僕の居場所。1章『僕、誕生』
この小説を作るまで、色々な事がありました。
苦難を乗り越えるまで、本当に辛かったです……(笑)
でも、そんな出来事も経験の一つ。
何か伝えれることがあるのではと思い、小説にしました。
僕の今までを、写し上げた作品です。
ちっぽけな何かが伝われば良いなと思います。
5月24日、自転車を漕ぐ僕。
「急げ。早く。早くっ!」
血眼になって突っ走る。
「競輪でもやっているのか」と言われてもおかしくはなかった。
しかし、その競輪のような事をしていたのは平日の7時40分
当時中学生だった僕にとって、それは『登校時間』であった。
家から僕が向う先は※『札幌』であり『悪夢』であった。
きっと、「おぎゃー!」という超ハイテンションな産声を上げて産まれたのだろう。
今も残っている赤子だった頃の僕の写真は「顔面崩壊」と言わんばかりに笑顔で、
その顔からは純粋さが溢れ出ていた。
これが『渡辺俊介』の誕生である。
両親の二人はあまり仲がいいとは言えなく、
喧嘩してしまうのではないかと僕はいつも不安だった。
しかし、その不安は少しずつ薄れていった。
そして僕は4歳になり、幼稚園へ入園した。
生まれつきメンタルの弱かった僕は、
全く関係のない友達の喧嘩でも動揺で手が震えていた。
そんな僕を、友達として扱ってくれた親友がいた。
花見想人。体は幼稚園の中でも1、2番目に大きく、
皆に人気で、なにより優しかった。
そんな彼が、目立たなくて体も小さく心が傷つきやすい僕に構ってくれた。
僕は、幼稚園ながら心の底から喜んだ。
しかし、僕は裏切ってしまった―
※北海道の地名。道庁所在地。