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二度あることは三度ある



幼なじみの漢良庵(かんりょうあん)と別れた後、蒼杏樹(そうあんじゅ)は後宮の外にある書庫に向かっていた。近道で書庫に行くためには途中で屋根のない道を通るしかなかった。あいにく、今日は雨が降っていた。雨傘を持っていなければ、大抵の人はこんな日にこの道を通ろうとしないだろう。だが、良庵に構っていたせいで戻るのが遅くなってしまったという言いわけが通用するほど仕事は甘くない。少しでも早く戻りたかった杏樹は多少濡れてでも近道を選んだ。屋根がない道の床は濡れていた。途中に大きな水たまりができている。杏樹は衣の裾を持ち上げて走った。仕立てていないままの長い衣を汚さず、つまずかないためである。水たまりを避けて無事に王宮内の書庫に着くことができた。杏樹は目的の書物を見つけ、後宮に帰ろうとしたとき、また同じ帰り道を選んだ。右手には5冊の書物を抱え、左手は衣の裾をできるだけ掴んで持ち上げた。辺りを見渡して誰もいないことを確認した。いつもおしとやかでいるはずの後宮女官がこんな無様な姿を晒してはいけないからだ。杏樹は走り出した。先程避けて通った大きな水たまりを今度はジャンプして飛び越えようとした。



スタスタスタ…ツルッ…ドテッ



床は濡れて滑りやすくなっていて、ジャンプする為に踏み込んだときに滑って転んでしまった。一度起き上がって立ち上がり、書物を拾って走り出そうとした時、



ドテッ



また転んだ。次は裾を踏んでしまったのだ。


「なんで今日はこんなにツイてないのーーー!!!しかも母上から貰ったばかりの新しい衣もこんなに濡れて汚してしまったわ……」



雨は降っていたけど、その場に座り込んでわんわん泣いていた。いつもだったら良庵が「何やってんだよ、バカかよお前」って言いながら助けに来てくれる。だけど、今日は来てくれなかった。


良庵だって暇じゃないものね…お仕事で私になんて構ってられないことだってあるわよね…と自分に言い聞かせていた。


「何よ、わたし良庵にフラれたみたいじゃない……」


そう呟いて空を仰いだときに異変に気がついた。



衣で空が見えない!!!!なんで!!!!








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