その18(完)
2020年冬アニメで好きなのは超電磁砲Tとへんたつです。
超電磁砲Tは変わらず面白くて、へんたつはシリアスアニメの間にあるのでHPを回復できて和みます。
防御力のアニメは作画いいですね。賢者の孫みたいな動きしてますけど。
ただ、ゲームを題材にしたアニメとしてみると……(厄介ゲーマー感)
友人にはかわいけりゃいいんじゃ~って好評です。
「ぬわあああああ!?」
「うぼあああああ!?」
俺たちは次元の狭間からこっちへ戻ってきた。
帰ってきて早々、残っていた二人が吹っ飛ばされてきた。
「2人とも、よく頑張ってくれた!」
「あとは俺たちに任せな!」
そんな2人をかばうように俺たちは前に出る。
「愚かな。消えるとわかっていながら抗うか」
戦いの消耗がかけらも見られない。
やつの体力は満タンのようだ。
「吠えてな! 来い! 魔剣クワスカリバー!」
「《永遠剣》!」
俺たちは互いに武器を構える。
力が時の神殿を大きく震えさせていた。
「行け、《イレイザー》」
「修正」
「ガガガガ」
巨人の軍勢が俺たちに襲い掛かる。
「リミテッドインパルス!!!」
「アルティメットソード!!!」
そんなやつらに俺たちは極限の必殺技を叩き込んだ。
もはや限界を超えた力がやつらを吹き飛ばしていく。
ざっと100体くらいはやったか。
「それほどの力……本気か」
「最後かもしれないなら、派手に行く方がいいだろうが」
「だね」
巨人どもを蹴散らし、ビスタのもとへやってきた。
肉体は今も悲鳴を上げている。
しかし、そんなことで立ち止まる俺たちではない。
「預言書を守るのが《私》の使命。《私》が預言を守る」
「そんなことはどうでもいい!!!」
「なに?」
「お前を倒して……シスタを救う!!!」
「愚かな。《私》をとればお前たちが世界に消されるのだぞ」
「知るか……!」
「もう預言書の書き換えなんてどうでもいいんだよ。お前の意識を消せばその娘は戻ってくる……そうだろ?」
「自分より、仲間をとるというのか……」
「そうだ……! それがモチベなんだ!!!」
激しい戦闘が繰り広げられる。
時の力がぶつかり合い、空間が湾曲していく。
「これは……」
「世界がぐにゃぐにゃに……」
景色が変わっては戻りを繰り返し、そして……。
次に見えたのは宇宙だった。
いや、地べたがあるし重力もある。
まるで銀河に立っているようだ。
謎空間にやってきた俺たちだった。
「力が小規模なビッグバンを起こし、異空間を作り出したか」
どういうことなのだろうか。
そういうことなんだ。
「第2ラウンドか」
再び剣を構える。
次に動いたのはビスタだった。
「ディバインストリーム」
光のごんぶとビームを放ってきた。
これは避けられそうにない。
「おっさん! 合わせろ!」
「合点承知の助!!!」
俺とぼっちゃんはタイミングを合わせて剣を振るった。
かつて勇者と魔王として激闘を繰り広げたはずだった俺たちのコンビネーションは、強大なビームを防ぐ。
だが、かなり消耗が激しい。
そう長くは防げそうにないな。
「らちがあかねえ……おっさん行ってこい」
バカな……そんなことをすればこのビームを一人で防ぐことになる。
死んでもおかしくないぞ。
「勘違いすんなよ。だるい方はお前の役目だからな」
「……うん」
少し涙が出そうになった。
かつてないほどの友情が俺の心を奮い立たせる。
「前に出ます」
俺はもう何も考えず突撃した。
今もなお一人でビームに耐えているぼっちゃんのためにも早くしなければ。
「……!」
こちらに気付いたビスタが無数の球体を召喚する。
それらは一斉に俺に狙いを定めて襲ってくる。
だが、縦横無尽に回避する俺。
体が軽い……こんな状態で戦うの初めてだ。
もう何も怖くない。
怖くはない。
イッツタイムナーウ……。
「勇者おっさん……未来を切り開く!!!」
「予言を狂わせる存在を排除する!!!」
時の力を最大限に使い、身体能力を強化する。
常人の視界に移らないほどの速度で剣を振るっていく。
しかし、その全てにビスタは対応していた。
光の盾をピンポイントで張り続けている。
俺のパワーではその守りを突破できない。
どうすれば……。
力が欲しいか。
……今度は誰だ。
もうやったネタだそれは。
俺だ。
何……?
