何も言うまい。サイ・キツカよ、ミカータ王国へ赴き、そしてマホツ・カイ博士の指揮のもと発掘を援助せよ」


「了解」

 

 あんまりやったことのない敬礼をする。


「じゃあ……首都の守りは任せた」


「ああ、なに、我ら四天王がいるかぎり、守って見せる」


「そうだな」


「ですわね」


 なんと頼もしい。

四天王とはかくも大きな存在なのだと思った。


 






 そして馬車にゆられてやってきたのはミカータ王国。


 景観はあまり帝国との違いは見られない。


 地図を広げ、目的の遺跡がどこにあるのか再確認する。


 ひとしきり確認し終えたので地図をしまい、歩き出す。





「……ここ?」


 半日かかりたどり着いたのは遺跡と言うより拠点だ。

様々な人が行き交い、さびれた外観とは裏腹に賑やかだった。


 入口に近づくと警備の兵士がやってくる。


「ここから先は関係者以外立ち入り禁止です」


「ん」


 そんなことを言ってきたのでバッと指令書を見せつける。


「これは……失礼しました。騎士様」


 そしてさっさと入り口から遺跡に入った。





「お待ちしておりました。私、マホツ・カイと申します。軍の技術顧問をやっています」


「サイ・キツカ。騎士」


 いろいろあって自己紹介へ至る。

目の前の女性は偉い立場の人らしいが、20代前半くらいに見える。


「ふーん、助っ人をよこすってホームラさんが言ってましたが、まさかこんな女の子とは思いませんでしたよ」


 むっ。

もしかして侮られているのだろうか。


「サイキックパワー」


「……ほう、興味深いですね」


 試しに超能力を発動させる。

さすがに少しは驚いているようだ。


「よし、じゃあ私も……!」


 だが、そう言って何か筒状の何かを取り出し、それをクロスボウのように構えている。


 一体何なんだろうか。


「だー! 待つんだ博士! 君のはそんな生易しいもんじゃないだろう!」


 そう思った時、知らない誰かがそれを押さえにに来た。

知らない男だった。


「たはは……冗談、冗談ですよ」 


「全く……君がサイ・キツカだね? 僕はチッカーク帝国の王子、ぱっくんだ。よろしくねお嬢さん」


「はあ……」


 なんと王子様だった。

そういえばエンとスイがそのようなことを言っていた気がする。


「それで? 何を手伝えばいいの?」


「そうですね……そうだ! 王子! あそこに3人で行きましょう!」


「え、この間見つけた抜け穴かい? いやいや、さすがにまずいでしょ」


「抜け穴って?」


「三日前にどっかんどっかん穴をあけていたら、隠し通路が見つかったんです。ただ、その奥には魔物が確認されまして」


「だから非常に危険でね、それなりの部隊を編成したほうがいいんだろうけど、結構狭くてねあそこ」


 なかなか難儀しているのさ、なんて言いながらオーバーにやれやれな仕草をしている。

イラッ。


「めんどいから行こう?」


「ですよね。行きますよ殿下」


「え、いや、それは僕に何かあったら国際問題になりか―――」


 あーだこーだ否定意見を出し続けるぱっくんを引きづって私たちはその抜け穴を目指す。


 はたしてそこで何を見つけることができるのだろうか。


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