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最弱(ゴブリン)生活に順応しすぎた結果、最強(ドラゴン)は堅実な努力に生きる。  作者: 秋月みのる
一章 何かがおかしいゴブリン生活
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孵化

とりあえずこの話まで改稿しました。

また何か変な点があったら感想か何かでご指摘下さい。

結構迷走してます。

直せれば善処します。


明日10月25日、19時30頃に次話投稿するつもりでいます。

改稿で割と時間喰ったので一話しか投稿できそうにないです。


 あれからというもの、ドラゴンは巣から出る気配がない。

 なんか、洞窟の中にずっといる。

 

 たまに食料として魔物を取りに出かけるが、十分程ですぐに戻ってくる。

 俺が洞窟から出ようとしてもすぐに飛んでくる。

 自傷訓練をしようと体内の魔力を操作しようとしても飛んでくる。


 一度、ドラゴンの目の前でいきなり血を噴き出したのがまずかったのだろうか。

 あれから異常に心配されている気がする。

 なんか滅茶苦茶監視されてる。


 おかげで俺は望んでもいないのに引きこもり生活である。

 もう一ヶ月近く外に出ていない。


 そんな俺には最近危惧していることがあります。

 最近、洞窟の中の卵の様子がおかしいです。

 時々動いたり、中から音がしてきます。

 

 一刻も早く破壊したいですがドラゴンの監視が緩まることがありません。

 折角ハンマーまで用意したっていうのに。


 ……はぁ。ドラゴンに子供が産まれたらどうなんだろ。


 生活がどう変わるか不安だ。

 まぁ、なるようになるしかないか。


 それより暇だ。


 洞窟を改築しようとしても崩される。訓練しようとしても妨害される。

 仕方がないから体術の訓練に明け暮れている。


 とりあえず二足歩行で立つ練習から。

  

 二本足でしっかり立ったら、俺は突きの訓練をやってみる。

 抉りこむように打つべし。打つべし。普通に打つべし。正拳突き。フリッカー。

 繰り出して気づいたが、相当にリーチが短い。

 足も短けりゃ手も短いのか。


 しかし、バランスがやたら取りにくい。足腰が弱いのか? 

 どうしても後ろに引っ張られる感覚がある。

 思えば走ったりすると背中の上部辺りに妙な空気の抵抗を受ける感じがするな。

 別に痛くもないからあんまり気にしてなかったけど、何かを地面に引きずるような感覚もある。

 俺は絶対背中側になにか問題があると思っているが、首は完全には回らないし、手も届かなくていまいち確かめることが出来ない。

 まぁ、勘だと羽か尻尾か何かあるだろうな。

 そのうち鏡なり水面なり確認してみようと思う。


 一応、そういう種類のゴブリンがいないわけじゃない。

 デビルゴブリンとか言う種族を見たことがある。

 確か蝙蝠のような羽と割と長めな尻尾があったはずだ。確か肌は黒かったかな。

 多分イメージ的にはあんなのだ。

 あれが通常のゴブリンから生まれるかは謎なところだが。

 まぁ、今更だろう。明らかに今世の体は普通のゴブリンより短足だからな。

 新種くらいに思った方がいいかもしれない。


 一瞬だけ立つ分にはそれほど問題ないのだが、ずっと立っているのはしんどい物がある。何度か突きを放つと倒れ込んでしまう。やや前傾姿勢なら立っていられるか?