仲間を救いたいのなら……その存在をかけろ。
お前は誰だ。
かつてのお前だ。
幾多の世界でお前は力を手にした。
その一辺を引き出す術をお前はもう知っているはずだ。
何だと……。
その言葉を聞いた時、俺の脳裏には見たことのない記憶が流れ込んでくる。
ここじゃない世界で俺は戦っていた。
その俺達は今の俺のように力を持っていた。
《永遠剣》は自身の中に時の力をため込むことができる。
時の力とはすなわち……時間だ。
過ぎていった時間は人の経験となり、力になる。
時空が不安定なこの場所なら、《永遠剣》を通じてその経験と力を俺に集められる。
だが……それらを俺に集めるとして。
全てが終わったとき、俺は……。
消えるだろう。
―――それでも。
誓ったはずだ。
後悔だけはしないと。
いいだろう……くれてやる。
俺のすべてを……! その存在を!
フッ……。
よく言った……かつての俺よ。
謎空間が解かれ、意識が元に戻る。
すると、火に油を注いだように力が燃え盛る。
「なに……?」
質量を持った残像が光の盾を翻弄する。
初めてやつがあっけにとられた表情をした。
盾を構えた場所にはもう俺は存在していない。
限界を超えた時の力でブーストをかけた俺の体が通ると、幾重にも重なる残像になり実体を持つに至った(あやふや)
「ウッキーッ!」
横格チンパンと化した俺の最後の猛攻。
ノーガードで剣をぶんぶんする。
黄金の残光が幾重に流れ、多段ヒットしていく。
「そんな……!」
屈強な光の盾も、ミシミシと音を上げ始める。
そしてついにそのガードをつらぬく!!!
「永・遠・剣!!!」
「がああああああああ!?」
俺の全てをかけたかいしんのいちげきが決まった!!!!!!
さらにもう一発!!!!!!
「ごはあうえええええええ!?」
これくらいは許されるはずだ―――。
終わった。
「ちっ、もう腕がボロボロだぞ」
「ぼっちゃん」
振り返れば、両腕が焼き焦げたぼっちゃんがいた。
本当に申し訳ない。
「《預言》が……創生から続く《私》の使命が……」
ダメージに耐え切れず倒れこむビスタ。
もはや戦闘することは不可能だろう。
使命という言葉をなんどもつぶやいている。
「使命ってなんだよ」
「私の……存在理由……」
「そんな使命……無かった方がよかったじゃないか」
そう。
俺は彼女を真の意味でマモレナカッタ……。
出会って間もない人間とすぐに仲良くなる彼女だ。
俺がいなくなったことに少なからず責任を感じるだろう。
俺は予言通りに消えるべきだったのだ。
体から力が抜けていく。
俺と言う存在が希薄になっていくのがわかった。
「おっさん……お前……消えるのか?」
「……ああ」
ぼっちゃんが俺の異変に気付いたのか、何とも言えない表情で聞いてきた。
「……そうか」
一瞬、心底悲しそうな顔をして、すぐに困ったような笑みを浮かべた。
「やっぱつえぇな……」
普段の彼からは絶対に聞けない素直な称賛に驚く。
「まあね……」
けれど、そんな喜ばしいことに反応する余裕がなかった。
目を泳がせながら言葉を探しているぼっちゃん。
「その……」
「うん」
「また……会えるか?」
彼には似合わない寂しそうな言葉だった。
彼ともここでお別れだ。
でも……どこかできっとまた会える。
そんな気がした。
「……ああ」
だからこれは……悲しい別れではないのだ。
「きっとどこかでまた……」
「……そうだな」
握手を交わす。
この感触を俺は忘れない。
「シスタを……頼む」
「……しょうがねえな」
彼の顔は、いつもの自信満々の自己中野郎に戻っていた。
俺は倒れている彼女を見つめる。
最後の仕事を済ませよう。
《永遠剣》を握りしめビスタへと向ける。
彼女……ビスタ自身が時の力だ。
シスタが陰に潜み、ビスタが表に出たことでそれがうかがえる。
そして時の力がシスタから消えれば、ビスタは消え、シスタが表に返ってくる。
さらに《永遠剣》は時の力をため込むことができる剣だ。
今の俺なら彼女から時の力を奪うことは造作もなかった。
「……ああ……終わるのか」
