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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第5章 毒牙のデッド
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335 ダダ漏れの情報

 アクアのバカが勇者に負けた挙げ句、勇者についていって旅を始めだした。

 生きちゃぁいるが、実家でみんなして顔を合わせながら飯を食う事はほぼなくなんだろぉな。

 空席ひとつあるだけで違和感があるのはなんでかねぇ。

 今までだって絶対に全員が揃ってたわけじゃねぇのによぉ。

 晩飯の酢豚のタレの酸っぱさを、後追いの白飯に絡ませながら食べる。白飯ってのは濃い味と合わせると丁度よくなるよなぁ。

 アクアも今頃晩メシ食ってんか? いや時差があっか。

 周囲からは食器の音や雑談なんかが聞こえてくる。みんな揃ってっからうるさいはずなのに、足りねぇ感じがする。

「そういえばデッド、次勇者が向かう場所なのだけれどヴェルクベルク、あなたの所らしくてよ」

 メシ食ってっと唐突にチェルが告げやがった。そっか、僕ん所かよ。

「キヒヒっ。急にメシがうまくなる話を持ってきてくれるじゃねぇか。情報持ってきてくれる配下が優秀でありがてぇわ」

 機嫌良く酢豚を口に入れ噛み砕く。旨味が増したんじゃねぇのか。さぁて、どうやって勇者を追い詰めっか。色々浮かんで絞り込めねぇなぁ。キヒヒっ。

「アクアが普通に教えてくれたわ」

 強い酸味が喉奥を刺激してきやがった。僕の他にも二人ほどムセ込んでんぞおい。

「アクアはスパイかなんかやる為に勇者についてったんだったか?」

「お喋りの延長戦でポロっと出ていたわ」

 チェルが悩ましい表情で言ったぜ。他の面々も苦笑いやら頭を抱えたりやらそれぞれだ。

「状況ってヤツを知らねえのかアイツ。勇者の情報筒抜けじゃねぇか」

 情報漏洩が疑われても文句言えねぇぞ。

「なんかー、ヴァリーちゃん達の事も筒抜けになってそーで怖いなー」

 いやまさか、さすがに……ありそうで困るわ。食卓が沈黙に包まれちまったぞ。

「まっ、アクアは良くも悪くも素直だからな。口止めしてほしい事は事前に言っておけば大丈夫だろ、たぶん」

 ジジイがフォロー入れてんだが、なんの慰めにもなってねぇぞ。

「まぁいい。目的地が決まったところで明日すぐくるわけでもねぇだろ。じっくり勇者を迎え撃つ方法でも考えるとすっか」

 僕らみたいに地下鉄使って法外な速さを出せるわけじゃぁねぇ。早くても一週間はかかんだろ。

「頼んだぞデッド。派手に暴れてこい」

「ジジイに言われるまでもねぇよ。勇者共に身の程をわからせてやんよ」

 僕らの吹っ掛けたケンカがどんなもんかわからせてやんなきゃな。キヒヒっ。

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