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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第5章 毒牙のデッド
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365 縦横無尽

「その思い上がった自信と殺戮(さつりく)、オレが止めてやる。フリーズ!」

 ワイズが威勢と共に氷結魔法を放つ。

「誰が止まるか。ストリングプレイスパイダーベイビー」

 複雑な形をしたクモの巣を天井付近に張って遮断をし、凍結魔法を防御する。

 カチコチに凍てついてゆくクモの巣が、パリンと音を立てながら落石にぶち抜かれて砕ける。

「なっ、ざけんな! そんなデケぇのポイポイ落としてくんじゃねぇ!」

 堪らず逃げに入るワイズ。直撃こそ回避した物の、落下の衝撃に押されて地面に転がってしまう。

 痛みを抑えながら起き上がろうとするワイズに天井から影が迫る。

「上だワイズっ!」

 ハッと見上げるワイズに、八本の鋭い足が迫る。

「空中のデカい的を射抜けないほど、アタシの腕はへなちょこじゃないわよ!」

 急襲を仕掛けていたデッドに、矢の連射が迫る。

「くだんねぇ。僕が逃げれねぇとでも思ってんのかよ」

 デッドは天井にクモの糸を伸ばすと、自由落下から方向転換をして射線から外れた。

 更に天井から床にかけてクモの巣を張り、真横に着地する。

「ホント一筋縄じゃいかないわね。射抜けるまで何度だって放ってやるわよ」

 言い張りながら弓を引くエリスに、デッドは手のひらを向けた。

「遠距離攻撃がテメェの専門特許だと思うなよ」

 白い固まりが発射されたかと思った次の瞬間には、展開してクモの巣状になった。逃げ場を覆い尽くすようにエリスへと迫る。

「ちょっ、焼けろぉ」

 引いていた矢に火炎属性を付与して迫るクモの巣を連射、焼け落ちて空いた空間に身体を潜り込ませてどうにか難を逃れる。

「デタラメに広い攻撃なんてかまさないでよ……って、嘘でしょ」

 通り過ぎたクモの巣へ振り向きながら文句を言うエリスだったが、そのまま後方に張られたクモの巣に愕然とする。

 後ろ一面の回避経路を塞がれた。

 攻撃力も然る事ながら、張られるクモの巣のスピードも段違いに上がっている。おまけにデッドは、足場を選ばずに着地を出来る。

 クモの巣を張るほどデッドは自由を増やし、ボクたちは自由を減らされる。

 わかりやすいほど長期戦が不利だ。けど短期決戦も望めない。

 デッドの立ち位置状、接近するまでが難しい。距離が離れていると一方的に攻撃されてしまう。

 いかに素早く接近し、少ないチャンスで斬らなければ勝機はない。

「んじゃ、そろそろクモの巣に捕らわれてみっか?」

 デッドが標準をエリスに定め、手のひらを向ける。

 クモの巣を放とうとした瞬間、クミンが大剣を振りかざして跳びかかった。

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