ビスタは名残惜しいような、安堵したような安らかな表情をしていた。
彼女が何を想い、何を感じていたのか。
彼女も被害者なのだ。
やがて力をすべて取り込み、彼女がまとっていたオーラは消える。
代わりに古めかしい本がそこに残った。
目が覚めれば、いつものシスタが戻ってくるはずだ。
ぼっちゃんには窮屈な思いをさせるかもしれないが……。
彼のことだ。
案外楽しんで生きていくのかもしれない。
もう意識が消えかけてきた。
「じゃあね、ぼっちゃん」
「おっさん」
「シスタ……幸せに」
2人に別れを済ませる。
「あ、そうだ」
大事なことを伝え忘れていた。
「さいごに一つだけstaynight」
「は?」
渾身のギャグが滑った。
だが……。
「シスタに伝えてほしいんだ」
これだけは彼女に知ってほしい。
「―――」
答えは得た。
体は徐々に光の粒子になって空へと昇っていく。
ぼっくん、クレトくん、ショーくん。
旅で出会ったみんな。
本当に、ありがとう。
「ん……」
目が覚めると、よくわからない空間にいた。
謎空間と言うやつだ。
一体私はどうしていたのだろうか。
「よっと」
すると横から声が聞こえた。
知らない青年が地面に落ちていた本を拾う。
「これは俺がもらってくぜ」
背伸びをしながらそんなことを言っている。
私の物ではないので知ったことではないのだが。
「はあ」
「さて……とりあえずお前をもとの世界に戻す」
それはありがたい。
私は立ち上がり何故か痛む体に不思議を感じながらも、服についた汚れを掃う。
「おっさんからの伝言だ」
すると青年が私の方を見てそう言った。
おっさんの知り合いだろうか。
「面白おかしく、楽しく、幸せにだとよ」
「え……」
なんだそれは。
まるで別れの言葉じゃないか。
「じゃあな」
「ちょっ」
何が何やらで混乱している私など知ったこっちゃない感じで、何やら作業に移行していく。
すると顔を上げて、再び私の方を向いた。
「ああ、一つ言い忘れていた」
おっさんからの最後の言葉だ―――。
そうつぶやき、静かに口を開いた。
「愛してる、だとさ」
「……!?」
……なんだそれは。
そんな大切な言葉、知らない誰かに言わせるなんて。
少しお仕置きが必要だろうか。
というかおっさんはどこに―――。
「んじゃ、ささっと」
「ど、どういうこ―――」
まだ考えがまとまっていない私だが、体が宙に浮きだした。
元の世界とやらに帰るのだろうか。
徐々に視界があやふやになり、青年の姿がわからなくなる。
やがて私は光の中へ消えていった。
「ん……」
「あら? 気が付いた?」
「ケイ……さん?」
目が覚めると、そこはここ最近見慣れたベッドの上だった。
「まったく……勝手に抜け出したかと思えばアジトの前で倒れているんですもの」
「え……」
それはおかしい。
私はショーさんとおっさんの為に旅をしていて……それで……。
どうしたのだったか。
「ショーさんは? それにおっさん……」
「誰それ? おっさんのことは残念だったけど……そうね、あなたも大変だったものね……」
何やら察しているようだ。
そんな憐れむような目で見なくても。
「これからはあなたのしたいことをすればいいわ。傷が癒えたらドライブに行きましょう? 良い峠を知っているわ」
「はあ……」
たしか預言書がどうとかで旅をしていたはず。
だが、記憶に靄がかかったのように思い出せない。
私はしばらく呆然と窓の外を見ていた。
「元気になってよかったわね」
あれから一カ月たった。
何故かボロボロだった体も治り、元気満々ウーマンだった。
「ええ……色々ありがとうございました」
「あなたがしたことに比べれば大したことじゃないわ」
ケイさんは私がアジトにいる間、仕事の合間に顔を出してくれた。
彼女とはドライブに行ったり、散歩に行ったり、中々スリリングなことをしたものだ。
友人と言っていいかもしれない。
「今やあなたも有名人なのよ? 勇者と共に世界を救った聖女だって」
悪い気はしない。
だが、謙虚に―――。
「言い過ぎですよ」
そう、謙虚に……!
