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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第8章 色欲のシャイン
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536 花の決意

 おとぉ用のおかゆの土鍋をぉ、弱火でじっくり炊きながらアタイ達用のおかずを作るぅ。

 今日のお昼はチンジャオロースだよぉ。

 テーブルではぁ、グラスが座って待っているねぇ。

「ススキには感謝しないとねぇ。出逢いこそ殺したいほど最悪だったろうけどもぉ、五年の歳月を()て立派な愛情に育ってくれたよぉ」

「その事なんだがフォーレ、俺はどうにも()せない。なぜチェル様で事が円滑(えんかつ)に進まなかったのだ」

 まぁグラスの疑問ももっともだねぇ。おとぉとチェル様がぁ、互いに想い合ってるのは明らかだもぉん。

「今回はぁ、噛み合ってなかったんだと思うよぉ」

「噛み合い?」

「チェル様は弱ってるおとぉを支えようとしていてぇ、おとぉはチェル様に情けない姿を見せないように強がっちゃてったんだよねぇ」

「父さんは妙に強がる癖があるからな。弱いのはみんな知っているのだから、もっと俺達を頼ってくれればいいのに」

 それこそぉ、おとぉは意地が働いちゃうんだろうなぁ。

「二人してぇ、相手を受け入れる態勢を取っちゃってたんだよねぇ。歯車の(とつ)と凸がぶつかり合っちゃってるのがいい(れい)かなぁ。下品に言い直すとぉ、男のイチモツ同士を互いに突き合せるようなぁ、わけのわからない状態だねぇ」

「おいフォーレ。下品に言い直す必要性がどこにあった?」

 おかゆの優しい湯気が漂うねぇ。殆どチンジャオロースの強い香りに負けちゃっているけれどもぉ。

「対してススキはぁ、受け入れる態勢のおとぉに甘えるって形で突撃したんだよねぇ。歯車が噛み合ったってわけぇ。下品に言い直すならぁ」

「だから下品に言い直すな。どストレートな下ネタが浮かんできたぞ」

 あらぁ。ボケる前に潰されちゃったぁ。

「人肌を感じ合えるのって偉大だよねぇ。おとぉの活力が少し戻ってきたもぉん。コレなら次アタイが戦いに出てもぉ、おとぉと勇者との決戦までメンタルがもつだろうねぇ」

 チンジャオロースを皿に移してぇ、テーブルに運ぶ為に振り返るぅ。グラスが険しい表情で睨んでたよぉ。

「七番手が理想だったと記憶しているぞ。ソレに俺も出番が待ち遠しい」

「順番を決めるのは勇者の役目だけどぉ、グラスには大トリに回ってほしいなぁ。純粋に一番強いんだしぃ」

「俺なんかよりフォーレの方が適任だろう。勝負の強さで言えばそちらに軍配があがる」

 最後の模擬戦でぇ、アタイが本気出して全勝した事を根に持ってるねぇ。あんなのはちょっとした小手先だけの意趣返しだったしぃ。

「仮に全員の理想通りの順番だっったらぁ、ヴァリーが大トリになるよぉ。ちょっとよろしくないよねぇ」

「確かにヴァリーが最後だと不安が残る。俺達の中では間違いなく弱い方だが、得体(えたい)の知れない何かを隠していそうだ」

 だよねぇ。どんな順番になろうとぉ、ヴァリーを最後にだけはできないよぉ。

「だからいざって時はぁ、アクアにメッセージで順番操作してもらってねぇ」

「承知した、ができたらルールに抵触したくないな」

「アタイも同じ気持ちだねぇ。それでもってぇ、早くアクアと戦いたいよぉ。いい加減咲きたくなってきたからねぇ」

 グラスの視線がぁ、アタイの頭の方に向いたよぉ。

「そういえば咲いているところを見た事ないな。頭に生えている植物は何かの花なのだろう」

「まぁねぇ。そんでもってぇ、アタイのとっておきでもあるんだぁ。咲き所は決めてるんだからぁ」

「楽しそうだな」

「勿論だよぉ」

 アタイだってぇ、戦う準備は万端なんだからねぇ。

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