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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第8章 色欲のシャイン
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520 それぞれの標的

 氷の盾なんて()端微塵(ぱみじん)だね。シャインの体重と馬力、加えてウチの風で追い風を吹かせて速度を増したんだもん。スピードの乗ったウチのおでこに砕けない物なんてないよ。

「見たまえエア。いい感じに勇者達が分れた。ここからは手筈(てはず)通り、ミーがアクアとエリスの相手をしよう。エアはその他の足止めに(はげ)みたまえ」

 イキイキとしたシャインの横顔が気に(さわ)るけど、今回のメインはシャインだもんね。

「わかってるって。できる限り長く足止めしてあげるから、シャインも楽しんで」

「エアぁぁぁぁあっ!」

 ジャスとワイズに狙いを定めようとした瞬間、気合いが入ったアクアの叫びが愛の巣に響いた。

 振り向くと、ウチにトライデントを向けて突進してきてたよ。

「熱烈だね。けどアクアの相手はシャインの方だよ」

「その通りだアクア。せっかくミーがいるのだから余所見(よそみ)しないで、おっと」

 シャインがアクアの前に出ようとしたところで、矢が鋭く飛来する。反射的にシャインが()けた事でウチが無防備にされたよ。

「ちょっ、危なっ!」

 とっさに飛んで宙に逃げる。愛の巣の天井は高めに造ってあるけれども、自由自在に飛び回るには広さが足りない。

「エリス。まずはエアを倒すよ!」

「任せてアクア」

 ほらきた。宙に逃げた瞬間に矢の嵐。しかもシッカリと属性や緩急つけてるから()けづらいったらありゃしない。

 室内って利点を生かす為に天井や壁を蹴りながら逃げ回る。

「やれやれ。ミーと言うメインディッシュがあるというのに、君たちは好物を後から食べる口なんだね。けど、ミーも黙っちゃいなっ!」

「サンダースピアっ!」

 シャインがウチの援護(えんご)に回ってくれそうだったけれども、ワイズの雷魔法で阻止された。

「おい馬野郎。テメェの相手はこっちだぜ。対抗する気はねぇが、アクア達より早く片付けてやるよ」

「ゴミくず以下の度胸だ。気は進まんが、ミーの手で早々に掃除せねばなるまい」

 挑発に乗ったシャインが、ワイズとジャスへ殺気を向ける。

 シャインって男が相手になると一瞬で沸騰するよね。まっ、その方が本領発揮できるから願ったりだよ。後はウチがどれだけ戦えるか、ってえ。

 矢を必死に避けていたら、無数の水球にまで囲まれてるし。アクアっ!

 驚いて視線を向けると、青い瞳と目が合ったよ。

「いくよエア。ゲリラ槍雨(そうう)

勘弁(かんべん)願えないかなあっ!」

 水球ひとつひとつがトライデントへ形状し、ウチを貫かんと四方八方から飛来する。矢だけでも厄介なに槍なんて追加しないで欲しいね。殺意高すぎるってもお。

 風圧で弾きつつ必死に逃け回りながら、お尻のポケットに入っているカードケースに手を伸ばしたよ。

「エアスポット! こうなったら(やぶ)れかぶれだっ!」

 愛の巣内部の十数ヵ所に流れる風が密集するスポットを造り、カードケースから全カードをバラ撒いたよ。

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