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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第1章 スローライフ魔王城
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89 フォーレの一日 その2

 エアと一緒に空中散歩するのはぁ、思ったよりも楽しぃ。

 心地のいい風が吹きつけてぇ、髪や服をゆらりとなびかせるのぉ。

 スピードが出ているのにぃ、気持ちいぃのはエアのおかげだねぇ。風を上手く調整してくれているよぉ。

「フォーレ、かゆいところはない」

「もぉ、背中を流してるんじゃないんだからぁ」

 きっとエア流のジョークなんだろぉなぁ。あたいにはわからないけどねぇ。

「いい感じに空も飛んだし、そろそろ着陸するよ」

「わかったぁ」

 返事をしたらぁ、エアはゆっくりと高度を落としていったぁ。

 肩の握り具合も痛くないしぃ、飛んでるときも危険は感じなぁい。これならぁ、おとーを任せても大丈夫かもぉ。

 着地地点におとーが心配顔をして近寄ってくるぅ。

 たぶんあたいが落ちないか心配しているんだろぉなぁ。おとーも心配性だなぁ。んっ、あれぇ。

「着陸完了。お空の旅はいかがでしたか」

 あたいの足が無事に地面へ着くとぉ、キャビンアテンダントなノリでぇ、エアが元気に肩から降りたぁ。

「飛んでるときは凄くよかったよぉ」

 おとーがいてもたってもいられないって感じでぇ、駆け寄ってきたぁ。

「フォーレ、無事か。よかった。いつもみたいに落ちやしないかとヒヤヒヤしてたぜ」

「あー、父ちゃんてばウチを信じてなかったな。いつもはシャインだから落としているんであって、落ちちゃってるわけじゃないんだよ」

 エアは両手を腰につけるとぉ、前のめりになってプンプンおとーに怒ったのぉ。

「いや、ちょっと待て。今の言い方だとシャインをわざと落としてるように聞こえるんだけど」

「もちろんわざとだよ。シャインの不死身さを鍛える特訓にもなるし、一石二鳥だよ」

 手をグッドの形にしてぇ、憂いなく言い放ったのぉ。ブレないところが凄いと思ぉ。

 おとーなんてぇ、どう答えていいかわからずにぃ、うろたえているしぃ。

「そっかぁ。どおりでぇ」

「さすがフォーレ。理解が早いね」

 うんうんうなずいていたらぁ、エアが背中をバシバシ叩いてきたぁ。ちょっと痛ぁい。

「そうじゃないよぉ。シャインはぁ、この際どうでもいぃんだぁ」

「何気にフォーレもひどい言いようだな」

 なんでか知らないけどぉ、おとーに呆れられちゃったぁ。シャインの扱いなんてぇ、そんなもんなのにぃ。

「じゃあフォーレは何に気づいたの」

「着地が雑だったのぉ。いつもシャインを落としてぇ、着地の練習をしていなかったんだなぁって」

「あっ」

 エアは今気づいたとばかりにぃ、顔をびっくりさせたのぉ。

「でも、着地なんていつもやってるし、そこまで練習する必要ないかなって。あはっ、はははっ」

 黄色いショートヘアを掻きながらぁ、ニコ目でごまかそぉとするぅ。

「あたいなら別にいいんだけどぉ、エアの目標はおとーでしょぉ。だったらぁ、わかるよねぇ」

 おとーの弱さは異常ってレベルだよぉ。油断なんてぇ、できないんだからぁ。

「あっ、うん。これからはシャインをできるだけ落とさずに練習するよ」

 じっと見つめて訴えたらぁ、エアも反省してくれたみたぁい。万全じゃないとぉ、おとーは任せられないもんねぇ。

「なぁ、俺ってそんなにも頼りねぇのか?」

 おとーの情けない質問にぃ、あたいたちは揃って頷いたのぉ。

「あぁ、そぉ。そぉなのか」

 乾いた笑いを上げながらぁ、ズーンって四つん這いに落ち込んじゃったぁ。

 仕方ないからエアと一緒にぁ、背中をさすって慰め(なぐさ )たんだぁ。

 あたいたちはぁ、おとーを貶め(おとし )たいわけじゃなかったんだよぉ。ごめんねぇ。


 昼食の時間になってもぉ、シャインが顔を出さなかったのぉ。

 さすがに心配になったからぁ、様子を見にいってみたんだぁ。

 そしたらぁ、まだ床に転がってしびれていたのぉ。

 ちょっと反省だねぇ。次は弱めのし○れごなにしておこぉ。しびれを治す薬もぉ、作れるようになった方がいいのかもなぁ。

「ごめんねぇシャイン。ちょっとやりすぎたみたぁい」

 あたいが謝ったらぁ、すがすがしい顔でサムズアップが返ってきたのぉ。震えてゆっくりだったけどぉ、余裕はある感じぃ。

 反省は間違いだったかもぉ。でもぉ、薬の調合はやってみたいなぁ。

 シャインをおいてぇ、昼食を食べに行ったんだぁ。


 お昼寝の時間に戻ってきたらぁ、シャインはすっかり復活していたのぉ。

 うっぷんでも溜まっていたのかぁ、動けなかった分を取り戻すようにうるさくなったぁ。

 ヴァリーに平手打ちされてぇ、シェイの瞬○殺を食らっても立ち上がったぁ。

 あたいのね○りごなを食らうまでホントにうるさかったなぁ。

「何よまったくー。今日のシャインは一段とめんどくさいんだからー」

「同感です。よもやアレを食らって立ち上がるとは」

 ヴァリーはプンスカ怒ってぇ、シェイは息を荒げて驚嘆(きょうたん)したぁ。

 エア、シャインは不死身になりすぎてぇ、手がつけられなくなっちゃっているよぉ。

 あたいが恨みがましくエアを見るとぉ、平和にお昼寝していたのぉ。

 あまりの豪胆(ごうたん)さにぃ、怒っているのがバカらしくなってきたのぉ。だからアクアにお水をもらってお昼寝したんだぁ。


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