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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第5章 毒牙のデッド
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355 いざ蠢きの洞窟へ

 どんよりとした曇り空が陽を遮断している。直に降ってきそうだ。

 屋外での戦いだったら視界の不利を強いられていたかも知れない。無論、敵も同条件であろうけども。

 進行するメンバーはボクにワイズ、クミンにエリス。そして見学者のアクア。合計五人だ。

 ロンギングの衛兵達はヴェルクベルクの守備に全て注ぎ込んだ。

 騎士隊長から批判の声も上がったが、ボクたちが進行している隙を突いて村を襲われないとも限らない。

 という(てい)で納得してもらった。道中の魔物相手なら戦えそうだが、本命(デッド)が相手となると死人が増えるだけだ。

 連れていくにはリスクが大きすぎる。

 装備を調え、最終確認をする。みんな万全だ。アクアを除いて。

 水色のワンピースに丸腰と、ちょっと気軽にお出かけをする格好。アクアじゃなかったらふざけてるのかと問い質していただろう。

 現にボクたちは、その姿のアクアを相手に戦った身だ。文句を言える理由がない。

 エリスは例外なようで、アクアの両頬を引っ張りながら文句を言っているのだけれども。

 前もっての打ち合わせでワイズには広範囲上級魔法の使用を制限してもらっているし、本人も(わきま)えている。

 洞窟なんて狭い空間では自陣を巻き込む可能性が高すぎる。特に火属性は危険だ。

 洞窟に住み着く魔物は火が弱点な事が多い分、むやみに放てないのがツラいところか。

 出発することをドワーフたちに伝えると、昨日から少女が一人帰ってきていないと告げられた。

 偶然迷子になっているだけかもしれないが、新たにデッドに連れ去られた可能性も否定できない。

 救出対象が二人から三人に増えたと思っていいだろう。

 敵拠点の入り口までたくさんの人達と共に向かう。

 改めて一見するも、鉱山の入り口にしか見えない。

 仲間を見渡すと、強い眼差しと頷きが返ってくる。

「行こう。魔王城、蠢きの洞窟へ」

 見送られながら、ボクたちは五人で足を踏み入れる。松明はアクアが持ってくれた。

 あんまり協力する気はないけど、松明を持ってると冒険気分を味わえるとかなんとか。

 とエリスがアクアを丸め込んでいた。

 一人だけ温度差が違うことに気がかかるが、元より仲間ではない。協力してくれているだけで御の字だろう。

 真っ暗やみな洞窟を、警戒しながら少しずつ突き進んでいった。

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