プロローグ
「ここは……?」
見知らぬ白い世界。
俺はそこにいた。
「ここはあなたの魂の場所です」
透きとおるような声に反応し、振り返ると
そこにはハンバーガーショップのレジのような
ところに綺麗なお姉さんがいた。
なるほど。
いや、どういうことだよ。
「あなたは?」
目の前にいるお姉さんに話しかける。
「私は……神です」
なんとも予想外な返答が返ってきた。
「神?」
「そう。あなたはトラックに轢かれて死んでしまったのです」
不思議と死んだショックは無かった。本当に不思議だ。
「そうだったんですか……」
「ですから、異世界に転生させてあげましょう」
「それはそれは、ご丁寧にありがとございます……?」
ここまでお膳立てがいいとなんか勘ぐってしまう。
「善意ですから。遠慮しないで下さい」
「マ?マジ卍」
良い人だ。
「セットでチートはいかがですか?」
それは如何様な物かは見当がつかなかった。
「あっ、じゃあそれももらっちゃおうかな……」
しかし、押しに弱い私は、
つい反射的に心にもないことを口に出してしまっていた。
「ありがとうございます。オーダー入りましたー」
「へい!かしこまりぃ!」
そうして、後ろの奥の部屋の人にに向けて、声をかける神様。
「札に書かれている番号が呼ばれるまでお待ちください。
次の方ー、どうぞー」
次?と、首をかしげながら後ろを振り向くと
見果てぬ先まで人の列が並んでいた。
邪魔になりそうなのでその辺に座り込む。
760と、番号が書かれた札を渡されて、だいぶ時間がたった頃にまた
声をかけられた。
「760番の方ー、用意できましたよー」
「あ、どうも」
俺は神様に会釈をして、振り返るとどこからか降り注いだ
光に包まれていく。
「それじゃあごゆっくりお過ごしください」
消え行く自分の体を見つめながら
少しの不安が押し寄せてくる。
これから自分はどうなってしまうのだろうか。