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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第4章 海原のアクア
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305 学習

「よくやったエリス。今度こそ終わりだ!」

 ずぶ濡れの身体で立ち上がっていたジャスが、再びジャンプ切りを放つ。

 アクアは右腕がトライデントごと凍てついていて、左のトライデントはツタが絡んで動けない。今度こそ決まる。

「まだ終わる気ないからねっ!」

 左手のトライデントが液状化し、床に落ちた。ツタが緩んだのか左腕を引き抜くと、(くう)にいるジャスへと伸ばした。

「動けないなら、動かなくてもいいようにするまでだよ」

 アクアは自身の周囲に水を纏わせると、切っ先をジャスへと向けたトライデントの森を作り出した。

 あんなのに斬り掛かったらジャスが切り裂かれちゃう。

「ワイズっ!」

「クリエイトアイスっ!」

 無数の刃先の手前で氷の足場を形成するワイズ。ソレを踏み台にジャスは難を逃れる。

「今の内にっと。そっちにもお返しだよ」

 アクアは水の刃を発生させると、ツタを根元から刈り取った。拘束が解かれると同時に、アタシ達に向かって波を発生させる。

 ワイズとクミンが同じ方向に、私が反対側に跳んで躱す。

「そんな単調な攻撃食らうかよっ。ファイアボール」

 ワイズからの火球。たぶん凍るヤツだよね。

「もー、火気厳禁。大元から消化しちゃうよ」

 プンプンに怒りながら水圧砲を放つアクア。ワイズの口角がニヤリと笑う。

「おいおい。ちったぁ学習しろっての」

「学習、してるつもりなんだけどな。集中豪槍雨しゅうちゅうごうそうう

 水圧砲が槍の群れに変わり飛来する。先頭の数本は偽装火球が捉えて氷漬けにしたものの、後方から来る槍の圧であっさり砕かた。氷塊を混じらせながらワイズを襲う。

「やっべっ!」

「ワイズっ!」

 クミンがワイズを庇いながら、大剣を盾代わりにして横殴りに降る槍の雨を受ける。

「うわぁぁぁあっ!」

 クミンの防御も虚しく、無数の槍に襲われる二人。

「ワイズ、クミンっ!」

「余所見しちゃダメだよエリス。もっと私にも注意を払って」

 振り向くと、アクアが天井に向かってトライデントを投げていた。トライデントの行く先を視線で追う。

「ほらまたやった。私はこっちだよ」

 視線を声の方に戻すと、もうアクアがすぐソコまで迫ってきてたとっさに弓を構えるより早く、回し蹴りがアタシの脇腹を捉えた。

「がはっ」

 吹っ飛ばされて床に叩きつけられる。痛いっ。脇腹を押さえて身を丸めてしまう。

「上だエリスっ!」

「えっ?」

 間抜けな声を上げて見上げると、一本のトライデントが降ってきていた。

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