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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第9章 深怨のヴァリー
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545 暗躍の芽

 タカハシ家二階建て一軒家のぉ、二階の窓からヴァリーが旅立ったのを確認するよぉ。

「出かけたねぇ、勇者と戦う為にぃ」

「フォーレも行くんだろ。ヴァリーが暴走しすぎたら父さんが困ってしまう」

 アタイと同じようにぁ。グラスがヴァリーを見下ろしてるぅ。

「バレないように時間をおいてからねぇ。ヴァリーのワガママを通させるつもりはないしぃ、アクアのサポートもしたいよぉ」

「お前らはホントに仲がいいな。まぁアクアに注目する理由もわからんではないが」

 グラスも何だかんだでぁ、アクアの事認めてるからねぇ。

「ところでグラスぅ、アタイも武器を(たしな)みたくなったんだよねぇ。作ってぇ」

 気付いたらみんな武器を使ってたからねぇ。アタイだけ武器なしはちょっと寂しいかなぁ。

 ねだってみたら溜め息が返ってきたぁ。お前もかみたいな感じぃ。

「っで、どんな武器が望みだ」

 めんどくさそうだけどぉ、作ってはくれるみたいだねぇ。アタイは口元に人差し指を当てながら天井を眺めたよぉ。

「んっとぉ。意外性があってぇ、取り回しが単純な武器がいいかなぁ」

「抽象的すぎる。具体的に」

「ビーチバレーボールぐらいの鉄球に鎖がついてるやつぅ。鎖は両肩から両脇にぃ、クロスするように身につけるんだぁ」

「チャン・○ーハンじゃないか!」

 白衣姿に鉄球装備はぁ、絶対にド肝を抜かせると思うんだよねぇ。

 けどアクアを驚かせるにはぁ、ヴァリーを敗北に導かないとだよねぇ。なんたってぇ、おとぉの背中を押したのはアタイなんだからぁ。

 チェル様に憧れていた昔のおとぉはぁ、大きな恋の(つぼみ)だったんだよねぇ。咲かせたら絶対にステキな事になるってぇ、傍にいるだけで感じられたぁ。

 だからぁ、実らせる事にしたぁ。例えアタイが最後まで見届けられなかったとしてもぉ、凜と咲いた姿はとてもステキでかっこいいと確信したからぁ。

 ヴァリーも蕾を咲かせる為の肥料だけれどもぉ、いきすぎた栄養は毒にもなっちゃうからねぇ。腐らせない為にもぉ、枯らさない為にもぉ、ヴァリーには散ってもらわなくっちゃぁ。

「アタイとヴァリーのタカハシ家最弱決定戦をやってる間にぃ、鉄球の制作頼んだよぉ」

「待て、ホントに鉄球で戦うつもりか。それに最弱って、フォーレの方が確実に強いだろうが」

 身を乗り出しながら大声でグラスが叫ぶよぉ。今回はボケたつもりなかったんだけどなぁ。

「フィジカル面だけみれば間違いなく最弱はアタイだよぉ。ヴァリーも弱さでは負けてないと思うけどねぇ。だからぁ、証明してくるよぉ」

「戦いはフィジカルだけじゃない事を証明したのはフォーレだろうが。それに、タカハシ家で最弱といったら父さんじゃないか?」

「おとぉの弱さは殿堂入りだよぉ。比べちゃいけない高みなんだよぉ」

 誰もが認める弱さだからねぇ。だからこそぉ、保護欲に駆られちゃぁう。

「もういい。昔から口でフォーレには勝てないよ」

「どういたしましてぇ」

 笑顔でお礼を言うとぉ、グラスはガシガシと頭を掻いたねぇ。

「あー。フォーレなら問題ないと思うが、しくじるなよ」

 思ったより信頼されてるねぇ。アタイも頭を全力で回さなくっちゃぁ。

「期待には応えなくっちゃねぇ」

 ニマリと笑顔を見せるとぉ、グラスも安心したように微笑んだぁ。

 ヴァリーから遅れて一日ぃ。アタイもハード・ウォールへ向けて出発したよぉ。

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