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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第8章 色欲のシャイン
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521 風の役割

 全てのカードを風の密集体へと飲み込ませ、いつでも発射できるように(そな)える。

「知ってる攻撃ね。羽を飛ばすヤツのカードヴァージョンってところかしら。案外手札出しきっちゃってんじゃないの」

 エリスがその攻撃は既に見切ってるとでも言いたげな自信満々の笑みで、矢を乱射してくる。

 痛い指摘だけど、わかっているからといって対処が出来るとは限らないんだから。

「舐めないでよね。確かに中身が違うだけの攻撃だけれど、その中身が重要なんだから」

 エアスポットからカードを射出し、向かってくる矢を弾く。

「なっ!」

 目を見開いてる場合じゃないよ。そんな事にいちいち驚いてたら、生き残れないんだから。

 生まれた射線へねじ込むように、かまいたちを放つ。

 舌打ちしながら退(しりぞ)くエリスだけど、ソコは危険だよ。左右にウチのエアスポットがあるから。

「それっ、射出(しゃしゅつ)!」

 カードはカーブを描きながら、エリスの肌を切り裂いて別のエアスポットへと回収される。

「くっ、(するど)い。やっぱり一筋縄じゃいかないみたいね。アクア、ホントにエアから狙っても大丈夫なの」

 足を動かし矢を放ちながらアクアへと確認するエリス。

「強いかもしれないけど、間違いなくエアから倒した方がいい。シャインは終わりが見えないし、室内(ここ)には空って武器がないから」

 アクアが水圧やトライデントを飛ばしながら、戦いの核心を突いてきた。

 さすがは姉ちゃんだね。ウチが失ってる武器を直感してるんだもん。どこまで本質に気付いてるかは別としても、痛い事を言ってくれるよ。

 水圧を避け、トライデントをカードで弾きながらも反撃をする。カードで、風で。

「確かにエアは窮屈(きゅうくつ)そうだけれども、翼を出してない分ちょこまかしていて攻撃が当てづらいわよ」

「そんな文句言いながら的確に矢を飛ばしてくるのやめてくれないかな。ウチだって結構危ういんだから」

 カードを射出して弾こうとはしてるんだけど、もう既に癖を覚えたようた感じなんだよね。弾けない矢が数発残ってんだもん。

 こっちは全部撃ち落とすつもりでカード放ってるのに。

 すり抜けてくる矢を避けながらも隙を見て反撃を繰り返す。エリスとアクアの二人を同時に対処しないといけないからキツいね。

 遠距離攻撃だけだと火力に欠けるし、接近戦を仕掛けられるほど器用には立ち回れない。

 かなり甘めに判別して、拮抗(きっこう)状態ってところかな。距離をとっている分、ウチもアクア達も決め手に欠けてる。

 でも実際はウチがジリ貧。武器(カード)が一枚ずつ破損してきてる。このままじゃ手数で押し潰されちゃうけれども、それでも時間を稼がないと。

 今回のウチは、シャインが満足に戦えるようにする為のサポーターなんだから。

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