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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第9章 深怨のヴァリー
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558 お人形遊び

 天蓋(てんがい)付きの広ーいベッドにー、水色の髪した男が裸で仰向けになってるよー。瞳はトロンと恍惚(こうこつ)しててー、もーヴァリーちゃんの(とりこ)だねー。

 かくいうヴァリーちゃんもマッパなんだー。若い男と女ー、やる事と言えばアレしかないよねー。

「んふふー。ヴァリーちゃんのなか気持ちよかったかなー。夢見心地で天にも昇っちゃう気分だったでしょー」

 返事はないけどー、荒い息をしてヴァリーちゃんの事を見つめてくるよー。かあいい男の子だねー。ヴァリーちゃんにメロメロじゃーん。

「身体を重ね合ってー、ヴァリーちゃんの体液が身体に染みこんじゃってるんじゃないかなー。丁寧に馴染ませるようにヤったもんねー」

 人差し指で男のお腹をつーっと滑らせるとー、(うめ)き声が返ってきたよー。欲しがりさんなんだからー。

「今なら他人であるアナタの骨もー、ヴァリーちゃんが自在に操れちゃうんじゃないかな―。ちょっと試してみよっかー」

 男に見せつけるように開いた手のひらを見せてー、何かを握り潰すようにギュっと閉めるー。

「がっ! あぁ……」

 目を見開いて情けない断末魔を上げるとー、血を吐き出したよー。お腹を突き破った肋骨がー、臓物(ぞうもつ)を握り潰すように閉じてるねー。

「キャハハ。人生最後の体験になっちゃったねー。ヴァリーちゃん優しーからー、直々に地獄まで送り届けてあげたよー。あー、そーそー」

 一頻り笑った後で、ヴァリちゃんのお腹に手を当てて魔力を込めるよー。ポワっとなかに入ってたー、白い体液を取り出すー。

「あんたの子供なんてヴァリーちゃん要らないからー、コレはオマケをつけて返してあげるー」

 生命の種にヴァリーちゃんの魔力を混ぜ込んでー、男の身体の中に埋め込んだよー。

「これで新鮮なアンデットのできあがりだねー。アナタには重役を任せるからー、シッカリ役に立ってねー」

 ただのアンデットを作るだけなら簡単に済ませれるー。でも人を(あざむ)けるほどとなるとー、どうしても手間がかかっちゃーう。

「趣味の悪い人形遊びね。ヘドが出るわ」

 (えつ)(ひた)ってたらー、女性が話しかけてきたー。

「お人形遊びも案外楽しいんだよー。童心に返ってやってみたらどー」

 不機嫌な表情を浮かべる彼女にー、親愛を込めた笑みを返すよー。

「ふん。わたくしは姑息(こそく)な人形遊びなんて好まなくってよ。思うがままに操るなら、もっと大々的かつ大事でないとつまらなくてね」

 鼻につく態度はー、常に人を見下しているように感じられるー。

「キャハ。アナタのそーゆーゲスなところー、ヴァリーちゃんは大好きだよー。やっぱりワガママは何を利用してでも通さなくちゃー」

 人が好意で笑いかけているっていうのにー、ひたすら冷たい視線を浴びせてくるよー。もうゾクゾクしちゃーう。彼女なら()の為にー、どこまでも残酷な事を仕出かしてくれるねー。

「今回のヴァリーちゃんの戦略はアナタの立ち回り次第なんだからー、小者みたいなヘマはしないでねー」

 相性がいいから気に入っているけどー、不遜(ふそん)な態度が鼻につくから挑発してやったわー。

「アナタこそ、調子に乗って余計な行動をしないよう(つつし)みなさい」

 愚かなほど過剰な自信が頼もしいねー。せいぜいヴァリーちゃんの箱庭で演技して見せてー。期待してるんだからー。

 これからの展開を想像するとー、ワクワクが止まらないやー。

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