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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第6章 本影のシェイ
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397 万全のシェイ

「あの子達もよく働いていますね。やはり自分と運命を共にさせるには惜しいです」

 直属の奴隷部隊の活躍を耳にし、時には影から見守るたびに生きてほしいと強く願います。

「きっと自分たちタカハシ家が勇者に討伐された後のイッコクで、世をいい方向へ導いてくれる事でしょう」

 暗がりの大広間で一人、アキ達の未来を夢想して微笑む。完全な行き当たりとは言え四年前の拾い物が成長してくれた事が嬉しく、未来を想像するのが楽しい。

「戦闘奴隷部隊だけじゃありません。どの部隊の奴隷も一線級の実力を身につけてくれました。他人事(ひとごと)だというのに、こうまで自分事のように感じてしまうとは」

 直近の出来事ではヒナの死が思ったよりも大きいショックでした。諜報とメイドの双方をやれる人材がヒナだけだったとは言え、死地へ向かわせる行為がこうも身を引き裂いてくれようとは。

 改めて最期に手を下したのがデッドでよかった。ヴァリーだったらどうなっていたか、想像もしたくありません。

「ヒナ一人でこの身の焦がしよう。これ以上は体験したくないです」

 もう数日も経てば勇者一行がシャトー・ネージュに到着する。常闇城へと誘導する手はずはもう間もなく整う。

 まず勇者が頼るであろうマリー派貴族はほぼ半壊しています。勇者を受け入れられる状況ではない為、拠点には出来ないでしょう。

 そこでこの間得た貴族の娘が使えそうです。家族が数少ないまともな貴族かつ、影響力もそこそこに大きい優良物件でした。

 イツキと仲がよさそうですので、家族当てに手紙をしたためさせますか。人質として使い、その家族から救出依頼を出させれば勇者も気合いを入れましょう。

「勇者を誘導する役が必要ですね。適役がイツキしかいませんか」

 少々危険ですが致し方ありません。安全第一で事を運ばせましょう。

 諸々の作戦を立てねばなりませんし、自分のコンディションも万全に仕上げねばなりません。

 勇者一行を想定したイメージトレーニングを続けなければ。得ている情報を元に、繰り出してくる攻撃を想定して特訓を繰り返す。

 虎の子のブレイブ・ブレイドですが、古典的な方法とはいえ攻略は可能でしょう。

「場合によっては、勝ってしまうかもしれませんね」

 慢心とは言え、半ば勝利を確信してしまっています。それでも因果律によって敗北するでしょうが、シナリオは勇者にとって最悪なものになるやもしれません。

「ひょっとしたら勇者(ジャス)しか残らないかもしれませんよ。ふふっ」

 アクア、自分はアクアの大切な物を奪ってしまうかもしれません。

 戦いの過程を想像するだけで笑みがこぼれてしまいました。

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