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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第9章 深怨のヴァリー
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559 遠くに潜んで種を蒔く

「ムダに崖っぷちに建ってるねぇ。ヴァリーのお城ぉ。キャッスルプリンセスだったかなぁ」

 アタイはヴァリーに見つからないようにぃ、崖の下から豪華で大きなお城を見上げたよぉ。童話に出てくるお姫様が暮らしてそうな外見だぁ。

「ヴァリーってたぶぅん、お城を棺桶(かんおけ)にする気ゼロだよねぇ」

 贅沢に暮らす為に作られてるもぉん。勇者との戦場にする気はないねぇ。城中はぁ。

 ヴァリーのお城に出入りする為のぉ、崖を見上げるぅ。ガードレールっていうかぁ、落下防止の柵が全く見当たらないんだよねぇ。歩くには充分な道幅だけれどぉ、戦闘するとなると狭ぁい。

「どう見ても殺す為に作られた戦場だよねぇ。まぁ、細く曲がりくねった先に豪華なお城が建っているって見た目にもぉ、拘りはあるんだろうけどもぉ」

 ヴァリーの動向を確認する為にぃ、ハード・ウォールを見て思ったもぉん。戦後に復興させる手心がぁ、全く与えられてないってぇ。

 例えこのままアクア達が勝ったとしてもぉ、このままじゃハードウォールが滅んじゃうよぉ。

 本当は手出しする気なかったんだけどぉ、少しぐらい食料やその種を恵まないと先がないからねぇ。

「バレない程度に最低限の支援はさせてもらったよぉ。加減が難しいしぃ、アタイの存在を勘付かれちゃいけないからねぇ。残念だけど追加はできないなぁ」

 生きる環境を壊された人達が不憫(ふびん)に思うけどぉ、バレない事が最優先なんだぁ。

 キャッスルプリンセス付近の崖下辺りにしゃがみ込んでぇ、種を一粒植えるよぉ。

「たぶんここら辺かなぁ。一応予測は立てるけどぉ、生き残れるかは運次第だねぇ。それぇ」

 白衣の内側に仕込んでいた試験管を取り出してぇ、中の液体を植えた種にかけるぅ。すると急成長を遂げてぇ、早速小さくてかわいい芽を出したよぉ。

「あんまり急成長させすぎるのもかわいそうだからねぇ。それでもいざという時には間に合うでしょぉ。たぶぅん」

 アタイは立ち上がるとぉ、んーって伸びをしてから場を離れるぅ。キャッスルプリンセスの対面にある崖の方には、頑丈でしなやかなツタが這ってあるよぉ。

「アタイ自身が上までツタを伸ばしてぇ、身体を引っ張り上げればあっという間に登れるんだけどねぇ。地道に登って強度の確認しなくちゃぁ」

 這ってあるツタに手と足をかけながらぁ、一歩ずつ登っていくぅ。

 たまには運動しなくっちゃぁ。上り下りを毎日十セットぐらいやったらぁ、アタイでもSAS○KEに出れるかなぁ。某少年の殺人トリックとかもできるようになったりしてぇ。

「アクア。ヴァリーは想像以上に外道な手段を使ってくるよぉ。あんまりフォローできないけどぉ、負けちゃダメだからねぇ。アタイはアクアと戦うのぉ、楽しみにしてるんだからぁ」

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