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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第5章 毒牙のデッド
355/738

354 問い

「なぁババア。ババアはジジイの事をどう思ってたんだ? チェルに命令されてなし崩し的にジジイを襲ったんだろ。んでもって僕を産んで、育ててよぉ。面倒が増えただけじゃなかったか? ババアがジジイを好む要素なんてどこにもねぇじゃねぇか。二年前に聞いたら答えてくれたのか? いや、二年前の僕じゃそもそも、そんな疑問にすら辿り着けなかったか」

「んっ……んんっ。どうしたの、デッド?」

「んだよアイポ、起こしちまったか?」

「ちょっと、寂しそうだったから。ねぇ、デッドのババアはジジイと一緒にいて楽しそう?」

「どうだったかなぁ。ババアがジジイからかって面白がってはいたけれども」

「だったら好きなんじゃない。一緒にいて嫌な雰囲気じゃなかったらきっと大丈夫だよ」

「んな単純なもんじゃねぇだろぉ」

「そうかな? そういう事って案外、単純だったりするかもだよ。わたしはデッドといて楽しいもん」

「急に抱きついてくんなバカ」

「バカだもーん。だからありったけひっついてやるー。うりうりー」

「ケっ。ババア然りアイポ然り、僕の周りは物好きばっかで理解に苦しむぜ」

「そう言いつつわたしの頭、撫でてるよ」

「撫でやすい頭が傍にあるのが(わり)ぃんだよ」

「もっと撫でてくれてもいいの。気兼ねなくじゃれ合えるこの瞬間が、きっとすっごく貴重なことだから」

「妙に達観してんじゃねぇか」

「だって、互いに冷めちゃったり、気を遣い過ぎちゃったりしたらつまらないもん」

「冷める、ねぇ。ババアとジジイは物理的な距離が空いてたけど、冷めるほど長い時間触れ合えてたわけじゃねぇかんな」

「もったいないよね。だから目一杯触れ合おう。ババアさんがしてこなかった分まで、うんといっぱい。デッドだって、楽しいの続けたいでしょ。ふぁ~あ」

「あくび出てんじゃねぇか。疲れてんだからムリせず寝ろっての」

「うん。おやすみデッド。たくさん一緒に……」

「……ったく、喋りながら落ちんじゃねぇよ。なぁ……ババアも僕とおんなじ気持ちを

(いだ)いてたのか? ジジイを相手によぉ。だったら、幸せだったんだろぉなぁ……考えててもしょうがねぇか。もう寝ちまおう」

「ん~……デッドぉ……大好きだよぉ……むにゃ」

「バカな寝言を言ってんじゃねぇよバーカ」

 ……

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