「それで……これからどうするのかしら?」
ケイさんが前に質問してきたことを想いだした。
私のやりたいことをすればいい、そう言ってくれたことを。
「……そうですね」
私はずっと考えていた。
何がわたしのしたいことなのか。
何が私の幸せなのかを。
今日、その答えを示そう。
「会いたい人がいるんです」
そうだ。
知らないうちに勝手に色々と終わらせてどこかへ行ってしまったバカ野郎。
彼との旅は私に寂しさを覚えさせた。
楽しいが何かを覚えさえせた。
彼との旅は何かを学んでばかりだった。
「だから私は……これからも旅を続けます」
そう、私は彼を探す。
彼との旅が私を幸せにしたのなら、彼が居ないと始まらない。
「……そう」
ケイさんは私の答えに満足したのか、笑っていた。
「会えるといいわね……その人に」
「……会えますよ」
私は風に揺らされる髪をかき上げ、空を見つめる。
「ただまあ、時間はかかりそうなので」
いつか届くと信じて、それを夢想する。
「できるだけ楽しく、回り道して行こうと思います!」
けど、つかれるのも嫌なので、気楽に行こう。
私は荷物をもって歩き出す。
「風の吹くまま、気の向くまま……!」
これからの人生、まだ知らない楽しいことが溢れているはずだから。
「いってらっしゃい」
「行ってきます」
ケイさんに手を振って別れを告げる。
さあ、続けよう。
使命は終わり、あらたな目的を掲げて、私の旅路は続いていく。
再び出会えたその時は、彼に言葉を伝えよう。
私も嫌いじゃないですよ、と―――。
「行った、な」
「そうだね」
「2人ともお疲れさま」
シスタを陰から見送る男たちが3人。
先の戦いで何とか生き残ったぼっくん、クレト、ショーである。
全員あちこちに傷が残り、戦いの熾烈さがうかがえた。
「ぼっちゃんはの様子はどうだ?」
「世界を預言書通りに導く仕事は人間には無理なはずなんですが……やはり腐っても素質はあるというか」
苦笑いしながらそう答えるショー。
「世界が終わるまで生き続ける……途方もない話ですね」
「だが、やつならやりきりかねん」
「そうだな」
ここにはいない仲間を想って全員空を見上げた。
そしてもう満足したのか、ショーは振り返り歩き始めた。
そして地面に刺さった剣を抜く。
「《永遠剣》もらっていくよ」
「そうしてくれ。そんな危ないものお前以外にどうしようもない」
ショーは《永遠剣》を背負う。
そして最後にもう一度だけ振り返る。
「色々と楽しかったですショーさん」
「ぼっくんも元気で」
「フン……思わぬことに足をすくわれないようにな」
「クレトは自分に言ってるのかい?」
「なっ―――」
「ハハハハ」
「ハハハハ」
彼にとって何度目かわからない別れだったが、いつもと変わらぬ最後にショーは満たされた笑顔をしていた。
「さて……最後に確かめなくては」
仲間と別れ、《エターナル》へ乗り込む。
ショーは次元の壁を越えるために力を使った。
「ふむ……世界再生プログラムの予定とは少し違うが、おおよその目的は達成できた、か」
そこは光が届かぬ世界。
フードを被って顔が見えないが、その声は低い男性の声をしていた。
男は水晶のようなものを見つめている。
水晶にはどこかの世界が映し出されていた。
「最高神の復活も近い」
不敵に笑みを浮かべる男。
誰もいない世界で男の笑い声が響いていた―――。
『やはりそういうことか』
そこに空から現れた白銀の《NB》
衝撃波を放ちながら地面に着陸する。
腹のコックピットが開かれ、青年が姿を現す。
「誰だ」
フードの男は静かに青年に問う。
青年はその質問には答えず、地面に降りてくる。
「ずっと感じていた違和感。あの世界のお前と話して以来、確信に変わったよ」
冷静に事実を述べるように淡々と話し始める青年。
「世界は一つじゃない。預言書通りに進んだことを確認するため、管理者以外にもそれぞれの世界に協力者が必要になるはずだ」
自分の考えを話しながら、フードの男へと近づく青年。
「それも神と同等の力を持った存在が」
「ほう」
「今まで巡ってきた世界とは大きく違うあの結末は歪められたモノ……すべてはおっさんという存在を消すためだったのか」
「貴様は……」
青年に危機感を感じたフードの男は、虚空から剣を出現させる。
「万物を消し去ったおっさんを恐れていたんだな」
「なるほど、お前も永遠を持つ男か」
納得のいった感じでそうつぶやくフードの男。
「そうだろう……数多の世界を見続けてきた、唯一の時の精霊」
青年は鬼気迫る感じで問い詰める。
だが、フードの男は無言で剣を構えた。
「私をそのような端末と一緒にされては困る」
時の精霊と呼ばれた男は不服そうにそう答えた。
互いに間にさらなる緊張感が走る。
「最高神の復活……邪魔はさせん」
「来るか……!」
自然な流れで戦闘へと突入する。
強大なエネルギーがぶつかり合い、大気を震わせていた。
「サイコパワー! 極限進化!!!」
「チートコード《N式》!」
「うおおおおおお!!!」
「はああああああ!!!」
異次元の力が激突する。
この世界の物語は終わりを迎えた。
だが……別の次元、別の新世界にて、最後の物語が始まろうとしていた。
ファイナルドラゴンテイルズ/アルティメットエディション 完
私は何を書き続けているのでしょうか?
次回最終章です。