 まだまだ今の体になれるのは時間がかかりそうだ。

 早いところ最適の動きを見つけないとな。

 最悪立たないで格闘術をやる日も出てくるぞ、これは。

 しかし、立たないで突きを来り出す方法ねぇ。

 難問だが不可能では無いはずだ。 

 実際の所、突き一つにしたって決まった正解なんてのはない。

 誰かの真似っていうのは近道のようで遠回りだって俺は思っている。

 誰かの正解が自分の正解とは限らないからだ。

 誰かの真似をしようとして真似できなくて泥沼に嵌まるのは仕方がない。

 元々、向いてないから出来るわけが無い。

 自分で体が動かしやすければ多分それが正解なんだ。

 百回も生きていれば同じゴブリンにしたって体の作りが違う事なんてざらにある。

 関節が柔かい個体もいれば、腕が長い個体もいる。骨が頑丈な個体もいる。短足なのもいる。

 遅筋が発達しやすかったり速筋が発達しやすかったりなんてこともある。

 身長や体重に到ってはほぼ毎回違う。

 それら全てが同じ動きが出来るわけが無いのだ。個体によって最適な動きは違う。

 前世の動きをなぞってもロクな事になったためしがない。

 躱せると思った攻撃を躱せなくて致命傷を負ったりとかな。

 だからこそ、何でも試してみるのが正解なのだ。

 試してみて今の体と過去の経験を照らし合わせる。今生きている体に向き合う。

 真剣に向き合えば体は答えてくれる。そして得意なことに主軸を置く鍛え方をする。

 それが一番いいのだ。

 突きの方向だって一つじゃない。

 最低でも上下左右に打ち分けられなきゃ使い物にならない。

 方向によって打ち方だって変える必要がある。

 出来る事のパターンが多ければ柔軟な戦況に対応できる。

 突きが終わったら蹴り。これはなんにでも当てはまる。

 剣にしたって槍にしたってそうだ。その武器にあった自分の最適を探すのだ。

 そして自分が使いやすい武器を使う。それでいいと思う。前世ではそれが剣だった。それだけの話だ。

 訓練ってのはひたすら繰り返し。

 繰り返しの中でひらめきがあったらそれを取り入れる。

 回数を追う事に発見は減る。そういったときは一度最初に立ち返ってみるといい。

 強くなる理由は自分が弱いからだ。

 弱いって事は強者に学ぶ必要がある。形象拳の考え方がそうだ。

 結局の所、強い奴と戦わないと強くなれない。自分に足りないところが見えない。

 限界は超えられない。そういった意味で実戦は必要だ。

 実戦でない場合、仮想でも敵を用意しておくことは重要だと思う。出来るだけ強い敵がいい。

 こう来たらこう動く。それが反射の域に達するまで何回でも動きを繰り返す。

 弱いゴブリンに生まれたら、あとは必然的に格上との連戦だ。生きること自体が戦い。

 必死に生きてりゃどうしたって強くなる。

 俺は大分強くなったとは思う。

 訓練で強くなったからこそ訓練の大切さは身に染みている。

 だから暇があったら何にでも真剣に取り組む。魔物を解体してみるのもいい。

 筋肉のつき方がわかれば筋肉の動きである程度次の動きが読めることがある。

 最後に我が身を助けてくれるのは積み上げた努力だけなのだ。

 

 ……はぁ、だからこそできればまだまだ未熟な魔法の訓練もしたい。

 でも魔法使おうとすると察知されるんだよな。

 だから出来る事をやろう。

 まずは立てるようになることが先決だな。


 

 

 しばらく訓練に明け暮れているとドラゴンが獲物を狩ってきた。

 迷彩柄の毛並みを持つアーミーウルフだ。俺はこの魔物にあまりいい感情を持っていない。

 こいつらは一匹一匹は弱いが非常に厄介な事に百匹単位の群れを作る。

 そして、迷彩柄だから森の中で見つけるのは難しい。まさに森の暗殺者。

 何より、俺の人間時代にとどめを刺した魔物である。

 だが、肉としてはそれなりに美味い。ありがたく頂こう。


 俺が狼の肉に貪りついていると、ピキピキッと音がし始めた。

 何が起きたのかとそちらを見ると、卵の殻に罅が入っているのが見えた。

 外からの衝撃には強かったが、中からの衝撃には割合弱いらしい。

 

 段々と罅が大きくなり、卵の殻は最後には粒子化するようにはじけ飛んだ。

 どうやら特殊な魔力で作られた殻だったらしい。殻は完全消滅してしまった。

 衝撃に強かったのは何らかの魔法的防御が働いていたと言うことだろうか?


 殻がなくなった事で代わりに現れたのが一メートルくらいの大きさの黒いドラゴンの雛。

 ドラゴンらしく硬そうな鱗にその身が覆われている。


 ……ついに、孵ってしまったのか。


 そして、その黒いドラゴンは俺を見るなり、にやっと笑った気がした。

 あれは捕食者の目だ。間違いない。

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